資源探鉱、開発を行う豪州企業Energy Transition Minerals(ETM)社は10月29日、同社の完全子会社であるGreenland Minerals A/S(GM)を通じてグリーンランドにて開発を進めているKvanefjeldレアアースプロジェクトに関して、2022年3月に同社が開始したウラン法をめぐるグリーンランド政府およびデンマーク政府との仲裁手続きを経て今回裁判所が管轄権を明確化し、争いが次段階へ移行したとの声明を発表した。
声明によると、同プロジェクトの開発が開始されたのは2007年。しかしながら、2021年12月、当時新たに制定されたウラン法に基づき、ウラン含有量を理由にグリーンランド政府がGM社に対しKvanefjeldプロジェクトの採掘権を取得する権利を一切認めない旨を通知。これが長年にわたる争いの発端で、2025年6月にコペンハーゲンで行われた審理を経て、裁判所は今回、2025年10月28日に、“係争中の仲裁における管轄権に関する決定を下した”とのこと。長期化している本件解決に向けた重要な一歩となることが期待されている。
ETM社のDaniel Mamadouマネージング・ディレクターが説明しているところによれば、今回の主な決定は以下の通り。仲裁裁判所は、デンマーク政府を本件の当事者から除外すべきであり、また、GMの採掘権に関する請求は仲裁ではなく裁判所が判断すべきであると裁定。一方で、契約違反および損害賠償に関するGM社の請求は依然として仲裁の対象となり得るとし、ただし裁判所手続きの結果が出るまで仲裁手続きは保留されることも決定された。
Mamadou氏はさらに、今回の仲裁裁判所の決定は、仲裁における全当事者の時間と費用のさらなる浪費を避ける目的で同社が2024年11月に両政府に自主的に提案しながらも両政府から拒否された解決策と類似している点を指摘。「我々がいずれ、適切な場においてポジティブな結果を得られることを確信しています」と述べ、「従いまして、本件を前進させられる判断が下されたことを喜んでいます」と、今後の裁判を歓迎する意向を示した。
Kvanefjeldプロジェクトは世界最大級の未開発レアアース鉱床の一つであり、グリーンランド経済にとっても、世界的なレアアース供給という観点からも、同プロジェクトが未だ始動していないことは遺憾であると語るMamadou氏。「本プロジェクトは不当に保留状態に置かれていると確信している」としたうえで、「ETMは、グリーンランドおよびデンマークの政治家・当局双方との共通基盤を見出すことに引き続き尽力します。我々は建設的な対話への努力を継続しており、また、全関係者に明確さを提供しグリーンランドに長期的な価値をもたらすバランスのとれた解決策に辿り着く用意はできています」と結んでいる。
(IRUNIVERSE A.C.)