東洋スチレン 同社製品における不適切行為について公表
東洋スチレン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石塚賢二郎)の販売している樹脂製品の一部において、米国の第三者安全科学機関である Underwriters Laboratories Limited Liability Company(以下「UL」)の認証に関する不適切な行為(以下「同件不適切行為1」)および日本国内の電気用品安全法に関連して設けられている部品・材料登録制度(CMJ 登録制度)に関して、下記の不適切な行為(以下「同件不適切行為2」)が判明した。
不適切行為の概要
(1)本件不適切行為1
①内容
・UL が定めている樹脂の難燃性能を示す UL94 の規格に対して、登録時の組成を一部変更した製品を、UL への申請を行わずに製造販売していた。
・UL によるフォローアップ試験の際に、指定されたロットではない難燃剤を増量した材料で燃焼試験片を作成し提出していた。
②現時点で判明している対象製品
UL 認証されている「トーヨースチロール難燃」全品種(15 品種)
(グレード名:LX20、NR120C、LH20、F2C、LH30、FX2C、LF21、FP120C、F2、J2、EJ2C、
NBW1601、FS100S、ES150、J5)
なお、J5 グレードについては、社内調査により難燃性能が基準を満たしていないことが判明している。
③判明した時期
昨年、他社において同様の不適切行為の事案が公表されたことを受け、同社において同様の問題がないか社内調査を実施したところ、2022 年 10 月に本件不適切行為1が判明した。
(2)本件不適切行為2
①内容
電気製品(エアコン・冷蔵庫他)は、電気用品安全法の技術基準に適合していることを確認するためには、製品を構成する部品・材料についても試験を実施する必要がある。これに対して、「電気製品に使用される部品・材料登録制度(CMJ 登録制度)」に登録された部品・材料を使用することによって、上記試験の合理化を図ることができる。
同社は、一部製品についてこの CMJ 登録を受けていますが、2019 年に登録機関である JETにより行われた検査において、ボールプレッシャー試験(電気製品に使用される材料の耐熱温度を確認する検査)で、指定されたロット以外のサンプルを提出していたことが判明致した。
②対象製品
「トーヨースチロール難燃」1 品種(グレード名:NBW1601)
③判明した時期
同件不適切行為1が確認された後、同社内で他の問題がないか確認を行う中で、2023 年 5月中旬に本件不適合行為2が判明した。
最終製品への影響
現時点で、不適切行為の対象となる同社製品を使用して生産された最終製品に関して事故等の報告は受けていないが、最終製品の安全性や性能については、今後ユーザーの協力を得て調査を継続していく。
(IR universe rr)
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