9月のアルミ概況および10月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2000-2200ドル ↓
スクラップ 0~ +5円(前月最終価格より) →
為替 140-145円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半はエネルギーコスト高騰を受けた精錬所操業度の低下が続いたこと、米失業率上昇によりFRB利上げペースが鈍化するのではないかとの期待などのプラス材料もあったが、中国の新型コロナウイルス関連規制の強化やロシアの欧州向け天然ガス無期限供給停止や米国の8月CPIが事前予想を上回る8.3%の上昇を記録したことを嫌気しDOWN
9月15日時点で2309ドル(セツル)と月初価格から59.5ドルDOWNの前半締めとなった。
後半はFOMC利上げ後の修正から買い戻しやトラス英首相の大幅減税訂正会見などのプラス材料あったが連邦準備理事会(FRB)は考えられていた以上にタカ派との見方だったことを嫌気しDOWN。
9月末日 現在、後半スタート価格11ドルDOWNの2261ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
140.53 → 145.81(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると8月の自動車生産台数は前年比+22.3%の55万1799台
輸出は前年同月比+15.3%の27万182台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると8月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+17.8%の24万2042台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
8月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比4.6%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比9.4%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 77,712 戸。
・前年同月比 4.6%増, 4か月ぶりの増加。
○新設住宅着工床面積は 6,178千㎡。
・前年同月比 0.5%増, 4か月ぶりの増加。
○季節調整済年率換算値では 903千戸。
・前月比 9.4%増, 先月の減少から再びの増加
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 +3.6%の138t
2次合金 -19.8%の1864t
スクラップ +62.8%の3万2559t
アルミ缶 -7.6% 6335t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -11.7% 11万4496t
二次合金 -0%の9万1766t
スクラップ +47%の597t
合金スクラップ -14%の5567t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -4.4% 12万9352t 5カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -5.8% 5万1855t 12カ月連続マイナス
出荷は -5.7% 5万2308t 12か月連続マイナス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると8月の自動車生産台数は前年比+22.3%の55万1799台
輸出は前年同月比+15.3%の27万182台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると8月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+17.8%の24万2042台
内 乗用車 +24.7%
貨物 -14.9%
バス -3.2%
【住宅着工戸数】
8月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比4.6%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比9.4%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 77,712 戸。
・前年同月比 4.6%増, 4か月ぶりの増加。
○新設住宅着工床面積は 6,178千㎡。
・前年同月比 0.5%増, 4か月ぶりの増加。
○季節調整済年率換算値では 903千戸。
・前月比 9.4%増, 先月の減少から再びの増加
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -4.4% 12万9352t 5カ月連続マイナス
板 類 7万8544t --4.8% 4か月連続マイナス
押出類 5万808t -3.8% 8か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -5.8% 5万1855t 12カ月連続マイナス
出荷は -5.7% 5万2308t 12か月連続マイナス
【輸出】
新地金 +3.6%の138t
2次合金 -19.8%の1864t
スクラップ +62.8%の3万2559t
アルミ缶 -7.6% 6335t
【輸入】
新地金 -11.7% 11万4496t
二次合金 -0%の9万1766t
スクラップ +47%の597t
合金スクラップ -14%の5567t
【見通し】
【自動車】
8月の自動車生産が+22.3%。8月国内販売台数が前年比+17.8%
9カ月ぶり生産、販売共に大幅増加!
中国のゼロコロナ政策の影響は残るものの自動車向けに積み上げてきた部品の在庫が掃けてきたとの情報が入ってきており、今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -4.4% 12万9352t 5カ月連続マイナス
住宅着工の増加により来月以降に期待。
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 -5.8% 5万1855t 12カ月連続マイナス
出荷は -5.7% 5万2308t 12か月連続マイナス
中国のゼロコロナ政策の影響は残るものの自動車向けに積み上げてきた部品の在庫が掃けてきたとの情報が入ってきており、今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
・アルミ輸出は中国向けや円安を受けて新地金、スクラップが増加
・アルミ輸入は円安での割高感からスクラップ以外減少。
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は欧米の金融引き締め策からLME価格が2100-2200ドルと低位安定。入荷も少なそう。
需要面に関しては中国のゼロコロナ政策の影響は残るものの自動車向けに積み上げてきた部品の在庫が掃けてきたとの情報や自動車生産。販売の急回復を受けて来月も自動車の挽回生産が進行するものと期待される
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
① 米欧の金融政策
② 中国のコロナ対策(ロックダウン)の動向
① に関しては
米国に関して引き締め一辺倒のFRB 9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が50.9と市場予想(52.0)を下回り、2020年5月以来の水準に低下した。好不況の境目とされる50割れが視野に入り、景気減速でインフレ率が低下するとの見方もあるがパウエル長官の意志は固くやはり次回も0.75%の利上げを行うのではないか。
ECB(欧州)に関しては 欧州金融大手クレディ・スイス・グループの財務不安観測から利上げペースと鈍化させるのではないか。
② に関して
国慶節の連休明けの10月10日以降で大規模なロックダウンへの警戒感はあるが現状は未知数。
これらを踏まえた9月のアルミ価格は 2000―2200ドル(セツル)との予想。
ドル円値は140円~145円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては 据置から+5円程度と予想している。
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