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10月の工作機械受注、輸出が月次最高を更新も、今後中国摩擦長引けば腰折れ懸念も

2025/11/27 04:36
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10月の工作機械受注、輸出が月次最高を更新も、今後中国摩擦長引けば腰折れ懸念も

工作機械工業会10月受注確報 10月17.1%増1435億円と4ヶ月連続同月比増加

 

10月工作機械受注1435億円(11.0%増)と4ヶ月連続同月比増

 11/26の15時に日本工作機械工業会の2025年10月工作機械受注確報が開示された。10月受注は1434.56億円(同月比17.1%増、前月比3.1%増)と4カ月連続同月比増加、上期末9月比でも増加し、9月に続き2ヶ月連続で本年月次最高額を更新、8ヶ月連続1200億円調で、1400億円超えは7ヶ月ぶり。また10月としては22年の1410.66億円以来の数字となった。特に輸出は過去最高の月次受注額を記録した。

 

外需20.9%増1077.6億円は月次最高額を記録も、今後の日中摩擦の波及が不安材料

外需は1077.6億円(同月比20.9%増、前月比12.8%増)と13カ月連続同月比増となった。前月比で7ヶ月ぶりに1000億円超に復帰、単月では2018年3月の1073.22億円を抜いて月次最高額更新となった。

主要4業種では電気・精密を除き同月比増加、前月比では自動車を除き増加した。一般機械は305.8億円(同月比21.6%増、前月比11.3%増)と3ヶ月ぶりに300億円超えとなった。自動車は256.0億円(同月比34.1%増、前月比0%増)と同月比9ヶ月連続増加、前月比でも横ばいを保ち2ヶ月連続で250億円超えとなった。電気・精密は165.4億円(同月比25.4%減、前月比44.7%増)と同月比は減少も7ヶ月ぶりに150億円超えとなった。航空・造船・輸送機械は132.8億円(同月比2.4倍、前月比43.3%増)と、同月比、前月比ともに増加し、4ヶ月ぶりに100億円を超えた。

主要3極別ではアジアが515.0億円(同月比3.2%増、前月比3.8%増)と、7ヶ月ぶりに500億円超えに。東アジアは382.4億円(同月比14.0%増)。このうち中国は317.9億円(同月比9.6%増、前月比7.3%減)と同月比19ヶ月連続増加、2ヶ月連続300億円超えとなった。景気減速の中で補助金などの支援の効果が継続している模様。中国の一般機械向けは134.3億円(同月比43.3%増)と補助金効果が継続、自動車は101.0億円(同月比1.6%減、前月比23.5%減)とBYDなどのEV投資が一服した模様。電気・精密は56.5億円(同月比26.4%減)と2ヶ月連続同月比大幅減となり、2ヶ月連続で60億円割れに。全体として中国の工作機械NC化向上促進への補助金政策継続が支えている。また自動車は主力メーカーの大型投資が継続してきたが、EV販売減速で今後投資見直し懸念も。そのような中で今回の日中摩擦が勃発、今々で受注キャンセルは生じていないものの、今後の中国政府の出方によっては大きく減少する懸念が出てきた。韓国は43.11億円(51.8%増)と23年5月の46.09億円以来の受注額となった。その他アジアは132.6億円(同月比18.9%減)で6ヶ月ぶりに同月比減少となった。インドは48.98億円(同月比49.6%減、前月比8.0%減)と、3ヶ月連続同月比減少、一方でタイが19.47億円(2.1倍)、インドネシア16.97億円(5.1倍)は2ヶ月連続12億円超えとなっており、おそらく20年9月の12.81億円を大幅に上回り、月次過去最高額更新となった模様。またマレーシアも16.35億円(81.5%増)と高い伸びになっている。

北米は335.5億円(同月比58.2%増、前月比13.5%増)となり、9ヶ月連続250億円超、5ヶ月ぶりに300億円を超した。このうちアメリカは282.9億円(同月比62.4%増、前月比9.2%増)と9カ月連続同月比増加、3ヶ月連続前月比増加となり、5ヶ月ぶりに280億円超えとなった。米国主要4業種は一般機械60.3億円(8.3%増)と建機や農機向けが継続増加、自動車は53.0億円(2.6倍)とトランプ関税でICE(内燃機関)向け受注の押上げ再開の動きも。電気・精密は18.0億円(7.5%減)と一服状況が続いている。なおメキシコも36.61億円(3.0倍)とトランプ関税問題が解決方向から大幅回復している。

欧州は202.1億円(同月比22.4%増、前月比30.0%増)と4ヶ月連続同月比増、前月比でも2ヶ月連続増加となった。ドイツが43.0億円(同月比65.0%増、前月比19.4%増)と、16ヶ月ぶり40億円超えとなった。イタリアも29.0億円(同月比70.1%増、前月比28.8%増)で4ヶ月連続同月比増、2ヶ月連続前月比増で3ヶ月ぶりに25億円超えとなった。その他では、フランス24.68億円(10.4%増)、イギリス23.61億円(28.0%増)、スイス11.52億円(2.0倍)など、軒並み同月比2ケタ増となった。欧州の主要業種4業種では前月比で航空・造船・輸送用機械を除きプラス、同月比では電気・精密以外で増加している。一般機械が47.6億円(12.2%増)と増月比増加に転ずるも4ヶ月連続50億円割れと低迷が続いている。自動車は24.0億円(10.0%増)と11カ月ぶりに20億円を超えたが、低水準にとどまっている。電気・精密は18.8億円(9.1%減)と3ヶ月連続15億円水準。航空・造船・輸送用機械は19.0億円(55.3%増)と5ヶ月連続で同月秘蔵となっている。

 外需全体では月次で最高額の更新となったが、過去単月最高額の2018年3月当時と同様に、全地域、主要国でいずれも同月比増加と、類似した状況になっているとのこと。米国はトランプ関税がプラスに働いている模様で、中国もNC化率向上の補助政策継続が寄与していると見られる。このような動きから、本来であれば外需の拡大が加速する局面に差し掛かったはずであるが、足元、日中問題が生じているものの中国からのキャンセルなどは発生していない。但し今後の中国の対日政策如何では、中国向けが大幅に縮小する自体もあり得るため、依存度が高いだけに全体受注にも大きな影響が出かねない状況となっている。

 

 

内需356.9億円(同月比6.7%増、前月比18.2%減)と前月比減も2ヶ月連続350億円超

内需は356.9億円(同月比6.7%増、前月比18.2%減)となった。同月比で2ヶ月連続増加、前月比では上期末の9月比減少は通例で、2ヶ月連続で350億円超は緩やかな回復を示していると言えよう。主要4業種は同月比、前月比で自動車のみ増加した。一般機械は144.9億円(同月比7.1%増、前月比10.1%減)と、同月比で4ヶ月ぶりに増加、同月比では建設機械が3ヶ月連続同月比増、金型も4ヶ月連続同月比増などとなっている。自動車は82.2億円(同月比20.5%増、前月比16.2%増)とトランプ関税措置が一応解決し、トヨタなどが人気車種の超納期化に対応した能力増強に着手したようで、完成車向けが38.8億円(同月比65.9%増、前月比94.5%増)となっており、25年では3月の119億円に次ぐ2番目の受注額となっている。電気・精密は39.6億円(同月比5.7%減、前月比26.2%減)と、2ヶ月連続同月比減、再度40億円割れとなり、不振が続く。航空・造船・輸送用機械は18.6億円(同月比24.5%減、前月比24.5%減)となり9月の月間最高額の反動減に。

全体としてトランプ関税が日米間では一応決着、低迷していた自動車向けがトヨタの能力増強などの動きで緩やかな回復が期待されるが、内需も今後、日中問題の影響が出かねない。内需は緩やかな回復基調にある航空・造船・輸送用機械を除き力強さがない。

 

10月販売は同月比4.2%増1200億円、受注残2.4%減7565億円は29ヶ月連続同月比減

10月販売は1200億円(同月比4.2%増)と3ヶ月ぶりに同月比増加となった。受注残高は7565億円(同月比2.4%減)と6ヶ月連続7000億円乗せも29ヶ月連続同月比減少。

 

10月工作機械4社受注12.1%増、4社合計は同月比17ヶ月連続増加も内需5ヶ月連続減

日刊工業新聞が集計している工作機械主要4社の11月受注が11/13に発表された。4社合計で367億円(12.1%増)と、17ヶ月連続同月比増加となった。輸出は283.41億円(20.2%増)となり、芝浦機械を除き同月比増加し、14ヶ月連続同月比増加となった。一方、国内は83.75億円(8.7%減)となり、5ヶ月連続で同月比減少した。

牧野フライスが99.17億円(同月比3.2%増)で、内需の減少を中国、アメリカでカバーし増加を維持した。

 

オークマは142.29億円(8.8%増)と2ヶ月連続同月比増加。国内は42.13億円(13.6%減)と不振も、輸出は100.16億円(22.2%増)と米国で航空宇宙、エネルギー関連が好調持続、13ヶ月連続増となった。中国向け大型機受注など寄与、逆に今後の懸念材料に。

 

 

芝浦機械は16.78億円(3.5%増)で、国内が造船向けなどで増加し10.76億円(6.0%増)、輸出は6.02億円(0.8%減)に留まった。

 

ツガミは108.92億円(29.1%増)で、輸出が102.29億円(31.2%増)と主力の中国向けが高水準を維持した。今後、日中摩擦激化となれば大きな打撃となる懸念あり。

 

出所:日本工作機械工業会11月記者会見資料、日刊工業新聞社掲載4社受注よりアイアールユニバース加工

 

 

(IRuniverse Okamoto)

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