SEMICON Japan2022 東京ビッグサイトで開幕
SEMICON Japanは、半導体産業における製造技術、装置、材料をはじめ、車やIoT機器などのSMARTアプリケーションまでをカバーする、エレクトロニクス製造の国際展示会。今年は半導体パッケージング、基板実装分野のトッププレイヤーが集結する「Advanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)」との同時開催となった。
東京ビッグサイト東展示場(第1ホール〜第5ホール)で2022年12月14日(水)~12月16日(金)の3日間、開催されている。
その他、東6ホールでは新価値創造展が開催されており、そちらも訪問してみたい気分である。また、
西1ホールでは、東京ビジネスチャンスEXPOが開催されている。
写真下は、会場に入場の様子。検温及び手のアルコール消毒後、二次元コードの読み取りがあるので、少し行列ができるが、なかは広々とており、ゆったりと展示を確認できる。
半導体関係の取材は不慣れのため、まずは、端のホール3から会場を歩きまわることとした。
ホール2には、Supper THEATERが設けられており、開会式・オープニングキーノートパネルが開催されていた。詳細は、MIRUの記者の報告を楽しみにしてください。お昼ごろには、YouTubeで見たことのある、フリースタイルピアニストが演奏していた。
<総合砥粒加工機メーカー:株式会社岡本工作機械製作所>
ここでは、Grinding(グラインディング)及びPolishing(ポリッシング)の最近の課題についてお聞きした。これまではSiの研磨が対象であったが、さらに硬い物質SiC、GaNなどのグラインディング及びポリッシング、SiとCuの同時研磨、BGテープまでも平坦化する技術が要求されるとのこと。
写真上 株式会社 岡本工作機械製作所のブースの様子。
ここでは、シリコン貫通電極(through-silicon via、TSV)用グラインダーを紹介する。
注:シリコン貫通電極とは、電子部品である半導体の実装技術の一つであり、シリコン製半導体チップの内部を垂直に貫通する電極のこと。複数枚のチップを重ねて一つのパッケージに納める場合に、従来ではワイヤ・ボンディングで行われている上下のチップ同士の接続を貫通電極で行うのだそうだ。
通常の研削ではSiの中にCuがあると軟らかいCuが研磨方向に尾を引いて流れてしまうコメットテールが生じる。これは砥石に噛みこんだ研磨屑などによることが多い。これを、高圧水援用研削を行うことで、水圧で取り除く方法である。聞くと簡単なイメージであるが、効果はてきめんである。
筆者が鉄鋼のバフ研磨を行う際にも、水膜をうまくつかってコメットテールを防いでいた。
岡本工作機械製作所ホームページ (okamoto.co.jp)
岡本工作機械の事業セグメントは「工作機械」と「半導体関連装置」の2部門だったが、これに「精密部品・素材事業」を追加した。精密部品とは精密歯車製造や部品加工事業で、素材は主にタイ工場で実施している鋳物部品の外販。産業用ロボット向け。小径の精密歯車の中でも、はす歯歯車やスパイラルベルギアといった複雑形状で加工が難しいものを得意とする。
<東京精密>
東京精密のブースでは、株式会社 東精ボックスの担当者に呼び止められた。スマートフォンを利用した顔認証により、ファクトリーロッカーが、開くものである。
オフィスや工場での使用を対象としていて、作業者専用の工具や治具の保管。書類などの一次保管に使用できる。両手がふさがっていても、顔認証で開くので便利である。
「THE高専」
モノづくりの未来を担う高専生による、固定観念にとらわれない、アイデアあふれる技術や研究成果を展示する場。
先生ががんばって説明をしてしまう高専もあったが、石川工業高等専門学校及び茨城工業高等専門学校にお話をお聴きした。
石川工業高等専門学校は、「檜木材のかおり値測定における半導体センサーの活用と教材開発」
「シビックテックの事例として・・・・」と、説明を始めていただいた。さっそく、?であったが、檜のかおりが腐食を抑制するのではとの感心があったので、そのままお話をお聴きした。
檜木材をPCケースに使用することで、癒し効果を求めた。さらに、パソコンの廃熱を吸収して香りを高めることを期待するものである。
シビックテックとは、市民がテクノロジーを活用して社会や地域が抱える課題の解決を目指す取り組みや技術の総称のこと。civic(市民)とtechnology(技術)の造語であり、海外では「civic technology(シビック・テクノロジー)」とも呼ばれるのだそうた。
茨城工業高等専門学校は、「光起電力チャージショット回路を用いた神経刺激技術」である。
脳内部のニューロン活動は、電流パルス(〜100µA)を与えることによって誘発できる。しかし、脳は、物理的衝撃及び細菌感染から保護するための髄膜で覆われており、脳内部に配置された神経電極に通電するためには、髄膜に開口部を設けて、配線を通す必要がある。
そこで、電池及び配線を用いない小型化したデバイスを髄膜に埋め込み、髄膜外から赤外光をフォトダイオードに照射することで電流パルスを発生させる方法を提案した。
マウスによる実験では、抹消神経への刺激効果は確認されたとのこと。
高専卒業後の進路をお聞きしたところ、以前は高専卒業後、大学3年生への編入のイメージであったが、最近は、高専専攻科を卒業し、大学院に進学するのだそうだ。説明者は、高専専攻科1年なので、大学院を目指すとのこと。慶応、東工大の名前が出てきたので、東工大をお薦めしておきました。
<日本電子株式会社>
日本電子はJSM-IT800 :ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡をブースに持ち込み、予約された顧客にその場実演をしていた。実際に自分で試料を持参された方も居たそうだ。以前は遠隔操作による実演はあったが、会場に設置し、実際に動かしているのは初めてではないだろうか?
<ULVAC>
-Building a Smart and Sustainable Future with Vacuum Technology-
真空技術で持続可能な未来に貢献するULVAC(アルバック販売株式会社)は、プロセス機器群とコンポーネントを展開した。70年の歩みを展示した。
1952年 8月, 各種真空装置の輸入販売を目的として、日本真空技術株式会社を設立
中期戦略商品として、独自技術の自然酸化膜除去装置と得意分野であるスパッタリング成膜装置の強みを生かした新技術の開発を進め、最先端デバイスへの対応を進めている。
2018年に大阪大学内に、アルバック未来技術協働研究所を開設、2021年に東京工業大学内にアルバック先進技術協働研究拠点を開設した。
<HORIBA>
ブースではスマートファクトリーに向けた連続モニタリングを提案した。
写真下はセルフクリーニングpH電極である。
pH応答ガラス面を多孔質TiO2でコーティングした。電極内側からの発するUV光がTiO2を照射することによりTiO2が活性化され、電極外部に付着した有機物を分解することで防汚効果が生まれる。これにより、連続的にpHのモニタリングが可能となる。
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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