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イワキ(6237) 24/3Q1決算メモ ポジティブ継続

24/3期17.1%増収60.5%営利増も増額含みで25/3期中計計画を前倒し達成期待

株価1529円(8/10)   時価総額343億円   発行済株22490千株

PER(24/3DO8.9X)PBR(1.16X) 配当(24/3DO予)52円  配当利回り:3.4%

 

要約

・24/3Q1は内外ともに好調、中国子会社連結もあり32.4%増収94.9%営利増と収益伸長

・24/3期17.1%増収60.5%営利増予想も増額含みで25/3期修正中計を前倒し達成期待 

 

24/3Q1は内外ともに好調、中国子会社連結もあり32.4%増収94.9%営利増と収益伸長

 

 半導体、医療機器向けの強味を持つケミカルポンプ専業・総合メーカー。24/3Q1決算が8/10に発表、同日説明資料が開示された。24/3Q1は新規連結子会社の業績寄与があり、売上高111.07億円(32.4%増)営利14.51億円(94.9%増)、経常利益17.82億円(53.9%増)と伸長が続いた。なお連結調整前で2社の影響額(売上で17.05億円、営利5.88億円)を除いたベースでも売上高94.02億円(12.1%増)、営利8.63億円(16.0%増)と、新規連結寄与がなくとも2桁増収増益と収益伸長が続いた。

 

 地域別では同期比アジア地域を除き増加した。国内は50.33億円(14.3%増)で、全ての市場で増加した。米国も17.29億円(38.0%増)と水処理州も13.48億円(35.8%増)と化学市場向けに伸長した。中国は新規連結(イワキ香港、イワキ上海)の寄与もあり16.99億円(3.2倍)に。一方、アジアは中心となる台湾が半導体向けの不振が影響、8.26億円(10.0%減)と唯一減収に。           

 

 市場別では水処理が米国中心に好調で26.07億円(37.3%増)、半導体・液晶向けは中国子会社のイワキ上海の新規連結寄与で、台湾向けの不振でも全体では22.45億円(全24.0%増)と空気駆動用ポンプ、定量ポンプとも2ケタの伸びを確保した。医療向けは中国での回復、中国子会社のイワキ香港の新規連結効果もあり18.68億円(49.7%増)に。金額は小さいが子エネ関係は需要回復で3.30億円(2.1倍)に。

 

 製品別でも全製品群で増加、主力製品のマグネットポンプが35.22億円(35.4%増)、定量ポンプが18.49億円(27.2%増)、半導体向け中心の空気駆動ポンプが16.07億円(21.5%増)、回転駆動ポンプも医療向け等で6.61億円(43.5%増)、エアーポンプも医療向け回復で6.44億円(42.7%増)と高い伸びに。

 

 利益面では営業利益で新規連結2社の寄与が大きいが、収益性の高い定量ポンプ、マグネットポンプの伸びが順調、為替も円安に推移し、増収効果もあり売上総利益率が3.2ポイント向上し過去最高水準の38.4%まで高まった。営業外では持分2社の連結化で持分利益が2.09億円(30.1%減)の影響があり、経常利益の伸びは営業利益の伸びを下回った。

 

24/3期17.1%増収60.5%営利増予想も増額含みで25/3期修正中計を前倒し達成期待

 

 24/3期会社予想に変更はなく、売上高441.81億円(17.1%増)、営利39.20億円(60.5%増)、経常利益43.02億円(9.4%増)、税引利益31.15億円(29.2%減)予想を据え置いた。なお税引が23/3期における段階取得による特別利益12.27億円がなくなることで減益見通しも、その他は連続最高額更新が続く見通しとしている。

 

 売上面では全製品、全市場の増加を、地域別でも国内200億円(3%増)、輸出は新規連結2社(イワキ香港、イワキ上海が前期はQ4のみ、今期はフル寄与)の寄与もあり210億円(15%増)と内外とも増収を見込む。市場別では半導体・液晶向けが18.3%増と、半導体設備投資不振の中で好調を維持しているウェット洗浄プロセス、薬液供給装置で好調持続、CMPプロセスでは減退が見込まれるも空気駆動ベローズポンプの伸びが続く見通しの他、連結化したイワキ上海の寄与が加わる。水処理分野は105.43億円(14.4%増)予想と、北米向けにコントロールユニットなどの拡大が続く見通し。医療機器向けは69.33億円(25.0%増)と、中国向けの拡大、持分会社のイワキ香港の連結化で大きく伸びる見通し。また新エネルギー向けを11.28億円(33.1%増)と見込む。リチウムイオン電池製造向けなどでマグネットポンプ、回転容積ポンプなどが拡大見通し。化学向けも2次電池製造材料向けの拡大で44.55億円(21.1%増)を見込む。

 

 製品別では主力のマグネットポンプを141.19億円(17.8%増)、定量ポンプ78.94億円(23.0%増)、空気駆動ポンプ61.60億円(20.0%増)と前期と同様、主力の高収益ポンプと半導体向け洗浄向けなど空気駆動ポンプ好調持続を見込む。また回転容積ポンプは医療用の拡大に加え電池製造向けの拡大で24.67億円(22.6%増)を見込む。

 

 利益面では収益性の高い上位2種のポンプ構成比が高まりMIX良化、稼働率アップなどで総利益率を37.6%と見込む。販管費は暖簾償却などの経費が今期も高水準で販管費増を21億円見込む。全体で新規連結2社(前期はQ4のみ、今期はフル連結)での増収効果が大きく、営業利益は大幅増益を見込む。なお経常利益では持分利益を控え目にみて為替益、受取還付金減少を勘案し伸び率鈍化予想、税引利益は特益が無くなるために減益を見込む。

 

 現状、Q1決算で24/3HI会社予想に対し、売上進捗率は51.3%ながら、営業利益は進捗率98.6%、通期営利予想での営利進捗率も37%に達している。しかもQ2以降に利益の大きな減益要因が見られないと判断、中間決算時点で大幅な増額修正が期待される。

 

 同社は修正中計予想として25/3期に売上高428億円、営業利益42.91億円、経常利益49.25億円を目標数字としている。但し既に24/3期会社予想で売上高は計画を上回り、営利予想も修正中計の91%まで達成する予想に。また24/3期以降、半導体の本格回復、リチウムイオン電池の増産設備投資拡大、日本国内での大型の半導体工場新設ラッシュ、半導体関連部材新工場の立上げなど、同社を取り巻く環境は引き続き良好な状況が続く。まずは24/3期で売上だけでなく、営業利益でも修正中計を上回るとともに、期初に精査中とした中計予想について再増額された計画の提示がなされるとみられる。

 

 株価は24/3期会社予想EPS141.79円に対し10.8倍と、東証プライム機械平均PER16.6倍に対し割安感がある。また日本ピラー工業の11.5倍、バルカーの12.9倍、イーグル工業11.2倍と似通った水準にある。24/3期も連続最高益更新見通しで中計利益予想の前倒し達成も期待され、2017年高値1700円も視野に引き続きポジティブと考えたい。

 

 

 

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9月1に弊社主催の第1回半導体サミットinTOKYOが開催されます。

 

 

(H.Mirai)

 

 

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