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中国 レアアースを利用して高性能水素貯蔵電池の扉を開く

 内モンゴル包頭レアアースハイテク区が導入した燕山大学の韓樹民教授のチームは長年にわたり、新型レアアース水素貯蔵材料の研究で重大な進展を得た。特に合金の特殊な超格子構造の形成メカニズムと条件、および合金の超格子構造と水素貯蔵および電気化学特性との間の多様性関係に関する研究で一連の重要な成果を得た。これに基づき、韓氏はこのほど、世界学者バンクが発表した「2022世界学者学術影響力ランキング」で、論文の総採点、論文編平均採点、学術産出量レベル、論文の総件数などの総合的な評価から選ばれ、世界トップ10入りを果たした1万人の学者番付。そのうち、中国の学者は9044人がランクインし、ランキング2位に入った。材料科学分野では、世界で8585人の学者が入選し、韓樹民教授は同ランキングの1957位に入った。

 

 

 現在より広く普及しているリチウム電池と比べ、レアアース水素貯蔵電池は水素貯蔵システムがより安全で環境に優しく、温度区間が広いなどの優位性を持つ。リチウム電池は寒い日になると放電が早いが、水素貯蔵電池はマイナス40度から60度でも良好な性能を維持できる。

 

 韓樹民教授は2000年より、レアアース・マグネシウム・ニッケル系水素吸蔵合金の製造技術、相構造、電気化学的性能などについて系統的かつ掘り下げた研究を行い、このような合金の特殊な超スタック構造の生成メカニズムと電気化学的特性を明らかにした。また、材料のミクロの特徴に基づき独自の知的財産権を持つ合金製造プロセス及び設備を開発し、水素吸蔵合金電極材料の性能指標と生産プロセス設備の技術水準を大幅に高めた。

 

 包頭レアアースハイテク区は2017年、韓樹民教授のチームを導入し、包頭中科軒達新能源科技有限公司を設立した。長年研究開発してきた「SUVハイブリッド車用高出力A5B19型レアアース水素吸蔵合金生産プロセス技術」が包頭レアアース高新区で転化に成功し、年産300トンの新型レアアース水素吸蔵合金生産モデルラインを建設した。同モデルラインは独自に開発・設計した生産設備とプロセス技術を完全に採用し、新型レアアース超格子構造金属間化合物水素貯蔵材料の成分精密制御と相構造調整などの重要産業化技術で重要なブレークスルーを果たした。中国の大容量、広い温度域と低い自己放電を持つ新型レアアース水素貯蔵材料の国産化は、新型レアアース超格子構造金属間化合物水素貯蔵材料製品における長期にわたる海外の輸入制限と技術独占を打破し、完全に独自の知的財産権を持つ産業化技術と製品を取得した。

 

 これと同時に、高性能新型レアアース水素貯蔵材料の開発成功および商業化販売の実現は、中国の新エネルギー自動車、高安全性固体水素貯蔵、風力発電・太陽光発電エネルギー貯蔵などの需要がある高容量・高性能レアアース・ニッケル動力電池にコア材料を提供し、製品の性能と市場競争力を大幅に高めた。同生産ラインで生産された新型レアアース水素貯蔵材料は、高容量・高出力ニッケル水素動力電池、高密度・低圧固体水素貯蔵、高容量・耐低温大型エネルギー貯蔵電池などの製品で応用に成功し、製品の性能とコストパフォーマンスを大幅に高め、新エネルギー動力電池、水素エネルギーとグリーンエネルギーのエネルギー貯蔵利用などに活用されている広い市場見通しを示す分野である。

 

 中科軒達は現在までに6件の発明特許を取得しており、良好な発展の潜在力と潜在的な成長性を鑑み、北京中科創星硬科技創業投資パートナーシップ(有限責任組合)が中科軒達に800万元の融資を行った。

 

 また、希土類系水素貯蔵材料は主にニッケルと希土類金属を生産原料とし、使用される生産原料の約3分の1が軽希土類金属、つまり埋蔵量が最も豊富なランタン、セリウムの元素だ。同生産ラインのレアアース水素貯蔵材料の市場応用は、中国のレアアース産業のバランスのとれた発展と中国の軽レアアース資源利用の推進に対して重要な意義を持つ。

 

 

(趙 嘉瑋)

 

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