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RSテクノロジーズ(3445)23/12Q2決算メモ ポジティブ継続

23/12期上期増額着地も24/12期1.8%増収営利横ばい予想を変更せず、増額期待

株価2826円(8/14)   時価総額748億円       発行済株26,301千株

PER(23/12DO予想9.1X)PBR(1.42X)配当DO予18.5円 配当利回り0.65%

 

要約

・23/12Q2は6.5%増収もプライムウエハ低調で1.4%営利減ながら円安で増額着地

・23/12期1.8%増収0.6%営利増、円安一巡で7.7%経常減予想は円安で増益維持へ

・25/12期に売上高576億円、営業利益147億円、経常利益161億円目標は上振れ期待

 

 

23/12Q2は6.5%増収もプライムウエハ低調で1.4%営利減ながら円安で増額着地

 

 8/10に23/12Q2決算が発表され、同日説明資料が開示された。23/12Q2は売上高139.79億円(5/15Q1発表時予想比16.26億円増額、6.5%増)、営業利益33.85億円(同2.5億円増額、1.4%減)、経常利益41.06億円(同9.41億円増額、10.1%減)、税引利益20.18億円(同5.22億円増額、4.2%減)と同期比減益ながら増額着地した。23/12Q1で進捗率がほぼ半期予想比50%とだったことを考えるとQ2は思いのほか健闘したといえる。同期比では21/12Q2以降9四半期ぶりに減益となったが、前Q1比では15.1%増収、12.4%営利増を確保している。

 

 セグメント別ではウエハ再生が売上高48.28億円(10.3%増)、営利17.40億円(1.2%減)。世界的な半導体生産の減額により国内外での需要が伸び悩むも、生産能力が月産50万枚に対し張り付きフル生産が継続し売上が堅調に推移している。但し加工単価は300mmプライムウエハの顧客在庫増などの影響でスポット価格下落影響から多少軟化していると見られ、営業利益は円安ながら売上高営業利益率が4.3%ポイント悪化し36.0%となった事が響いた模様。なお生産推移での開示は300mmウエハだけとなっているが、販売先の40%が台湾向けで、同社最大ユーザーのTSMC等への増収効果が大きい。ちなみに台湾子会社は売上高28.66億円(13.6%増)、営利7.76億円(8.2%増)となっているが、RS本体からも輸出、メモリ不振の中で先端ロジック向けの健闘で収益確保に大きく貢献している模様。

 

 プライムウエハ事業は売上高50.13億円(15.6%減)、営利15.03億円(16.2%減)と、中国での半導体生産の伸び悩み、在庫調整、市況軟化影響などがあったとみられ、収益低迷に。ちなみに中国子会社収益は売上高53.62億円(18.4%減)、営利14.83億円(17.3%減)とほぼプライム事業そのものの収益悪化となっている。

 

 半導体その他事業は売上高41.17億円(47.8%増)、営利4.10億円(2.1倍)と、DGテクノロジーズ栗原新工場の本格稼働による能力増強で東京エレクトロン宮城向へのエッチング装置向け部材加工品等の増加が大きく寄与した模様。

 

 全体を通じ、再生ウエハ事業がフル生産の中で増収効果、プライムウエハ事業が中国での市場軟化影響で収益悪化、その他事業が第3の柱として急拡大、利益面ではプライムウエハ事業の収益悪化を全体の増収効果、円安効果で補い、会社予想に対し営業利益で増額着地となった模様。なお営業外収入で為替差益1.34億円(同期比6.75億円減)が影響、但し補助金収入が6.97億円(同期比1.78億円増、34.2%増)に増加、一方で持分投資損失が1.71億円(1.01億円増、2.4倍)、営業外収支全体では同期比大きな変化がなく、経常利益でも増額着地となった。

 

 

23/12期1.8%増収0.6%営利増、円安一巡で7.7%経常減予想は円安で増益維持へ

 

 全 23/12期予想に変更はなく、売上高508億円(1.8%増)、営利131億円(0.6%増)、経常利益143億円(7.7%減)予想を据え置いた。セグメント、企業別予想開示はないが、半導体生産の停滞、米中半導体摩擦激化の動きもウエハ関連は堅調な推移を示し、再生ウエハ需要は依然として高水準を保っている。但しプライムウエハは8インチ中心でパワー半導体向け等は依然として需要増が続いている模様も、レガシー半導体向けは減少、市況も弱含んでいるとみられる。なお第3の柱として捉えるドライエッチング装置向け石英・シリコン製消耗部品は新設の栗原工場の寄与から東京エレクトロン宮城向けに着実な供給拡大が続いている模様。このため同事業は東京エレクトロン自体の低迷ながら売上拡大が継続するとみられる。営業利益は原材料高、燃料費高騰、円安一巡などの影響を生産性の向上、コスト削減でカバーし横ばいを確保、営業外では為替差益の減少影響で経常減益予想としているが、円安継続で為替メリットが利益のプラス要因に。体として上期増額でも通期予想を変更しておらず、需要に合わせた能力増強の寄与が織込まれておらず、下期TSMCにおいても需要伸び悩むと見られる中で、為替の円安効果が得られる事で会社計画並みは確保、上期分の増額で期初計画を多少上回る収益が見込まれる。

 

 

25/12期に売上高576億円、営業利益147億円、経常利益161億円目標は上振れ期待

 

 新中計では25/12期に売上高576億円、営業利益147億円、経常利益161億円を目標としており、上期段階でも計画に変更はない。現状、2024年は半導体生産もロジックから回復が見込まれ、同社最大手ユーザーのTSMCの生産拡大が寄与しよう。また台湾に加え熊本でも新工場建設などもあり、改めて能力増強を実施する。また中国でも再生ウエハの需要が本格拡大するとして、新たに中国で再生ウエハ事業を行うべく、2025年に月産5万枚の処理を始める。プライムウエハ事業も8インチの更なる能力増強を行うとともに、12インでも2024年には月産5万枚体制を確立し、その後の本格量産を目指す。第3の柱としてのドライエッチング装置向け石英・シリコン製消耗部品は栗原工場の本格寄与が始まる。25/3期には東京エレクトロン宮城のエッチング装置の本格拡大に合わせ拡大が見込めるほか、3D化などでエッチング装置のマルチチャンバー化から台数以上の部材の伸びが見込まれ、売上の伸びがさらに加速しよう。このような環境で、同社中計について、従来の中計同様に中計見直しによる再増額の形で収益拡大が期待される。

 

 株価は子会社上場で膨大な含み益を獲得した事で材料出尽くしとの見方もあり、23/12期決算が経常減益予想としたこともあり冴えない動きに終始している。現状23/12期会社予想EPS286.18円に対しPER10.0倍はプライム金属15.4倍、化学15.1倍に対し割安感がある。またプライムウエハの信越化学17.6倍に対し割安、SUMCOコンセンサス10.6倍に対し同程度となっている。23/12期について多少増額が見込まれ経常増益維持で最高益更新が続くとみられることから、ポジティブ継続と考える。

  

 

 

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9月1に弊社主催の第1回半導体サミットinTOKYOが開催されます。

 

 

(H.Mirai)

 

 

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