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ガリウム規制1か月 上昇も勢い鈍化、発表からは7割高

 中国商務省と税関総署が8月1日からガリウムやゲルマニウムの関連製品を輸出規制の対象に含めてから1か月が経過した。ガリウムは半導体などの素材になることから当初は世界的に供給減への警戒が広がったが、その後は中国以外での生産の可能性などが明らかになり、ガリウム価格の上昇は緩やかになっている。

 

 ガリウム価格は9月3日に高値で1kg=450ドルを付けた。価格は8月10日から横ばいが続いている。8月1日の規制開始後からは15.3%、規制発表があった7月3日に比べると69.8%値上がりした。2022年10月半ば以来およそ10か月ぶりの高値水準にある。

 

過去3か月間のガリウム価格の推移(EU Freemarket)($/Kg)

 

 ガリウムの生産は9割ほどを中国が握っている。中国政府は今回の措置でガリウムやゲルマニウムの輸出を企業による申請制とし、特に日米向けは追加書類の提出が必要などとした。8月半ばには、国内サプライヤー企業からの申請を審査中であることを明らかにしている。

 

 ただ、ガリウムはアルミニウムや亜鉛の生産物であるため、アルミニウムが生産できる国ならどこでも生産はできる。これまでは価格の安い中国産に依存していたが、今後は中国以外からの調達も可能だとの見方が広がり、世界的に過度な供給懸念は後退している。

 

過去3か月間の金属ゲルマニウム価格の推移(9.99%China)($/Kg)

 

過去3か月間の酸化ゲルマニウム価格の推移(9.99%China)($/Kg)

 

 ガリウムと同時に規制対象となったゲルマニウムは9月3日に1kg=1500ドルを付けた。8月末に一段下落し、規制開始後からでは3.5%値下がりした。7月3日以降では7%値上がりしたものの、大きな動きはなかったと言っていい。ゲルマニウムはガリウムよりも中国外での入手が可能との観測が当初からあり、規制開始後も狼狽は広がらなかった。酸化ゲルマニウムもおおよそ同じ動きとなった。

 

 今回の中国の規制自体は混乱を引き起こしたとまではいかず、西側諸国も対応が出来そうだ。しかし、資源供給を一国に依存することへの教訓を産み出したことに変わりはない。国際エネルギー機関(IEA)は7月に発表したレポートで、今回の中国の輸出規制について「あまり知られていないニッチな鉱物の重要性を浮き彫りにし、これらニッチな鉱物の供給依存がサプライチェーン(供給網)を混乱させる可能性を示した」と指摘した。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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