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日本の5Gは黎明期 普及の鍵は有線制御される工場内のロボットや工作機械の転換にあり

「日本の業務における5Gの活用状況はまだ7%程度。海外に比べて出遅れている」

 その詳細がデジタル技術の活用促進と市場創出を推進する「5G利活用型社会デザイン推進コンソーシアム(5G-SDC)」が1月17日に開いた記者説明会で明らかになった。

 

 5G-SDCの現在の会員数は企業や公共団体を含め118組織。森川博之・東京大学大学院工学系研究科教授が座長を務める「総会」とその下部組織①会員間のコミュニケーションを行う「利活用WG」、②ビジネス展開を支援する「調査WG」、③5Gのユーザー理解を深める「普及啓発WG」3ワーキンググループで構成されている。

 当日は、長谷川史樹・5G-SDC運営委員長が、国内における5G整備の進捗と今後のロードマップについて説明。その後小林康宏・同調査WG主査が、「ローカル5G関連市場見通し調査レポート」の内容を紹介した。

 

ローカル5G普及ロードマップ

 

 長谷川氏が説明したローカル5G普及ロードマップは、①「2020~2022年の黎明期」、②「2023~2024年の導入期」、③「2025~2030年の普及期」の3ステージに分けられる。

 ①「2020~2022年の黎明期」では、アーリーアダプターによるPoC(概念実証)が主体のステージで、映像伝送においてアップリンク約0.5Gbpsを確保できるようになったことで、導入のしやすさが高まった。②「2023~2024年の導入期」は、大企業で商用導入が進み始め、通信の品質や安定性が改善し、導入件数が増加していく。これにあたり、All-in-One仕様の小規模基地局のベンダー拡大が求められる。③「2025~2030年の普及期」は、企業案件や規模に合わせて商用導入が進んでいく。また、アプリケーションの拡張が進展し、産業用IoTの多様化が普及を牽引していく。

 

 インタビューでは、米国やイタリア、韓国の大手ベンダーに対しては、「5Gの利活用シーン」や「コスト見解」、「普及の見通し」などについて、米国や中国、ドイツの大手ユーザーに対しては、「導入のメリット」や「今後の事業方針」、「市場全体の普及の課題」などについてヒアリングした内容が紹介された。

 これによると、ローカル5G,プライベート5G導入段階では、軍事目的や公共設備向けに政府・キャリア主導で導入を進めている米国は「基礎研究段階」、政府やベンダーが主導して導入をすすめているドイツや中国は「開発~実証導入段階」に位置していた。

 

5G利活用シーンの範囲

 

 5Gの利活用にあたっては、工場、プラント、鉱山、港湾、空港など大規模施設が多いこと。Web上でデータベースの構築や管理ができる「ReadCap」や中間層向けの5G規格「NR-Light」による軽量版産業用IoTやTSN(リアルタイム性が保証されたネットワーク)により、ウェアラブルデバイスや産業用IoTセンサー、ビデオ監視カメラなどの端末への搭載が進むこと。そして、産業用IoTにおける遅延時間は、1ms未満でなければならないことなどがあげられた。

 

 これらの内容をもとに5Gの現状を整理すると、通信品質では、低廉化と安定性の向上が必須であること。また、2025 年以降の産業用 IoT 向けローカル5Gが 普及トリガーとして期待されること、そして、キャリアやベンダーによる業界特化ソリューションの蓄積・横展開体制が進む米国・ドイツ・中国と比較し、日本は、業界特化ソリューションの蓄積・横展開体制が構築途上の上、キャリアやベンダーも開発に注力していないことが明らかになった。

 

(IRUNIVERSE ISHIKAWA)

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