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次の時代のポリマーリサイクルへ 株式会社リファインバースグループ

 8月31日から9月2日までの3日間、千葉県千葉市にある幕張メッセにてRX Japan株式会社の主催による「第2回 スマートエネルギー Week 【秋】」「第1回 オートモーティブワールド【秋】」「第1回 ネプコン ジャパン【秋】」「第1回 ロボデックス【秋】」「第1回 スマート工場EXPO【秋】」が開催された。

 今回の記事では株式会社リファインバースグループのソリューションについて紹介する。

 

 

廃棄されるポリマー製品

 

 昨今SDGsという標語が提示され、そしてそれに応じた様々なリサイクルソリューションが開発されている。

 プラスチックを始めとした製品に対し、使用する事はもとよりその後のリサイクルにおいても大きな注目が集まる流れが社会的に形成されている状況だ。

 そんな中で自動車のエアバッグ、漁網、あるいはオフィスタイルのカーペットといった製品はこれまでリサイクルが困難とされていた。

 

 自動車のエアバッグは現状シリコーンとナイロンが利用されている。

 そんなエアバッグは、自動車が廃棄される際にポリマーである以上分けて処分をする必要が出てくる。

 しかしその分離は非常に困難なため、リサイクル等考えもされずに埋め立て処分の対象として扱われていた。

 

 漁網については様々な付着品の分離が困難なものであり、その作業がリサイクルの大きな足枷となっている。

 特に太平洋ゴミベルトと不名誉なあだ名の付けられている海域には、現在も多くの漁網が分解されずに漂着している。

 

 オフィス向けタイルカーペットも、日本では代表的な廃棄品である。

 特にオフィスにおいては四角い目地で区切られたカーペットが多いのが日本の特徴とされているが、当然こういった物は廃棄時もそうであるが端材として残ってしまった分も捨てられることになる。

 そしてオフィス向けタイルカーペットは、カーペット部がナイロンで構成されており裏面に塩ビ樹脂を接着する事で構成されている。

 この分離もまた非常に困難であるため、こちらも埋め立て処分対象となっていたのである。

 

 この現実問題に対し、株式会社リファインバースグループはこれらを大きな金脈としたのである。

 

リサイクルのスペシャリスト

 

 株式会社リファインバースグループは東京都中央区に本社を置く企業である。

 同社は廃品回収業からスタートした企業であり、現在では同社のグループ会社として3社の企業を擁する。

 そんな同社が今回提示したのが「リアミド」というリサイクル素材である。

 

 

 自動車のエアバッグは先述した通りナイロンとシリコーンが混合されて使われているが、そこからシリコーンとナイロンを分離。

 ナイロンをリサイクルマテリアルとして使用する事を可能とし、そしてこれらはバージンのナイロンよりも二酸化炭素の排出比率が少なくとも75%低い製品に仕上がっている。

 また漁網についてもナイロン製の漁網であれば、同社のリサイクル技術でナイロン素材として再利用が可能となっている。

 これはバージンのナイロン-6に比べ85%も二酸化炭素の排出比率が低いものとなっているのである。

 

 

 極めつけはオフィス向けタイルカーペットのリサイクルである。

 これはナイロン素材と塩ビ樹脂の層を文字通り分離し、タイルカーペットの完全リサイクルを可能とするソリューションである。

 そしてこういったリサイクル素材で生まれた化学繊維を「リアミド」という名称で売り込んでおり、会場内では漁網のナイロンからリサイクルされたリアミド製バンドを配布していた。

 

 

 もちろんリサイクルされた材料の物性を調整する事も可能な他、リサイクル製品が高いという従来の常識を覆すためほぼ同じ価格で素材を提供。

 その結果、ほぼ同様のコストでSDGsに貢献できるという付加価値を各種メーカーは実現できるのである。

 当然ながら会場にあったリアミド製製品、ならびにリサイクルされたタイルカーペットの質は非常に良いものであった事は言うまでも無い。

 

 これまで廃棄される一方であった製品に光を当て、再利用の可能性を見出した株式会社リファインバースグループ。同社のソリューションが今後日本の産業に大きな影響を与える可能性は非常に高いといえるだろう。 

 

 

IRuniverse Ryuji Ichimura

 

 

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