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「捨てる」という概念をなくそう Loop Japan合同会社 

 現在、Web上で限定公開されている、第16回容器包装3RフォーラムのなかでLoop Japan合同会社、アジア太平洋統括責任者、エリック・カワバタ氏は、同社が世界で行っている自社の事業について語っている。以下はその概要。

 

 

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 Loop の大元は、米国のベンチャー企業テラリサイクルで、現在世界21か国に展開し、現地でリサイクルプラットフォーム、リユースシステムを構築し、サービスを提供している企業である。

 

 現在、600社以上とのパートナーシップを結び、同社の「捨てるという概念をなくそう」というスローガンを基に世界に展開している。

 

 エリック氏は、

 「リサイクルは、コストが高いから、ビジネスとしては難しいという認識があった」と話す。

 

 その背景には、リサイクルにおいて、バリューチェーンを構築するのが非常に難しいと話す。その理由として、マテリアルとして廃棄物を原料に戻しても、バージン材に比べると、ダウングレードしてしまうという事実があると話す。同社はこれをどうにかして、アップグレードできないか模索しているという。

 

 同社は、このバリューチェーンの構築のため、研究と回収に力を入れ、現在もリサイクル原料のアップグレードを目指しているという。

 

 また、エリック氏は日本におけるリサイクルについて

 「日本はリサイクルコストが非常に高い。以前自分は、日本に「廃棄物」は無いと思っていたことがあった。しかし、その実情は、熱回収と、2018年までは、廃棄物を中国に輸出しているという事実だった。日本国内における純粋な資源循環は、非常に低かった。

 また、一般家庭では、ゴミの分別をしているから、リサイクルできているんでしょ?という意識であるが、現実として、一般家庭にまで「熱回収されている」という事実は知られていない。我々は、この日本人の問題意識をもう一度問いただすことに、価値があると考えた。」と、日本の国民の廃棄物に対する問題意識について語った。

 

 その中で、エリック氏は、昨年行われた、東京五輪に向けたプロジェクトとして、一昨年、P&G、Aeon 、テラリサイクルが共同で進めた「みんなの表彰台プロジェクト」は、非常に効果的だったと話す。これは、使い捨てプラスチックから表彰台を作るプロジェクトだが、これにより、回収を個人が頑張れば、物が作れるというアピールになったと話す。

 

 また、中国、韓国では、廃プラからエコバックを作り、当初は無料で配っていたものが非常に好評で、次は商品として販売し、これが売れることによってブランド化できたという。これこそ、同社が目指した「バリューチェーン」だと話す。

 

 そして、現在同社では、海洋プラを回収し、原料としてメーカーに提供するシステムを目指しているという。

 

 エリック氏は

 「海洋プラから、原料を作ることについては、非常にコストがかかる。しかし、現在、海洋プラを原料に戻し、シャンプーの容器の原料として提供し、買い物カゴ、ボールペンの原料として提供している。その結果、人々が、廃プラから生まれた、リサイクル原料を使用することへの意識づけが、着実に進んでいる。」と話す。これが将来的に、リサイクルという市場を成り立たせるカギとなるとエリック氏は話す。

 

 このコスト問題については、解決策として、一つの国でやろうとすると、高コストになるが、複数の国を参加させてようやくコスト問題の解決が実現するという。

 

 エリック氏は

 「近年、ESGについて、市場が各上場企業に対し、成績を付けるようになってきた。そして同時に、企業側も、「使い捨て」という概念に対しプレッシャーを感じてくるようになってきた。そのため、近年では、各企業が、リユースについても力を入れるようになった。最近の事例では、昨年東京都と弊社が、オフィスビルの中でのテイクアウトレストランでの、リユース容器のプロジェクトを行った。これが本当に上手くいった。」と話す。

 

 エリック氏は最後に

 「1950年代に、ある有名雑誌で、「使い捨ては便利だ」と謳った記事があった。しかし時代は変わり、使い捨ては問題になっている。リサイクルもそうだが、かつて、使い捨てが「便利」と言われた時代のように、今度はリユースが「便利」と呼ばれる時代を目指したい。まさに捨てるという概念をなくそう。」と締めた。

 

 

(IRUNIVERSE Hatayama)

 

 

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