エア・ウォーター 台湾の産業ガス会社を買収し現地で半導体向けガスを供給
産業ガス大手のエア・ウォーター(株)(本社大阪 豊田喜久夫社長)のグループ会社のエア・ウォーター・マテリアル(株)(本社東京 東本和行社長)は2月6日、2022年3月に出資した台湾で半導体関連ガス事業を手掛ける台湾宏廣新技(ホンクアンハイテック)股份有限公司を子会社化したと発表した。
エア・ウォーター・マテリアルは、台湾で事務所を構える半導体向けの材料、電子部品の商社で、高純度ケミカル、電気絶縁材料、樹脂成型品などを半導体メーカーや自動車メーカーに供給している。
同社の取引先のひとつである宏廣新技に対しては、2022年3月に6,250万元を出資し、持ち株比率は21.9%となっていたが、2022年12月に宏広新技が実施した第三者割当増資を引き受ける形で1億8000万台湾ドルを追加出資し、元株比率を50.1%まで高めた。
宏廣新技は、台湾において液化炭酸ガス、亜酸化窒素、フッ素系ガスなどの半導体関連ガスを販売している商社で、現在、台南科技工業区(台南テクノロジー・インダストリアルパーク)でガス精製プラントの建設を進めている。プラントでは、炭酸ガスを月間600トン、亜酸化窒素を同80トン精製するとともに、フッ素系ガス倉庫1棟も建設する。完工は今年3月の予定だ。
今回の買収にあたりエア・ウォーターの担当者は、「宏広新技社は、エア・ウォーター・マテリアルとの取引関係が長くあったため、信頼関係が構築されていました。現在台湾では、半導体製造業が急拡大し、設備増強を各半導体関連メーカーが行っているので、産業ガスや一般化学品の需要が増え続けています。産業ガスの場合、現地で製造・販売するのが基本ですので、台湾の地で事業参画することにより、当社の強みである産業ガス市場をさらに拡大していきたいと考えています」と述べた。
宏廣新技が台湾の台南市で建設中のガス精製プラント
(IRUNIVERSE ISHIKAWA)
関連記事
- 2025/08/04 銅板輸出Report #70 2025年前半3年連続の減少 ただ年後半に向けて回復の兆し
- 2025/08/04 日本の銅箔輸出Report #60 2025年前半輸出量2年連続の増加
- 2025/08/04 ニッケル輸出入Report #188地金輸出 2025年前半 2016年以来の多い輸出量
- 2025/08/04 ニッケル輸出入Report #187地金輸入 2025年前半輸入量前年比1割増加 ただ年後半減速か
- 2025/08/04 銅条輸出Report#58 2025年前半2年連続の増加 ただ2021年22年と比べて物足りない
- 2025/08/04 精製銅輸出Report #72 2025年前半 輸出量昨年を下回る 中国向け減速が響く
- 2025/08/02 企業価値向上を図るために 三和油化工業のあくなき挑戦
- 2025/08/01 (速報)2025年7月国内新車販売台数 2025年に入って初めて前年同月比マイナスへ
- 2025/08/01 二次電池輸出入Report #188リチウムイオン電池輸出 2025年前半輸出額前年比9%増加
- 2025/08/01 炭酸リチウム輸入Report #78 2025年前半輸入増加