帝人、日揮、伊藤忠 ポリエステルのCR技術ライセンスを目的に合弁会社設立
帝人株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長執行役員 CEO:内川 哲茂・以下帝人)、 日揮ホールディングス株式会社(本社:横浜市西区、代表取締役会長 CEO:佐藤 雅之・以 下日揮 HD)、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長 COO:石井 敬太・以下伊藤忠商事)は、ポリエステル製品をケミカルリサイクルする技術のライセンスを目的とした合弁事業会社「株式会社 RePEaT(リピート)」(以下 RePEaT)を設立することとして合弁契約を締結した。
近年、温室効果ガスによる気候変動が地球規模の課題となるなど、サステナビリティに対する意識が大きく変化している。中でも繊維産業においては、製造工程における CO2 の排出や、衣料品の大量廃棄が問題視されており、サプライチェーンを通じた環境負荷の低減や、資源循環の仕組み(エコシステム)の確立が求められている。
使用済みの繊維製品の利用は、熱利用する「サーマルリカバリー」や、別の製品原料と する「マテリアルリサイクル」といった方法が一般的だが、「ケミカルリサイクル」は、 繊維製品を再び繊維原料へ化学分解することにより、繊維 to 繊維のリサイクルができる画期的な方法だ。
同事業のケミカルリサイクル技術は DMT(Dimethyl Terephthalate)法(*)と呼ばれ、ポリエステル(PET)をモノマーに分解・変換してから再重合し、再生 PET を製造する技術。DMT 法は、そのプロセスの中で、着色されたポリエステル繊維から染料や不純物を除去することができるため、石油由来のPET と変わらない品質の再生 PET の製造が可能だ。また、帝人はポリエステル製品を対象とした本ケミカルリサイクル技術の商業運転実績を 有している。
(*) DMT 法:テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを使用したエステル交換反応により ポリエステルを重合する方法
DMT 法の実績やノウハウを有する帝人、総合エンジニアリング事業において豊富なプラ ント建設実績と知見を持つ日揮 HD、繊維産業において国内外に幅広いネットワークを持つ 伊藤忠商事の 3 社は、2021 年 4 月に共同協議書を締結して以来、本技術をグローバルにラ イセンスする事業の可能性を模索してきた。
今回、同ライセンス技術の需要が十分に見込まれたことから、3 社合弁の事業会社と して株式会社RePEaT の設立を決定したものだ。
RePEaT は帝人の DMT 法をベースに、帝人と日揮 HD が共同で効率化・パッケージ化した リサイクル技術をライセンスする。これにより、ポリエステル製品のケミカルリサイクル 事業へ参入する国内外の事業者をサポートする。
また、RePEaT は、本技術のライセンス提供に加えて、リサイクル原料となる使用済みポリエステル繊維製品の回収を含めたエコシステム構築のコンサルティング事業を通じ、ポ リエステル製品のリサイクルを推進することにより、持続可能な社会の実現に貢献してい く。
(出典:帝人)
(IR universe rr)
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