〜⽯油化学産業の原料転換に貢献する新技術の実証を加速〜
住友化学は、8月20日、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉⼯場袖ケ浦地区に新設し、稼働を開始したと発表した。同プロセスは、⽯油化学産業の原料転換に⼤きく貢献しうる技術として、NEDO のグリーンイノベーション(GI)基⾦事業の助成を受けており、同社は同プロセスの実証を⼀層加速させ、30年代前半の事業化および他社への技術ライセンス供与を⽬指す。
プロピレンは、現在、我が国では主に化⽯資源であるナフサを原料とし、基幹化学品として幅広い⽤途に⽤いられている。エタノールは、サトウキビやとうもろこし、⾮可⾷原料であるパルプなどのバイオマスから製造することができ、また近年では、可燃ごみから⼤量⽣産する技術の確⽴が⾒込まれるなど、サステナブルな基幹化学原料への転換が進む中、化⽯資源に代わる原料として期待が⾼まっている。
住友化学が開発中の同プロセスは、エタノールを原料としてプロピレンを直接製造することが特⻑。エチレン等を経由せず、⼀⼯程で⽬的物とするプロピレンを製造するため、低コスト化が⾒込める。また⽔素を副⽣する利点も有しており、バイオエタノールを原料とする場合は、バイオ由来の⽔素を得ることができる。
今後、⼯業化に向けた各種データの取得を進めるとともに、本プロセスで得られたプロピレンを⽤いたポリプロピレンのマーケティング活動を幅広く⾏い、30年代前半の事業化および他社への技術ライセンス供与を⽬指す。
住友化学は、⽯油化学関連事業について、環境負荷低減技術による価値創造に⼤きく舵(かじ)を切ることにしており、国内・海外における構造改⾰を進めると同時に、同件を含む技術ライセンス供与、触媒販売を強化する。また、2030年以降の新たなビジネスモデルとして、原料サプライヤーや製品ブランドオーナーを含めた資源循環のバリューチェーンを構築し、顧客間でのCO2削減貢献量を収益化する「GXソリューション事業」の実現を⽬指している。
(IR universe rr)