世界の鉛亜鉛業界は、南半球まで地球の支援が要求されている
世界の鉛バッテリー業界のリサイクルシーンは、過去20年間は必ずしも万全ではなかった様だ。世界の鉛亜鉛を生産する国は北半球に偏在して繁栄してきた。鉛は自動車バッテリーとして産業界へ貢献し、亜鉛は鉄を防食する目的で繫栄してきた。
しかし南半球の様子はどうであろうか?繁栄を享受できなかった国々へ北半球の企業はどの様に南半球の国々を支援してきたのだろうか?
北半球の鉛と鉛バッテリー産業は、亜鉛と鉛バッテリーリサイクルを支援する国際鉛協会International Lead Association(ILA)の事務局長D. Andy Buch氏は印度ニューデリーで開催された印度鉛亜鉛開発協会の鉛・鉛バッテリーコンフェレンスで語った。
同氏は印度ニューデリーで開催された業界の“LeadBattery360”の参加者へビデオメッセージを伝えた。LeadBattery360の主要な方針は作業従事者と地域のコミュニティー保護及び持続可能性に支えられた環境の将来の為に次の2つの領域に関する支援の為に提案された。第一領域は、健康と安全と健全な環境での生産を通じて鉛被ばくと鉛の排出の連続した改善を支援する事。第二は高い環境・社会・ガバナンス(ESG)スタンダードを擁護する企業から生産される鉛を確実に使用するサプライチェーンを通じ責任ある資源政策の採用を促進する事である。
2つの領域では、7つのキーワード、①健康と安全管理、②鉛被ばく管理、③責任ある資源、④バッテリー収集運搬リサイクル、⑤地域の健康と安全、⑥市民と作業者の権利と不正の排除、⑦株主の関与、、知識の共有と遂行能力の構築の持続性を求めている。
2019年以来、国際鉛協会、欧州自動車バッテリー製造者協会Association of European Automotive and Industrial Battery Manufacturers (EUROBAT), 国際バッテリー協議会、Battery Council Internationalバッテリーサイクラー協会the Association of Battery Recyclersの世界の主要4団体が将来の鉛バッテリーの大枠のビジョンで協調関係を保っている。
印度や中国など大国を除く世界の中小国の鉛亜鉛需要は今後拡大する一方で、北半球の脱鉛の動きとは真逆の関係が大きくなる事を、北半球はどう繋ぎ合わせて鉛バッテリーの地位を確立していけるだろうか?
(IRUNIVERSE Katagiri)
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