Kolos社が主導する「K66プロジェクト」は、NdFeB磁石の包括的なサプライチェーンを構築する取り組みであり、採掘から製造までを各国パートナーと連携しながら実現する構想だ。
- 上流工程(Upstream):ウクライナ国内パートナーとの協力による鉱床からの精鉱確保
- 中流工程(Midstream):米国インディアナ州におけるパイロット規模の精製による酸化物・金属の分離生産
- 下流工程(Downstream):ポーランド、スロベニア、ドイツのEUパートナーと協力し、自動車・産業規格に対応した完成磁石を製造
サプライチェーンの各段階に複数のパートナーを関与させることで、地政学的リスクを分散し、一部の供給が途絶しても事業継続性を確保できる体制を整えている。
需要面でも確固たる基盤が形成されつつある。ウクライナ最大手のドローン用エンジンメーカー2社だけで、年間130万個超の完成磁石需要が見込まれており(すでに契約締結済み)、さらにインドのモーターメーカーからの需要もある。業界推計によれば、ウクライナのドローン生産は昨年の約200万台から、本年は約500万台規模へと急拡大しており、磁石需要は一層高まる見込みだ。
ベレジニー氏は次のように強調した。
「K66プロジェクトは、NATO加盟国の管轄に基づき、完全なトレーサビリティを確保し、EUまたは米国の産業基準に準拠しています。これは、日本の高信頼性要件にも合致するものです。」
さらに同氏は、日本の戦略的パートナーとしての参画を呼びかけた。仕様共同開発、パイロットプロジェクト、オフテイク契約、キャパシティ予約などを通じて協力できるほか、日本企業による出資・参画も歓迎している。これにより、米欧の同盟国とともに優先的なキャパシティ確保や製品グレードのロードマップ策定への関与が可能となる。
中国による輸出規制によってサプライチェーンの脆弱性が顕在化する中、ウクライナと米欧を結ぶ「西側主導」の供給網を構築することは喫緊の課題となっている。K66プロジェクトは、この課題解決に向けた有力な選択肢として大きな注目を集めそうだ。
「日本の”Monozukuri” (ものづくり) 精神にふさわしい、信頼でき、完全にトレーサブルで、ウクライナとの友情に根ざしたサプライチェーンを共に築いていきましょう。」
とベレジニー氏は呼びかけている。
(IRuniverse R.S.)