米国市場で鉱業企業の新規上場が相次いでいる。米市場の活況を背景に上場先を米国に移す動きが加速している。ただ、世界的に鉱業需要が意識される中でも、金融界ではやはり半導体関連などに投資家の注目は集まりやすく、鉱業企業の上場パフォーマンスはいま一つだ。
■金採掘企業やニッケル生産企業が連日ナスダックへ
米フロリダ州に本拠を置くオーラ・ミネラルズ(Aura materials)が7月17日、米新興企業向けナスダック市場に新規上場した。初値は公開価格($24.25)と同じ$24.25、終値は3.09%安の$23.50だった。オーラはアメリカ大陸で幅広く金や銅を採掘する。ブラジルのブボルボレマ金鉱山を所有・運営するほか、メキシコやホンジュラスでも採掘事業を手掛ける。すでにカナダのトロント市場に上場しており、今回のナスダック上場に伴い30日以内にナスダックへと株式を移管する。
プレスリリース: 058031e5-e0f8-6aad-b026-eaec36999f30
一方、カナダやボツワナでニッケルや銅、コバルト、白金などの金属を探査するネックスメタルズ・マイニング(Nexmetals Mining Corp)も7月16日、同じくナスダック市場に新規上場した。ただ、初日終値は$7.72と公開価格($12)を下回った。上場2日目に当たる7月17日終値は$6.81まで値を落とした。同社もカナダ・トロント市場に既上場だ。
プレスリリース:NexMetals Begins Trading on the Nasdaq Under the Symbol NEXM | NexMetals Mining Corp.
■タングステンのアルモンティも続くか
米国市場では半導体のエヌペディア株が7月9日に世界史上初の4兆ドル超えを達成するなど活況が続く。資源会社の間でも上場先を米国に移す動きが加速する。タングステン生産のカナダのアルモンティ・インダストリーズ(Almonty Industries)も、トロントからナスダックへの上場先鞍替えを計画する。タングステン価格の上昇も同社の積極姿勢を後押しする。
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もっとも、半導体や人工知能(AI)関連などに人気が集中しがちな中、鉱業株は株の世界での人気はいま一つ。コバルト資産の運用を手掛ける英コバルト・ホールディングスPLC(Cobalt Holdings PLC)は6月、投資家の需要が集まらず、計画していた英国での上場を断念した。
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(IR Universe Kure)