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LMEの動揺でグローバルコモディティーズホールディングスがニッケル取引プラットフォームを立ち上げ

 ロイター報道によると、元LME最高経営責任者であるマーティン・アボット氏が率いる英国のグローバル・コモディティーズ・ホールディングス(GCH)は22日、2023年の第1四半期に物理的に配達されるニッケルのスポット取引プラットフォームを立ち上げると発表した。

 

 これはLMEニッケル取引の激減で価格変動が大きくなり、世界の基準価格を設定する能力が損なわれていることを受けての動き。

 

 すでに、LMEニッケル相場のボラティリティの異常な高まりについては、以下の記事で触れている通りだが、いよいよ、業を煮やした市場参加者の間から座視してばかりではいられないとの動きが出てきたという次第だ。

 

関連記事 →

揺らぐLMEのニッケルベンチマークへの信頼度 | MIRU (iru-miru.com)

LME取引量減少からニッケル乱高下、マクロ経済回復の期待から銅/亜鉛は小幅上昇-JOGMEC11月レポート | MIRU (iru-miru.com)

 

 LMEのニッケル取引は、3月上旬に世界有数の生産者によるショートカバーが原因で価格が数時間のうちに倍増した後、取引所のニッケル取引の停止と取引の取り消しを余儀なくされ、活動が低下し。この取引停止は市場の多くを怒らせ、数億ドルの補償を求める訴訟に発展したのは周知のとおり。

 

 こうしたLMEニッケル取引をめぐるボラティリティの異常な高まりは、これにとどまらず11月以降も変わらない。それを示すのが次のLMEとSHFE(増値税控除済み、$1=RMB7でドル換算)の直近の値動きで、通常はSHFEの方が高い水準となるはずなのに、LME側に継続的にプレミアムが生じている。供給面の要因もあるようだが、それならばSHFEも連動した動きとならなければ筋が通らない。

 

 

 アボット氏は声明の中で、「スポットニッケルの価格発見プロセスには混乱があり、先物取引の重さが既存の決済プロセスには重すぎる」と述べてたうえ、

 

 「現物の価格発見を先物市場の活動から切り離し、両方の機能を繁栄させることには、非常に強い要請がある」。と今回の提起の意義を強調。

 

 制度設計としては、当該プラットフォームで会員がクラス1のニッケル製品を取引できるようにし、取引データを使ってスポット価格指数を計算するとのこと。

 

 すでにGCHの子会社であるglobalCOALは、石炭取引プラットフォームを運営し、石炭指数価格を提供している。ニッケルついて、このプラットフォームがどの程度有効に働くかはもちろん未知数だが、いかにLMEへの信頼度が揺らいでいるかはだれの目にも明らかだろう。

 

 

(IRuniverse/MIRU S. Aoyama)

 

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