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RSテクノロジーズ(3445)23/12Q1決算メモ 株価はポジティブ継続

23/12期半導体生産停滞で収益横ばいも24/12期には再度成長し25/12期成長加速へ

株価3080円(5/19)   時価総額810億円       発行済株26,283千株

PER(23/12DO予想:10.8X)PBR(1.66X)配当DO予17.5円 配当利回り0.6%

 

要約

・23/12Q1は9.8%増収15.1%営利増、27.2%経常増と好調に推移

・23/12期1.9%増収0.6%営利増、7.7%経常減益予想に変更なく進捗状況で達成可能

・中期経営計画の25/12期に売上高576億円、営利147億円は超過達成期待

 

台湾黒字化、効率化で実質能力拡大で再生ウェーハ世界シェア30%獲得もさらに40%目指

 

23/12Q1は9.8%増収15.1%営利増、27.2%経常増と好調に推移

 

 5/15に23/12Q1決算が開示、同日説明資料が開示された。23/12Q1は売上高121.47億円(9.8%増)、営業利益30.11億円(15.1%増)、経常利益36.35億円(27.2%増)、税引利益17.04億円(38.8%増)と好調に推移した。

 

 主力事業別では、ウエハ再生事業が売上高48.41億円(31.7%増)、営業利益18.67億円(38.0%増)と、国内外再生市場の需要が好調に推移した。2022年末現在、300mmウエハ生産能力は国内三本木工場が月産30万枚、(2021年末比2万枚増)、台湾が20万枚(同2万枚増)、加えて中国でも新規に5万枚となっている。この中で日台合計では2022年末月産50万枚の能力を有するが、2022年に入りほぼ月産50万枚を超える出荷を続けており、両工場ともにフル生産が続いている。特に台湾はTSMC向け等が伸長し設備増強効果もあり収益上伸となっている。一方、プライムウエハ事業は売上高45.74億円(1.8%減)、営利11.06億円(13.8%減)と、売上は前期並みを確保も、利益は研究開発費増などが影響し減益に。半導体関連装置・部材は売上高27.16億円(0.1%減)、営利1.98億円(1.9%増)と半導体製造装置であるエッチング装置の需要急落の中でも売上を維持、収益横ばいを確保した。

 

 事業主体別ではRS本社が売上高39.87億円(1.9%増)、営利9.44億円(13.6%増)と再生ウエハ事業の拡大、エッチング装置向け部材の収益横ばいで全体では堅調な伸び、台湾子会社は売上高27.10億円(28.3%増)、営利7.75億円(44.3%増)とフル生産、能増効果で収益上伸した。中国子会社は売上高49.91億円(1.2%減)、営利11.28億円(11.7%減)に。

 

 

23/12期1.9%増収0.6%営利増、7.7%経常減益予想に変更なく進捗状況で達成可能

 

 会社側は期初計画を変更せず、売上高508億円(1.9%増)、営利131億円(0.6%増)、経常利益143億円(7.7%減)、税引利益74億円(4.4%減)予想を据え置いた。現状、上期予想に対しQ1進捗率はほぼ50%推移、ほぼ計画通りの模様。

 

 現状、再生ウエハビジネスは、半導体生産がメモリ中心に大幅減速、その中で300mmプライムウエハも在庫が膨れ上がっている。今後、再生ウエハにおいても同社の最大手顧客であるTSMCにおいて稼働率低下が見込まれ、絶好調である台湾の減速が懸念される。但し、再生ウエハの使用量(全ウエハ量の約 20%)は少しでも半導体製造コストを下げるために必要不可欠で、しかも先端ウエハ開発などでテストウエハやダミーウエハとしてのニーズは依然として高いとみられ、生産能力が依然として不足している中で売上は維持されよう。また中国事業のプライムウエハにおいては現在のユーザーの2/3がIGBTを中心とするパワー半導体向けとのことで、EVの拡大が牽引するため、他分野の減速でも売上を確保、8インチウエハでのシェアアップも有り、さらに能力増強によりユーザー認定数も拡大、R&D増で利益は多少減少も高水準の利益を確保しよう。さらに第3の柱として期待するエッチング装置向け部材はメモリ向けが多いという状況で、東京エレクトロン宮城での需要伸び悩みが懸念されるが、既存メーカーに食い込む形でシェアを拡大している事から、こちらも売上確保ができるとみられる。

 

 同社は期初計画において常に控え目な予想を行い、中間時以降に大幅増額修正するパターンが多く見られる。23/12期については環境の悪化からQ1での進捗率が計画並みに推移、現状の半導体生産状況を勘案すると、本格回復が24/12期になるとみられ、会社計画並みの収益に止まるとみられる。

 

中期経営計画の25/12期に売上高576億円、営利147億円は超過達成期待

 

 同社は毎年中計3カ年の見直しを行い、今回の新中計では25/12期に売上高576億円(前年計画比126億円増額)、営業利益147億円(同47億円増額)、経常利益161億円(同45億円増額)としており、Q1でも変更はない。またこの増額計画に沿って、設備増強も怠らず、全事業で設備増強を図る計画にある。

 

 現状、23/12期予想について半導体の生産環境が激変した事もあり、会社計画並みの止まると見られ、24/12期についても下期挽回生産で予想並み、25/12期は再度成長加速で中計予想を上回る収益推移が期待される。

 

 株価は半導体生産減速見通しを受けて継続的に下落を続けてきた。現在23/12期会社予想EPS286.18円に対し11倍となっており、信越化学コンセンサス14倍に対し割安、SUMCOコンセンサスに9.8倍に対し割高となっている。但しSUMCOは減益幅が大きく収益回復も遅れがちで、Q1で業績を出してきた点で、業績下方修正懸念が薄れたと判断、同社の展開力からすると改めてポジティブに考えたい。 

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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