MERF(旧社名:黒谷)は14日開催の取締役会で、米国子会社のKurotani North America, Inc.(=KNA)の子会社CMX Metalsが、銅インゴット製造などのCalifornia Metal-X(=CMX)の事業を、CMX(assignment for the benefit of creditors),LLCを介して譲り受ける決議をしたと発表した。北米での事業基盤の拡大を通じ、東南アジア中心の現在の海外向け販売をグローバル展開する形で成長戦略に弾みをつける狙いだ。
CMXは電気溶解炉、ガス回転炉、銅・アルミ分離装置を持ち、カリフォルニア州で約40年の操業実績を持つ銅合金インゴットメーカー。CMXの業務を引き継ぎ米国内での銅合金インゴット製造販売、銅・アルミ系リサイクル原料の加工業務を開始。併せて銅合金インゴットの海外での販売補完機能を引き出し、新商品開発面でも協業を進める方針だ。
契約締結日は1月15日の予定。現在、最終合意に向けて協議を進めているため、価格などは未定としている。今回の事業譲受は貿易のブロック化を進める米国の政策展開も見据えているという。
なお、手続きはカリフォルニア州法上の*Assignment for the Benefit of Creditors (ABC手続)に基づくもので、資産の保管及び管理を実施するために設立された特定目的会社であるCMX (assignment for the benefit of creditors),LLCを介して、同社は事業を譲り受けることになる。
*Assignments for the Benefits of Creditors(ABC 手続):
財政難に陥った企業が、正式な破産手続に代わり、資産を清算することにより生じる収益を債権者に分配する目的で、資産の保管及び管理を実施するために選任された第三者に自発的に譲渡する手続きを指す。
(IRuniverse G・Mochizuki)