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特殊鋼熱間圧延鋼材 2022年度 概況(生産・受注・出荷・在庫)

 特殊鋼熱間圧延鋼材の2022年度の生産量は1,635万6,714トンとなった。コロナ前の2019年と比較して99 %の水準まで回復した2021年度(1,831万3,351トン)比では10.7 %減、195万7千トン減少した。2022年度末在庫量は69万3,888万トンとなり、前年度末(78万8,225トン)比12.0 %減、9.4万トン減少した。

 

 図1に、特殊鋼熱間圧延鋼材合計、工具鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、ばね鋼、軸受け鋼、ステンレス鋼及び抗張力鋼生産量の年度別生産量推移を示す。

 

 2022年度の生産量は、2021年度を下回り、2021年度比では特殊鋼熱間圧延鋼材合計は10.7%減、工具鋼19.8 %減、機械構造用炭素鋼14.1 %減、構造用合金鋼9 %減、ばね鋼13.5 %減、軸受け鋼18.7 %減、ステンレス鋼10.5 %減及び抗張力鋼5 %減となった。

 

図1 特殊鋼熱間圧延鋼材生産量 年度別推移

 

 2022暦年特殊鋼熱間圧延鋼材の生産量は1,688万6,240トンとなり、21暦年(1,854万7,244トン)比では9.0%減、166万1千トンの減少となった。

 

 図2には、特殊鋼熱間圧延鋼材合計、工具鋼、機械構造用炭素鋼、構造用合金鋼、ばね鋼、軸受け鋼、ステンレス鋼及び抗張力鋼生産量の四半期別推移を示す。

 

図2 特殊鋼熱間圧延鋼材生産量 四半期別別推移

 

 2022年度第3四半期(2022年度10-12月期)生産実績は412.5万トン、第4四半期実績(2023年度1-3月期)は388.3万トンとなった。

 

 第3四半期実績は、経産省が2022年12月22日に下方修正して発表した、需要見込み417万トンを更に下回った。

 

 第4四半期実績は、第4四半期需要見通し424万トンを、大きく下回ったが、4月11日に下方修正して発表した、需要見込み379万トンは、機械構造用工具鋼及び高抗張力鋼が増加したことで、上回る結果となった。

 

2022年度第4四半期特殊鋼鋼材需要見通し @経産省 速報 | MIRU (iru-miru.com)

2023年度第1四半期特殊鋼需要見通し @経産省 発表 | MIRU (iru-miru.com)

 

 図3に、2023年3月迄の月別熱間圧延鋼材 鋼種別生産量実績と経産省の四半期別需要見通し及び見込み(月換算)との比較を示す。

 

図3 熱間圧延鋼材及び特殊鋼生産量(工具鋼、機械構造用炭素鋼、構造用鋼、ばね鋼、軸受け鋼、ステンレス鋼、快削鋼及び抗張力鋼)と四半期実績、見通し及び見込み(月換算値)

 

 2022年度第1四半期特殊鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別実績では、工具鋼5.47万トン(前年同期 5.63万トン)、特殊用途鋼226万トン(同年同期 246万トン)及び構造用鋼185.9万トン(内、機械構造用炭素鋼(SC)100.3万トン、構造用合金鋼(AL)85.5万トン:同年同期217万トン)となり、いずれも減少した。

 

 2022年度第2四半期特殊鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別実績では、工具鋼4.7万トン(前年同期 5.39万トン)、特殊用途鋼228万トン(同年同期 254万トン)及び構造用鋼184.6万トン(内、機械構造用炭素鋼(SC)99.6万トン、構造用合金鋼(AL)85.0万トン:同年同期214万トン)となり、2期連続で減少した。

 

 2022年度第3四半期特殊鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別実績では、工具鋼4.6万トン(前年同期 5.90万トン)、特殊用途鋼218万トン(同年同期 241万トン)及び構造用鋼189.6万トン(内、機械構造用炭素鋼(SC)102.9万トン、構造用合金鋼(AL)86.7万トン:同年同期201.1万トン)となり、3期連続で減少した。

 

 2022年度第4四半期特殊鋼(熱間圧延鋼材)鋼種別実績では、工具鋼3.53万トン(前年同期 5.87万トン)、特殊用途鋼207.9万トン(同年同期 231.2万トン)及び構造用鋼177.0万トン(内、機械構造用炭素鋼(SC)98.4万トン、構造用合金鋼(AL)78.5万トン:同年同期204.3万トン)となり、4期連続で減少した。

 

<受注統計>

<特殊鋼を取り巻く環境>

 特殊鋼の最終用途別需要は、この41年間、最終用途構成比が、自動車、産業機械、建設の順に大きいことは変わっていないが、ここ20年間では産業機械向けはほぼ横ばいの推移となった。

 

<特殊鋼鋼材受注統計>
 日本鉄鋼連盟が5月16日に公表した特殊鋼鋼材受注統計によると、22年度の受注量は、前期比12.2%減の1,452万5千トンにとどまった。

 

<用途別受注高>

 表1に特殊鋼鋼材用途別受注高を示す。

 

表1 特殊鋼鋼材用途別受注高(暦年、年度及び四半期推移)

 

 2022年度の国内向け(内需計)は2021年度比13.8 %減の1,017万7千トン、輸出は8.3 %減の434万8千トンとなった。

 

 国内向けは、2020年度(998万5千トン)こそ上回ったが、自動車用関連需要がサプライチェーンの在庫調整を含めて低水準に留まったほか、半導体製造装置関連が下期から減速するとともに、北米向け建機なども陰りが見えたことで減少した。

 

 国内向け用途別で自動車用が11.8 %減の381万8千トン、次工程用が15.3 %減の326万9千トン、産業機械用が11.6 %減の143万4千トン、販売業者向けが19.1 %減の89万6千トン、その他内需が14%減の75万9千トンとなった。

 

 輸出は8.3 %減434.8万トンとなった。

 

 図4に用途別:月別推移、図5に年度別推移を示す。

 

図4 特殊鋼鋼材 月別受注量推移:用途別

 

図5 特殊鋼鋼材 年度別 受注量推移:用途別

 

<鋼種別受注高>

 

 表2に特殊鋼鋼材鋼種別受注高を示す。

 

 鋼種別では工具鋼26.8 %減、軸受け鋼21.2 %減、ステンレス鋼20.2 %減、ばね鋼16.6 %減、構造用高11.3 %減、高抗張力鋼4.5 %減となった。

 

表2 特殊鋼鋼材鋼種別受注高(暦年、年度及び四半期推移)

 

 図6に鋼種別:月別推移、図7に年度別推移を示す。

 

図6 特殊鋼鋼材 月別受注量推移:鋼種別

 

図7 特殊鋼鋼材 年度別 受注量推移:鋼種別

 

<形状別受注高>
 

 表3に特殊鋼鋼材形状別受注高を示す。

 

 形状別では、条鋼15.4 %減(うち線材は14.9 %減)、鋼管16 %増と分かれた。

 

表3 特殊鋼鋼材形状別受注高(暦年、年度及び四半期推移)

 

<特殊鋼鋼材生産(最終鋼材)・出荷・在庫>

 表4に2022年度3月迄の特殊鋼鋼材生産・出荷・在庫(最終鋼材)を示す。

 

表4:2022年度3月迄の特殊鋼鋼材生産・出荷・在庫(最終鋼材):日本鉄鋼連盟(2023年3月)鉄鋼需給の動きより(単位 千トン)

 

 日本鉄鋼連盟の生産量推移表:最終鋼材によると、2022年度最終鋼材生産量は、それぞれ特殊鋼熱間圧延鋼材生産量:15,334千トン、工具鋼:155千トン、SC:3,981千トン、AL:3,231千トン、ばね鋼:312千トン、ステンレス鋼:2,043千トン及び高抗張力鋼:3,956千トンであった。すべて2021年度を下回った。

 

 2022年度第1四半期(4-6月期)最終鋼材生産量は、それぞれ特殊鋼熱間圧延鋼材生産量:3,922千トン、工具鋼:45千トン、SC:999千トン、AL:812千トン、ばね鋼:79千トン、ステンレス鋼:520千トン及び高抗張力鋼:1020千トンであった。2022年1-3月期を上回ったのは、高抗張力鋼のみであった。

 

 2022年度第2四半期(7-9月期)最終鋼材生産量は、それぞれ特殊鋼熱間圧延鋼材生産量:3,873千トン、工具鋼:40千トン、SC:988千トン、AL:813千トン、ばね鋼:77千トン、ステンレス鋼:537千トン及び高抗張力鋼:1007千トンであった。2022年4-6月期を上回ったのは、AL及びステンレス鋼であった。

 

 2022年第3四半期(10-12月期)最終鋼材生産量は、それぞれ特殊鋼熱間圧延鋼材生産量:3,873千トン、工具鋼:39千トン、SC:988千トン、AL:813千トン、ばね鋼:81千トン、ステンレス鋼:520千トン及び高抗張力鋼:944千トンであった。2022年7-9月期を上回ったのは、SC及びばね鋼であった。

 

 2022年度第4四半期(1-3月期)最終鋼材生産量は、それぞれ特殊鋼熱間圧延鋼材生産量:3,685千トン、工具鋼:31千トン、SC:971千トン、AL:774千トン、ばね鋼:75千トン、ステンレス鋼:465千トン及び高抗張力鋼:985千トンであった。2022年10-12月期を上回ったのは、高張力鋼のみであった。

 

<特殊鋼流通調査>

 一般社団法人 全日本特殊鋼流通協会がまとめたの受入れ、販売、月末在庫の月別推移を図8に示す。

 

図8 特殊鋼流通調査 受入れ、販売、月末在庫推移

 

<2022暦年>

 2022暦年の販売量は185万9,934トンとなり、21暦年(192.2万トン)比では3.7 %減となった。

 2022年12月末在庫は、34万1,030トン、2021年12月末在庫量32万2,765比、5.7%増となった。

 

<2022年度>

 2022年年度の販売量は180万5,776トンとなり、21年度(195万5,089トン)比では7.2 %減となった。

 2023年3月末在庫は、35万5,458トン、2022年3月末在庫量(33万7,152トン)比、5.4 %増となった。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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