伊藤忠 Raven社製SAFの日本航空および全日本空輸向け供給に合意
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太)と都市ごみからリニューアブル燃料の製造を目指す米国ベンチャー企業Raven SR Inc.(本社:米国ワイオミング州、CEO:Matt W. Murdock、以下「Raven(レイヴェン)社」)は、全日本空輸株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:井上 慎一、以下「ANA社」)と、日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:赤坂 祐二、以下「JAL社」)と、持続可能な航空燃料であるSustainable Aviation Fuel(以下「SAF」)の供給に合意し、覚書を締結した。
伊藤忠商事は2021年8月にRaven社への投資を実行し、商業生産や販売に向けて協業している。
Raven社は、植物系廃棄物、都市ごみ、都市ごみの発酵により発生するメタンガス、有機廃棄物から水素やSAF等のクリーンな燃料を製造する技術を有しており、2024年初めから水素製造プラントの商業運転を開始する予定。燃焼プロセスを行わない同社技術は長期間安定的に再生可能燃料を製造する持続可能な選択肢となる。また地域や地方自治体で発生する廃棄物を処理して燃料化することで、各地域が抱える環境や脱炭素の課題に沿った解決法を提供することが可能となる。
同社は2025年にも米国カリフォルニア州内でのSAF生産を目指しており、2034年までには欧米で年間20万トン規模の生産を行う予定。SAFを幅広い就航ネットワークを持つANA社へ供給することにより、2030年に航空燃料全体の10%をSAFに置き換えるという国土交通省航空局の目標実現にも大きく寄与するものと位置付けている。
国際民間航空機関(ICAO)総会において、航空機が排出するCO2を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げており、2024年以降は2019年比で排出量を15%削減もしくはオフセットすることが求められている。航空業界に於ける脱炭素化の動きはより一層加速して、今後日本を含む各国でのSAFの需要が増えることが見込まれている。
現在の世界のSAFの供給量はジェット燃料全体の約0.03%にとどまっており、今後のSAF製造拡大に伴う原料の多様化は不可欠とされており、廃棄物を原料とするRaven社は量、コストの観点でSAF供給の安定に貢献することが期待されている。
Raven社のSAF生産プラント(イメージ)
(IR universe rr)
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