LIXIL 国内初、リサイクルアルミ使用比率100%のビレットの量産化に成功
今秋発売予定の低炭素型アルミ形材「PremiAL R100」の展開に向け大きく前進
株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、ビル用建材等を生産する小矢部工場(所在地:富山県小矢部市)にて、この度、国内初(※1)となるリサイクルアルミ使用比率100%のビレットの量産に成功した。
リサイクルアルミを使用し鋳造したビレット
LIXILでは、環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」の実現に向けた取組みを強化すべく、先月、環境戦略を更新し、主要な項目について中期目標を設定した。同社の環境戦略の重点領域の1つである「資源の循環利用を促進」においては、2031年3月期までにリサイクルアルミの使用比率を100%にすることを目標に掲げている。
同社は25年以上に渡ってアルミリサイクルを推進しており、その分野においては世界屈指の技術や知見を保持している。これまでに、業界トップクラス※2である70%(2022年3月期実績/6063材※3)のリサイクルアルミ使用比率を実現しているが、今回の量産化成功はその取組みをさらに加速させ、目標達成に大きく寄与するものとなる。
同社はアルミの鋳造から加工までを一貫して生産するアルミ建材の生産工場である小矢部工場において、昨年来より原材料にリサイクルアルミを100%使用する量産検証を実施しており、6063材において5か月間連続で新地金を全く使用しないリサイクルアルミ使用率100%のビレット鋳造に成功している。
量産化においては、安定したリサイクル材の調達と対応する製造技術が課題だったが、これらの課題をクリアし、小矢部工場において量産レベルで製造が可能であることが確認できた。
新地金からアルミリサイクル材に転換することで、新地金を製錬する際のエネルギー消費を抑え、CO₂排出量を97%削減することが可能となる。同社は、重点領域「気候変動対応の緩和と適応」におけるCO₂削減目標を上方修正し、Scope3に関しては30%削減(2019年3月期比)という高い目標を掲げているが、リサイクルアルミの使用比率を100%にすることで、そのうちの約3割の削減に寄与する見込み。
先般発表した低炭素型アルミ形材「PremiAL R70」(https://newsroom.lixil.com/ja/20221215_01)に続く製品として、原材料すべてにアルミリサイクル材(100%)を使用する「PremiAL R100」(プレミアル R100)の展開開始を今秋予定。今後は発売に向けて、第三者認証を取得することで、エンボディード・カーボンの見える化および削減による建築物の環境価値向上に貢献し、環境負荷の低い建築の普及にも寄与できるよう準備を進めていく。
LIXILは今後も、さまざまな製品・サービスを通じて、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいの実現に貢献していく。
※1 2023年4月時点。自社調べ。
※2 2023年4月時点。自社調べ。
※3 アルミの代表規格
(IR universe rr)
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