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2026年国際自動車リサイクル会議IARCプレゼンテーションから:自動車の循環経済を支える新ELV規則②

2026/04/02 17:24
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2026年国際自動車リサイクル会議IARCプレゼンテーションから:自動車の循環経済を支える新ELV規則②

3月にドイツ・ハンブルグで開催された国際自動車リサイクル会議では、中心議題の一つ使用済自動車規則案について、欧州委員会・環境総局担当官Jaco Huissman氏から現状報告があった。ELV規則案をめぐる審議は基本的に終了しており、現在は最終承認を待っている段階である。したがって、今回の法案の報告内容は最終版となるようだ。欧州委員会による2023年7月の法案発表からすでに3年近く経過、審議が長期化したELV規則について、プレゼンテーションの全容をレポートするシリーズ②。

再生材使用義務と申告

ELVRは、今回具体的な再生材使用義務も導入する。 対象となる車両用プラスチックについて、発効から6年後には総量の15%(うち20%はクローズドループ)、10年後には25%(同じく20%クローズドループ)という再生プラスチック含有率を達成することが求められる。 この目標値にカウントできるのはポストコンシューマー由来のプラスチックのみとされた。

メーカーには、100gを超えるプラスチック部品に加え、鋼、アルミニウム、マグネシウム、電動モーターの永久磁石中の重要原材料について、プレ/ポストコンシューマー由来の含有量を申告する義務も課される。 鋼とアルミニウムに関しては、まず1年以内に実現可能性の調査、2年以内に算定方法を定め、その後7年以上を見据えた再生材含有目標値を設定するロードマップが構築される。 重要原材料の再生材利用目標や、バイオベース・プラスチックおよびタイヤ由来エラストマーの扱いについても、将来の見直し条項の中で検討される予定である。

拡大生産者責任と回収・輸出規制

拡大生産者責任(EPR)制度も全面的にアップデートされる。 生産者責任組織(PRO)のガバナンスや非差別的選定手続き、附属書VIIIに基づく登録の調和・デジタル化、重量・3R性能・解体時間・再生材利用率に応じた可変調整料金、オーファン車両の費用負担ルール、乗用車・小型商用車向けの越境費用配分メカニズムなど、新たな要素が追加されている。 生産者は、回収、回収拠点から認可処理施設までの輸送、部品・材料の収益を考慮した処理コスト、啓発キャンペーン、抹消証明書(CoD)通知システム、報告にかかる費用を負担する義務を負う。

回収・輸出に関する規定も強化されている。回収されたELVは2か月以内に認可処理施設へ移送することが義務付けられる。また回収拠点には廃棄物処理許可が必要となり、受入確認書や標準化された抹消証明書の発行・相互承認が求められる。 規則の発効から5年後には「道路走行可能な車両のみ輸出可能」となり、ELVの輸出は禁止、輸出者は車台番号と最終登録国を申告する義務を負う。 加盟国は、中古車とELVの区別ルールの遵守状況を確認するため、リスクに基づき定期的な輸出検査を実施しなければならない。

処理基準、監視・執行、そして段階的導入

処理段階では、現行のELV規則をベースにしつつ、脱液・中和要件の更新、アルミニウム・鋼・シュレッダー残渣・プラスチック等の品質要件、混合シュレッディングや埋立への制限、プラスチックに対し30%の材料リサイクル目標などが導入されている。 適切な取り扱いのもとラベリングされたリユース・リマニュファクチャリング向け部品は「非廃棄物」とみなされ、二次市場の拡大が推進される。 一方で、車両レベルの85%リサイクル・95%回収目標は維持され、M1およびN1車両については3Rターゲットが適用され続ける。

監視・検査・執行体制も改正により大幅に強化された。加盟国は毎年、車両・ELV台数や部品・重要原材料に関するデータを公表し、5年ごとにリユースインセンティブ、制裁・検査結果、定義の運用状況などを欧州委員会に報告する義務を負う。 各国は国家検査戦略を策定し、認可処理施設と回収拠点の少なくとも10%を検査対象としなければならない。 さらに、MOVE‑HUB(欧州委員会開発)のような電子情報交換システムを活用しつつ、域内外の協力を通じて違法なELV処理・輸出の防止と摘発を図る構想である。

最後に、ELVRは現行法令の廃止・置き換えのタイミングも綿密に設計している。使用済み自動車指令は新規則の発効から2年後に廃止されるが、一部規定は新規則の段階的義務化に合わせて暫定的に存続する。 3R指令は約6年をかけて2段階で廃止され、2026年から2030年代初頭にかけて、多数の実現可能性調査、施行・委任法令、見直し報告が予定されており、自動車セクターの循環性を段階的に高めていく構図となっている。

By Y.SCHANZ

 


 

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