JX金属 ブラジルMibra鉱山におけるタンタル原料生産事業へ参画
JX金属株式会社(社長:村山 誠一)はレアメタル領域の資源事業へ進出し、上流から下流にかけての一貫した事業体制の構築・強化を進める。その第一歩として、今般タンタル原料の生産事業への参画を決定した。2023年1月より、同社とAMG Brasil SA(CEO:FABIANO JOSÉ DE OLIVEIRA COSTA , 以下「AMG社」)が出資するジョイントベンチャー(JV)の下で、AMG社が運営するMibra鉱山で産出される鉱石からタンタル精鉱を生産する。タンタル精鉱はJX金属グループのTANIOBIS GmbH(CEO:飯田一彦、以下「タニオビス社」)が優先的に買い受け、その規模は同社の総調達量の約2割に相当する。同施策を通し先端素材の原料の安定調達を図るとともに、持続可能な「責任ある調達」をより一層推進していく。
同社は「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において、先端素材の製造・開発に不可欠な素材であるレアメタルを、銅と並ぶ中心ドメインに位置づける方針を掲げている。同方針のもと、タニオビス社をはじめグループ全体で、機能性タンタル粉末などの先端素材事業の拡大を進めている。これら先端素材は先端半導体やコンデンサなどに用いられており、モバイル端末や通信インフラの需要増大により着実に需要が伸びており、この傾向は今後も継続すると予測している。
タンタルを始めとするレアメタルの多くは、先端素材の原料として今後ますますその重要性が高まることが見込まれる。これら原料については長期・安定的に確保することが重要となるとともに、安全や人権に配慮した、倫理的かつ持続可能な「責任ある調達」に向けた企業の積極的な対応が求められている。同社グループでは、先端素材の原料の長期・安定的な確保と、「責任ある調達」のさらなる推進を目指し、レアメタル領域の資源事業への参画に向けて、具体的な案件の検討を進めてきた。
この決定は、サプライチェーンの透明性が裏付けられた先端素材の安定供給に資するものであるとともに、レアメタル領域における資源事業進出の第一歩として、信頼できるパートナーが保有する鉱山のタンタル原料生産事業へ参画することで、経営知見の取得を目指すもの。同事業への出資を通じ、レアメタル領域の上流事業のプレーヤーとしての認知の向上を図ることで、競争力のあるレアメタル鉱山権益の取得など、上流から下流にかけての一貫した事業体制の更なる強化に繋げていく。
(出典:JX金属)
(IR universe rr)
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