三井金属は21日、保有する連結子会社の三谷伸銅の全株式を、関係当局の承認が得られることを条件に、CKサンエツに譲渡することを決定したと発表した。国内伸銅品需要が漸減傾向を辿る中、M&Aなどを軸に事業機会の拡大を目指すCKサンエツと、事業ポートフォリオの見直しを進める三井金属の利害が一致した。実現すればCKサンエツグループの議決権所有割合は、既存株主である連結子会社の日本伸銅の保有分と合わせ75.58%になる。サンエツの株式取得額はおよそ26億円。
三谷伸銅は、三井金属が71.15%の持分を保有する同社の連結子会社で、安定した多品種少量生産体制で、官需先など特定市場に強みを持つ老舗伸銅品メーカー。24年3月期の業績は売上高が118億6,300万円、純利益は1億2,000万円。
契約締結日は21日で、株式譲渡実行日は4月1日の予定。三井、CKサンエツの両社ともに今回の株式譲渡・取得に伴う25年3月期の連結業績への影響は軽微としている。
CKサンエツでは今回の株式の取得を通じ、「双方で培ってきた生産技術・ノウハウを相互活用することで生産性を向上させ、小ロットの生産品種は、製品の双方向のOEM生産等により生産拠点を集約することにより量産効果だけでなく、設備投資の重複を避けて減価償却費の負担を軽減することが可能となる。また、原料及び副資材の共同購買を進めることで原価低減が期待でき、さらには複数の生産拠点を持つことにより、設備トラブルや欠員等による生産障害発生時におけるBCP機能が強化される」などとしている。
(IRuniverse G・Mochizuki)