イワキ(6237) 23/3上期増額修正電話メモ
23/3期予想は精査中で、上期から増額期待高まり新中計24/3期経常前倒し達成も
株価1432円(10/27) 時価総額322億円 発行済株22490千株
PER(23/3DO予7.0X)PBR(1.2X) 配当(23/3DO55予)円 配当利回り:3.8%
要約
23/3上期を増額修正、14.8%増収、12.0%営利増、44.6%経常増、特益で税引3.0倍予想に
半導体、医療機器向けに強味を持つケミカルポンプ専業・総合メーカー。10/19に23/3上期収益の上方修正が開示された。23/3上期は売上高178.10億円(期初計画比7.28億円増額、14.8%増)、営利11.85億円
(同0.1億円減額、12.0%増)、経常利益22.05億円(同6.72億円増額、44.6%増)、税引利益29.87億円(同18.96億円増額、2.5倍)とした。
なおQ2四半期では前年同期比18%増収、35.5%営業減益、94%経常増益、税引利益3.0倍となる。
部門別などの開示等、具体的なものは11/14予定の上期決算発表まで言えないとのこと。但し、売上面ではQ1に引き続き半導体関連の受注活況継続を受け、円安効果もあり売上を増額。利益面では総利益率が一番低位にある半導体空気駆動ポンプの伸長があった反面で、人件費増や資材高などのコスト増があり、MIX悪化で営業利益が計画並みに止まった。
なお輸出比率50%、円建て輸出比率が高いと認識されるが、為替感応度が1円の円安で売上が5900万円、営業利益で1800万円の上乗せ効果があるとのこと。経常利益段階でも為替差益の発生があることに加え、持分法適用会社の収益が好調で投資利益が計画を上回り、経常利益の増額幅が大きくなった。また特別利益として持分法適用会社の易威奇有限公司(連結3社含む)、易威奇化工泵有限公司石水の連結子会社化により持分から完全子会社化に伴う追加取得時の既保有分の時価再評価益12.97億円の計上を行ったために、税引利益が大きく膨らんだ。
23/3期予想は精査中で、上期から増額期待高まり新中計24/3期経常前倒し達成も
23/3期会社予想は精査中とのことで、10/19の修正は上期のみとなった。このため、売上高348億円(7.4%増)、営利27.48億円(28.5%増)、経常利益34.11億円(14.0%増)、税引利益25.47億円(6.3%増)予想では上期段階での進捗率が売上で51%、営利43%、経常65%、税引117%となる。
現状、受注繁忙が継続していること、為替がさらに円安傾向にある事、資材高も高値ながら高止まりで推移しており、全体として売上の増額、為替差益の拡大、また下期は持分から連結化した効果が営業利益に加わると想定される。このため、11/14での決算発表時(精査が進めば迅速に開示予定)には通期業績予想について、大幅な増額修正がなされよう。
売上面では期初計画で全製品、全市場の増加を見込むものの、市場別では半導体・液晶向けを2.9%増、空気駆動用を5.7%増程度と低い見積もりとしていた。
一方、新エネルギー向けを24%増と、アジアでのリチウムイオン電池向けの伸び継続を見込み、化学向けも10%増と、2次電池材料向けの拡大も継続、水処理は米国向けの好調持続で12.3%増、昨年低迷した医療向けも5%増の回復を見込でいた。製品別では採算の2番目に高い最大売上のマグネットポンプが小型機種中心に9%増、1番採算の高い定量ポンプも7.4%増を見込んでいた。
これに対しQ1で半導体向けが21.8%増と会社想定の数字を大幅に上回り、また水処理関連も19.1%増で推移、先端デバイスの洗浄工程ではCMP工程が増加している。この傾向がQ2も継続したとみられる。また下期は電池関連で国内も相次いで増産計画が浮上、上海ロックダウン影響の挽回もあり、新エネルギー、化学向けも下期にかけて会社計画に近づこう。また医療関連はコロナ影響の軽減から中国などで伸びが高まろう。なお持分利益は期初計画で減少すると想定していたが、実際は上期増額となっている。下期は子会社化で前下期比大幅減が見込まれるが、子会社自体は好調な事から、営業利益の増額に寄与しよう。なお、特別利益は上期一時的であり、下期は通常ベースに戻ろう。
全体を通じ、半導体、水処理での増額が見込まれ、為替前提からさらに円安に振れており、23/3期も前期同様に通期でも増額修正が期待される。また24/3期についても国内半導体関連の設備投資拡大に加え、2次電池関連の投資増など、また持分適用から100%子会社とした効果の通期寄与などもあり、収益拡大から税引利益以外で最高益更新が続こう。
(H.Mirai)
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