アルミ合金&スクラップ市場近況2023#3 2月前半スクラップは10円~20円の上げ
アルミ合金メーカー各社の2月前半のアルミスクラップ価格は、上物でキロ当たり10円~20円、スソ物で横ばい乃至は5円~10円の上げと各社で判断はばらついたが、言えることは前回報じたように、中華系ディーラーの台頭が著しく、輸出優位でマーケットが進んでいるなかではやはりスクラップは高値に誘導されてしまうということであろう。
→2023年のアルミ合金&スクラップ市場展望 晴れか曇りか大雨か?
今回、関西地区では最大手D社が上物20円、スソ物10円上げ、としたが、他社は横ばいか5円上げにとどまっている。
関東地区でも上物は10円上げ、スソ物は横ばいか10円上げ、という状況だが、輸出状況にあわせてノミナル化しつつある。基本的には
スソ物から上物まで輸出向けがやや高めで推移している。
LMEアルミ相場($/ton)とNSP相場(\/kg)の推移
指標となるLMEアルミ相場およびNSP相場は上図のように1月中旬以降は上昇した後に安定。LMEは2500ドル台、NSPはキロ当たり400円前後で上物系が高値寄りとなるのは理論値通り。
中国産ADC12($/ton)と国産ADC12価格(¥/kg)の推移
中国産ADC12はトン当たり2500ドル前後でこちらも安定している。中東産はここから50ドルほど安値で推移。2500ドルのADCを為替128円で契約した場合の日本港着値はキロ当たり335円前後となるが、国産ADCもこの価格水準に収れんされつつあるが、輸入塊の在庫処分的な安値販売もあり330円割れも散見、というのは前回報じている。つまりはいつか来た道の原料高製品安商状となっている。
しかしそれも需要が高ければなんとか乗り越えられたのだが、需要が伸びないなかでの原料高製品安は合金メーカーにとってかなりダメージが大きいと推察される。
市中のアルミスクラップはあらゆる品種で輸出の脅威にさらされている。定番のBサッシ、UBCは言うに及ばず、アルミホイールも国内のELV発生が減少一途のなかで高値取引となっている。アルミホイール扱い専業のM社は昨年秋から危機的なほどに回収量が減少していると聞く。ホイールMIXの市中相場は290円前後。Bサッシは250~260円。
Bサッシとアルミホイルスクラップ(MIX)価格の推移(\/kg 市中実勢)
(関連記事)
【貿易統計/日本】 2022年12月の日本のアルミスクラップ輸出入統計
英語記事はこちら
(IRUNIVERSE/MIRUcom YT)
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