コロワイド 国産SAFサプライチェーン構築に向け廃食用油供給で日揮他と合意書締結
~多業態外食チェーン店舗からの廃食用油をSAF原料として供給へ~
株式会社コロワイド(代表取締役社長:野尻公平)、日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO:佐藤雅之)、株式会社レボインターナショナル(代表取締役:越川哲也)、ならびに合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY(代表:秋鹿正敬、以下「サファイア・スカイ・エナジー」)の4社は、使用済み揚げ油などのいわゆる「廃食用油」の継続的な供給および利用に関し、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)として再資源化することについて積極的に取り組み、相互に協力することを目的とした基本合意書の締結で合意、発表した。
今回の基本合意により、コロワイドは同社グループが運営、管理する国内の飲食店から出る廃食用油について、レボインターナショナルに収集先を紹介し、その業務を支援する。コロワイドグループは「かっぱ寿司」「大戸屋ごはん処」「ステーキ宮」「FRESHNESS BURGER」など、多業態の外食ブランドを展開、同社グループの国内店舗数は直営、FCあわせておよそ2,300店舗あり、直営及び一部FC店舗、更にセントラルキッチン等を合わせたグループ全体のフライオイル調達量は、重量ベースで約3,500トン/年、容積ベースでは380万※リットル/年の規模に達っする。
※ 2023年3月期における新油調達量の実績、容積については比重(0.92、25℃)より算出。一般に新油(フライオイル)からSAF原料として供出される廃食用油の割合は最大3割程度とされる。
【コロワイドグループが展開する主要ブランド】
コロワイドグループでは、廃食用油は飼料、石鹸等の油脂製品、バイオディーゼル燃料等への再生はじめ、従前、様々な用途に供給してきたが、今後は本合意に則り、関係各方面の理解も得ながら、漸次、SAFとしての再資源化用途の比重も高めていく。また、こうした取り組みが今後、広く外食業界全体にも拡がることで、国産SAFの普及や地球環境保全に資する資源循環促進の契機となることを企図している。
SAFは、石油などの化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料であり、その製造にあたっては様々な原料、製造技術が存在する。原料が100%廃食用油の場合、従来の航空燃料と比べて原料収集からSAFの製造、燃焼までのライフサイクル全体でCO2排出量を約80%削減することが可能といわれている。
今日、航空業界ではSAFの利用拡大が「空の脱炭素」に向けた最優先課題との認識が定着する一方で、今後見込まれる旺盛なSAF需要に対し、供給面の整備が急務とされている。SAFの原料である廃食用油について、日揮HD、レボインターナショナル、コスモ石油株式会社の3社は、昨年11月、サファイア・スカイ・エナジーを設立、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年産約3万kℓ(キロリットル)のSAF大規模生産を目指し、2024年度下期~2025年度初頭にコスモ石油堺製油所構内に建設するプラントの稼働計画を公表した。本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より採択※を受けた助成事業だ。
※NEDOホームページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100312.html
本計画の達成に向けては廃食用油の継続的な供給、利用が欠かせず、本合意の締結もその一環となるもの。
(IR universe rr)
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