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「サーキュラーパーク九州株式会社」が設立

 九州電力(株)と(株)ナカダイホールディングスは、九州電力(株)川内発電所跡地(2022年4月廃止:鹿児島県薩摩川内市港町)を資源循環の拠点とする「サーキュラーパーク九州」の構想実現に向けて、「サーキュラーパーク九州株式会社(CPQ)を共同で設立したと7月26日に発表した。

 

会社概要

名 称     サーキュラーパーク九州株式会社 (Circular Park Kyushu Co., Ltd.)

本店所在地  鹿児島県薩摩川内市港町6110番地1

代表取締役  春木 優、中䑓 澄之

設立日    2023年7月26日

資本金    1億円

事業内容   一般廃棄物・産業廃棄物の収集、運搬・処理及びこれらに関するコンサルティングほか

 

設立理念

 2024年度からのリソーシング事業(企業や地域の廃棄物を再資源化)開始に向けて川内発電所跡地の整備等を進めるとともに、ソリューション事業(産官学のネットワークを活用した共同研究や実証実験、コンサルティング等)について実施し、循環経済と脱炭素化の推進による持続可能な社会の構築に貢献。

 

再資源化事業(リソーシング事業)

 廃棄物のリサイクルや有効活用の技術・実績を持つ事業者による、企業や地域の廃棄物を高いレベルで再資源化することを目的とした事業で、製造から廃棄までに関わる様々な事業者間で連携することにより、企業の総合的な廃棄物削減、リサイクル化、脱炭素化を提案。同時に地域の粗大ごみなどの再資源化に取り組み、地域の廃棄物そのものの削減による脱炭素化も目指す。

 

廃棄物リサイクル化事業(一般廃棄物、産業廃棄物)

 ほぼ全ての固形廃棄物を対象としたリサイクル工場を運営。企業が回収した製品・返品・在庫処分品などの回収・保管・選別によるリサイクル化事業により、従来型の廃棄物処理(焼却や埋立等)を削減し、脱炭素化につなげるコンサルティング。

 

廃油無害化・再生事業

 エンジンオイルや重油等の廃油を回収し、無害化処理の上、新たに燃料として活用。

 

研究開発等による課題解決事業(ソリューション事業)

 資源循環に関する企業・社会の中長期的な取組に対し、産官学のネットワークを活かした研究開発、実証実験やコンサルティングなどの実施体制を構築し、取組に対する協業・支援を行うもの。

 

 企業・団体による資源循環に関する課題等に係る取組と、産学官・異業種・他業種が持つ技術・ノウハウ等をつなぐオープンイノベーションの促進

 企業と学術・研究機関との技術交流や共同研究による循環資源の製造に関する新事業・技術創出(再生前提の製品設計・デザインの提案等)の協業

 課題解決プロセスや研究のフェーズに応じて、薩摩川内市のフィールドを活用した実証実験の実施

 企業・団体での新たな資源循環のスキーム創出

 取組成果を整理・集約したライブラリの整備

 企業や地域・一般市民に対する研修プログラムを実施するほか、関連施設の設置などサーキュラーエコノミーに関する行動変容・意識変容を図るための取組

 

「サーキュラーパーク九州」の実現に向けた連携協定

 昨年の7月26日には「サーキュラーパーク九州」の実現に向けて具体的な検討を進めるため、薩摩川内市、九州電力(株)、(株)ナカダイホールディングス、(学)早稲田大学及び(株)鹿児島銀行の5者は、連携協定を締結しており、以下の幅広い項目についても連携協力する体制になっている。

 

 資源循環による資源の有効活用や環境負荷低減

 資源循環に係る研究開発

 サーキュラーエコノミーの実現と地域の脱炭素化に向けた実証実験

 持続可能な社会の構築に向けた取り組みや地域活性化

 

 サーキュラーパーク九州の細部は、特設サイトhttp://www.circular-park.jpで、問い合わせは、info@circular-park.jp 宛てのメールで。

 

薩摩川内港ポートセミナー

 新会社設立発表直後の8月1日には、鹿児島県の薩摩川内市、薩摩川内市貿易振興協会は、東京都内で「2023年度 薩摩川内港ポートセミナー」を開き、荷主や物流企業、船社などの関係者100人超が参加。薩摩川内港の定期コンテナ航路や港湾サービス、ターミナル事業開発の進捗などについての説明の後、サーキュラーパーク九州の中䑓澄之社長が、「サーキュラーパーク九州と川内港連携による資源循環ビジネスの可能性」と題して講演、資源循環の拠点となるサーキュラーパーク九州を活用した取り組みや将来構想などについて語った。

 

薩摩川内港について

 薩摩川内(さつませんだい)港は鹿児島県の北西部に位置し、九州有数の河川である川内川の河口にある。東シナ海に面し、我が国の港湾の中でも中国や東アジアの諸国と近い位置にあり、これらの国々と経済・文化交流を図るのに適した条件を備えている。背後圏には、鹿児島県北薩地域の政治・経済・文化の中心都市である薩摩川内市が控えている。

 

 コンテナ取扱量は2018年から5年連続で20フィート換算で2万個を超え、2022年は約2万4千個と過去最高だった。就航航路も国際フィーダー含めて3航路週5便、保税地域の指定など利便性も充実している。

 

 2021年度の国交省の統計によると、日本にあるコンテナ港137ヶ所のうち薩摩川内は56位につけている。

 

最後に

 今後のサーキュラーパーク九州を軸とした資源循環ビジネスの発展が、薩摩川内港のコンテナ物流基地としての発展を更に促し、国内のみならずアジア諸国との貿易発展が大いに期待されるところ。

 

 

(IRuniverse H.Nagai)

世界の港湾管理者(ポートオーソリティ)の団体で38年間勤務し、世界の海運、港湾を含む物流の事例を長年研究する。仕事で訪れた世界の港湾都市は数知れず、ほぼ主だった大陸と国々をカバー。現在はフリーな立場で世界の海運・港湾を新たな視点から学び直している。

 

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