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サーキュラーエコノミーの国際標準化の流れに物申す NIMS原田幸明氏

2015.12.15 10:57

 12月10日のIRRSG第5回例会忘年会で短時間ではあったが国立研究開発法人物質材料研究機構(NIMS)特命研究員の原田幸明氏の講演は刺激的であった。

 

 原田氏は冒頭、EU側の研究者がカラオケボックスにて、サーキュラーエコノミーの国際標準化の会議をしているから来てくれと頼まれ、カラオケボックスでのキックオフミーティングに参加できたとユーモアを交え、かつパワフルに語った。

 

写真

(原田氏のプレゼン資料より)

 

なぜこのときに、国際標準化?

 現在、リサイクル業界では様々な動きがある。原田氏がなかでも気にしているのは、自身が出席できなかったという、ダボスでの会議の中、プラスチックの添加物規制が変わるかもしれないということだ。これは製造段階で、有害ではない物質からプラスチックを作るには当然のことながら原料部分から変えなくてはならず、これが標準化されるとプラスチック業界は大変なことが起きると原田氏はいう。

 

 また原田氏は「ISOワークショップ・アグリーメント」という動きがあるということに注目。

 

 原田氏は

 「例えば、ISOではその枠組みの中で、テーブルに付き議論をするが、ISOワークショップ・アグリーメントでは、議論しなくても参加するだけでいい。しかも、参加した時点で、賛成一致とみなされる仕組み。しかも「参加しない」は許されない仕組みになっている」ということだ。

 この目的は、インフォーマルリサイクラーの規制や、リサイクルメジャーの合法的なパスを作ること。またそれと同時に、アフリカやアジアでの「イクイバレント・パートナー」(同等のパートナー)を作っていくという目的がそこにはあるということだ。

 ただ、そこにはあくまで「EU主導」という前提。

 

図

 

 だが原田氏は、そもそも欧州と日本での循環型社会の意識が違うと話した。

 「日本での循環型社会はそれぞれの事業者がいて、それぞれの役割分担をしてみんなで「社会」という意味を考え行動し、廃棄物を処理するという意識と目的がある。ところが、欧州では、入ってきた廃棄物なりスクラップを、ビジネスとして資源を回そうという発想である。そこには、「経済」という意味合いが強い。廃棄物処理の観点が全く欠如していると」と原田氏は語った。

 原田氏は「基本的にEU諸国は使用可能な利益になるような資源については循環するようなシステムが存在するが、使用不能物に関して言えば何も考えていない。処理方法さえ議論されていない。ここが日本と違う廃棄物処理を考えていないことの問題点」と指摘。

 

 日本での、小型家電リサイクル法を引き合いに出して、欧州ではこのようなことは、まずありえないと言い切った。

 原田氏は続けて「この問題は、日本だけでなくアジア全体で考えなければならない。そうしないと廃棄物処理という観点が存在しないEUや中国の仕組みがこの地域に席巻されてしまう」と語った。

 

 最後に、原田氏は2020年の東京オリンピックと重ねて、ユニークな提案をした。

 それは、使用済み小型家電で金メダルを作ろうという提案だ。原田氏はこのような提案の賛同者を募って講演を締めくくった。

 

図

 

 2015年ではこのリサイクルに関する講演が数多く開催されたが、EUの手法に賛同する意見も多い。しかしながら、原田氏の言うように、EUのリサイクルの実態があくまで経済であって、使えないものは処理しないという問題が存在するなら、原田氏の言うように、日本の循環型社会を強調すべきなのかもしれない。

 

(IRUNIVERSE Hatayama)

 

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