韓国鉄鋼系複合企業のポスコ・グループ(Posco Group)は3月23日、自社ホームページ上で、「レアアースのサプライチェーン(供給網)構築に向け250億ウォン(約27億円)規模のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドを立ち上げる」と発表した。中国にレアアースの生産能力が偏重する現状を脱し、特にジスプロシウムやテルビウムといった中重希土類の安定供給を目指す。
■まず国内企業に80億ウォン
グループのポスコ・インターナショナルとポスコ・インベストメントが協力してファンドを立ち上げる。第1弾として、韓国国内のレアアース分離・精製の専門企業に向け、80億ウォンを投資する。その後はポスコ・インベストメントがファンドを運用し、有望なテクノロジー企業に向けて継続的な支援を行う。
ファンドは海外事業も視野に入れる。ポスコ・インターナショナルは既にマレーシアやラオスでレアアース事業を展開しており、東南アジアから年間約4500トンのレアアース製品の調達を見込む。調達規模は将来的に1万トン超に拡大したい考えで、ファンドを利用しての投資を続ける。また、北米では合弁会社を通じ、2027年開業予定のレアアース分離・精製工場を建設中だ。
同社は「この一連の投資を通じて、採掘から分離、精製、永久磁石生産に至るまでのレアアースバリューチェーン全体を完成させ、牽引モーターコアの製造と統合して、コアEV部品事業の競争力を継続的に強化することを目指す」と説明した。
■中重希土類の確保が加速
中国がレアアースの輸出制限をかける中、西側諸国では中国以外でのレアアースのサプライチェーンを構築しようとする動きが加速している。特に中重希土類は生産の中国シェアが高い一方で電気自動車(EV)のトラクションモーターなどに不可欠とされ、確保の動きが強まっている。
日本はオーストラリア資源のライナス・レアアースから中重希土類の供給を受ける。欧州はイタリア、フランス、ドイツが中心となり、欧州連合(EU)の重要鉱物の備蓄を進める計画が伝わる。米国は2月に「重要鉱物サミット」を開催した。
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(IR Universe Kure)