銅市場で、米国向け輸送を軸とした「関税裁定取引」が再燃している。Bloombergによると、COMEX銅先物がLME現物価格を1トン当たり500ドル超上回る局面となり、トレーダーが世界中の余剰銅を米国へ振り向ける動きが再び強まっている。
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トラフィグラ、LME銅在庫5万トン超を大量引き揚げへ 米国プレミアム急騰で裁定取引再加速、LME在庫逼迫感強まる可能性
背景には、トランプ政権が検討する銅輸入関税観測がある。米商務省は6月30日までに銅市場に関する報告を提出予定で、市場では2027年1月から15%前後の輸入関税導入観測が根強い。外電によると、この関税リスクだけでも米国向け輸送を正当化する状況という。
実際、前稿で触れた通り、トラフィグラはLME倉庫から5万1,000トン超の銅を出庫引き当て(キャンセルワラント)しており、少なくとも一部はCOMEXプレミアム獲得を狙ったものとみられている。LME在庫統計でも同規模のキャンセルワラント増加が確認されており、整合性は高い。
市場関係者は、米国輸入量が再び月15万~20万トン規模へ回復する可能性を指摘。Mercuriaは「需給不足の焦点はLME市場へ移るのは時間の問題」との見方を示した。
一方、中国実需は年初高値局面から持ち直しつつある。AI・データセンター投資期待、中東情勢による硫黄・硫酸供給不安も依然として強気材料であり、
「米国関税ヘッジ」「中国需要回復」「供給制約」
の三重構造が、銅相場の高値圏維持を支えているようだ。
もっとも、COMEX在庫はすでに63万トン台と異例の高水準に積み上がっており、米国向け流入がどこまで実需を伴うのかについては慎重な見方も残る。同時に市場では、
「LMEから銅が吸い上げられる構図そのものが価格押し上げ要因」との声が強まっている。
(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)
本記事は執筆者個人の分析および見解であり、IRuniverseの公式見解を示すものではありません。内容は情報提供を目的としたもので、投資判断の根拠として用いることを意図したものではありません。