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東洋建設株式会社:重厚長大産業の新しいマーケティングの秘訣

2023年7月29日から30日の2日間にかけて、東京都千代田区のベルサール秋葉原にてVR法人HIKKY主催の「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」が開催された。
今回の記事では総合建設会社として幅広い事業規模を誇る、東洋建設株式会社の取り組みについて記載していく事とする。
 


産業とアプローチの方法模索


 日本は四方を海に囲まれた島国であり、世界を見渡せば先進国の中ではあまり多くない形態の国土を持つ。
それ故海上や沿岸の開発事業やその技術に関してはもちろん、地震や災害も多い事も相まって海外以上に治水面に関して円熟した物を有する。
あまり表立って大々的な宣伝を行う事が無い業界ではあるものの、産業としての規模は非常に大きなものとなっている。


 しかしこの先述した表立って宣伝する要素が少ない、あるいは分かりにくいというのは企業の今後を占う上で非常にネックとなっている要素でもある。
土木や治水、あるいは沿岸のリグ建設等の仕事はどうしても他の業態に比べて重厚長大であるが故に、そのコマーシャルの方法も含めて「重たい」物になりがちである。
まして会社で取り組む諸要素を研究開発する事業部などは推して知るべしという状況である。
企業として情報をどの様に発信するか、また実際に施設を利用するユーザーサイドからもどういった事をやっているかという情報を得る機会の創出と最適化は急務となっている。


 そういった中で、東洋建設株式会社は仮想空間上のコミュニケーションツールを利用して新しいアプローチを図ろうとしている。


誰でも見れて触れる事が出来るバーチャル体験


 東洋建設株式会社は本社を東京都千代田区に置く企業である。
土木工事はもちろん施設の建築を始め、海外でも土木や橋梁といった様々な工事を行う総合建設会社であり、JPX日経中小型株指数構成銘柄となる一社でもある。
そんな同社の事業所のうち、兵庫県西宮市に存在する鳴尾研究所という施設がこの度「Vket Cloud(ブイケットクラウド)」で訪問可能な仮想空間上に再現されたのである。

 

 

 株式会社HIKKYが開発したWeb上で動作するメタバース開発エンジン「Vket Cloud(ブイケットクラウド)」というサービスは、Webブラウザに対応している機器であればスマートフォンやタブレットでも動作する仮想空間を構築出来る事が特徴だ。
今回このサービスを利用し、東洋建設株式会社は鳴尾研究所を再現。水圏研究棟や地盤研究所といったエリアを歩き回る事が出来る。
さらに同社が誇る作業船AUGUST EXPLORER(自航式多目的船)にも乗ることが出来、これらの仮想空間のクオリティは非常に高い物となっている。
それを示す一要素として、研究棟の中に労災を防止する標語などが記載された看板も設置してあるこだわりぶりである。
他にも波の起きるブース設営の水槽などもあり、普段見る機会がない海上建設工事の一角がわかりやすく展示されている。


 担当者いわく、このVket Cloudを導入する事で子供の様な若年層に対する訴求力が格段に上がったのだという。
実際に体験会を開こうにも施設を常時開放するわけにもいかず、また現地にまで足を運ぶ人もそう多く見込まれる訳では無い。
しかしクオリティの高い仮想空間を用意する事で、文字通りゲーム感覚で施設を体験する事が出来るのは非常に大きな影響があったとの事だ。
もちろんこれだけの3Dモデルを用意するのは簡単では無いが、そこは建設会社である為3Dモデルの取り扱いに関しては餅は餅屋である。
Vket Cloud内の描画やギミックといった要素は学習する必要があったものの、それに見合う効果は十分にあったと語る。

 

 

普段見えない所を積極的に公開し、次の世代にアピールを行う東洋建設株式会社。仮想空間を利用する同社の取り組みは建設会社の鏑矢として大きな効果をもたらす事を期待したい。


(IRuniverse Ryuji Ichimura)

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