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マルマエ(6264) 23/8期決算メモ 24/8期予想も未達懸念でネガティブ継続

23/8期20.0%減収63.6%営利減、24/8期1.9%増収20.8%営利減予想も回復遅れ減額懸念

株価1642円(10/6) 時価総額215億円  発行済株13053千株 

PER(24/8期DO予69.2X)PBR(2.85X)配当(24/8期会予)30円  配当利回り1.8%

 

要約

・23/8期は半導体不振、FPD低迷継続で20.0%減収63.6%営利減、43.8%受注減と大幅失速

・24/8期上期営業赤字で下期挽回し1.9%増収20.8%営利減予想は半導体回復遅れ減額懸念

・新中計達成を1年延期し26/8期売上高140億円、営利42億円目標も、新規顧客獲得が鍵

 

 

23/8期は半導体不振、FPD低迷継続で2.0%減収63.6%営利減、43.8%受注減と大幅失速


 半導体・FPD製造装置の真空部品や各種高精度部品を中心に事業展開。主力ユーザーは東京エレクトロン宮城、日本発条など。 10/6に23/8期決算が開示され、売上高68.68億円(6/30減額修正予想比0.65億円増額、20.0%減)、営業利益8.59億円(同1.29億円増額、66.7%減)とQ4で赤字予想が若干の黒字を計上し、多少の上振れで着地した。なお受注51.68億円(43.8%減)、受注残高は11.01億円(57.9%減)と厳しい状況が続いている。

 

 セグメント別では半導体分野が売上高45.34億円(29.0%減)、受注高33.47億円(52.4%減)、受注残6.59億円(64.3%減)となった。売上で日本発条向けが21.05億円(26.6%減)、東京エレクトロン宮城12.02億円(37.2%減)など、生産調整の影響を大きく受けている。四半期でも厳しさは続いており、Q4受注は5.96億円(同期比65.8%減、Q3比2.6%増)と、ボトムはQ3となった模様も底ばいが続いている。FPD分野は売上高7.75億円(49.8%減)、受注7.61億円(47.9%減)、受注残4.34億円(2.9%減)に。LCD向けが停滞、OLED向けもEBW(電子ビーム溶接)関連による受注は獲得も冴えない動きで収益大幅減少。PV他では売上高15.59億円(2.36倍)、受注は10.60億円(51.4%増)とコアテクノロジー向け(13.35億円)PV製造装置部品が中国向けに伸長した。ちなみにこの出荷は完了しており、受注残高は0.08億円(97.5%減)しかない。

 

 利益面では減収影響、設備投資増による減価償却費9.28億円(30.7%増)等で売上総利益率が13.8ポイント低下し23.0%となり、販管費も高止まりで7.24億円、9.0%しか減少せず大幅減益に。

 

24/8期上期営業赤字で下期挽回し1.9%増収20.8%営利減予想は半導体回復遅れ減額懸念

 

 24/8期会社予想は売上高70億円(1.9%増)、営利6.8億円(20.9%減)予想。上期まで半導体向けの低迷が続く見通しで上期は売上高24億円(43.4%減)、営業損失0.82億円、下期は売上高46億円(同期比75.0%増、上期比91.7%増)、営業利益7.62億円(同黒字転換、同黒字転換)予想としている。売上面では半導体向けが39.09億円(13.8%減減)予想。昨今のメモリ半導体生産の低迷などでQ1が一番きつくボトムを形成、Q2から受注が上向き、下期には受注回復から売上も増加を見込む。FPDは9.23億円(19.1%増)、PVその他は21.68億円(39.1%増)と引続きPV製造装置向け部品の拡大を見込む。

 

 現状、半導体向け受注残高が6.59億円しかなく、受注が下期に回復するとしているが、東京エレクトロンなどの動向から、受注回復は24/3Q4にずれ込む見通しで、8月決算の同社の受注回復も少なくとも24/8Q4にずれ込むとみられる。このため受注残高も少なく、会社予想の売上には届かないと見られる。FPDについてもLCDは需要の多少の回復はあるが新規設備投資ニーズがなく、OLEDについてもミニLEDなどの競合も有り、設備増強の動きが鈍く、こちらも会社予想に届かないとみられる。PVその他を強気に見ているが中国経済が不透明な中で大きな伸びは期待しにくい。

 

 全体として下期回復を想定も計画未達成の可能性から通期会社計画の未達が懸念される。

 

新中計1年達成延長で26/8期に売上高140億円、営利42億円目標も新規顧客獲得が鍵

 

 同社は昨年6/3に中期事業計画「イノベーション2025」を策定、25/8期に売上高140億円、営業利益42億円を目標値とした。しかし23/8期収益低迷、24/8期も収益低迷継続が見通されることから、中計目標達成を1年ずらし、26/8期に売上高140億円、営利42億円目標とした。事業別では半導体事業の拡大を柱とし22/8期比50.3億円増の115億円(既存82.5億円、新規32.5億円推定)を見込む。これに対応し設備投資も24/8期は10億円に抑制、製造能力を24/8期末に月産8億円(当初計画は9.5億円)、25/8期末9億円(同10億円)、26/8期末に11億円まで高める方針。またFPD他は生産ラインでFPD、PV兼用とし、26/8期末まで月産3億円(当初計画は2.5億円でPV分を加えたとみられる)を維持するとした。

 

 現状、半導体前工程製造装置市場は2023年が15%減、2024年も2.4%程度の減少が懸念される。受注の回復があっても、消耗品売上比率が6割強あり本格回復は25/8期にずれ込もう。また同社は新規ユーザーで27.5億円を見込むも、不確実性が高く、多少チャレンジングな数字とみられる。FPD関連は大型パネル需要が見いだせず、設備増強の動きが鈍く消耗部品比率も20%弱と低く、PV関連もPVでは衛星用なども見込むが、未知数と判断される。全体として26/8期中計予想の達成は一層の努力が必要とみられる。

 

 株価は東京エレクトロンの影響が大きく、東京エレクトロンの株価下落とともに下落を続けてきた。しかし23/8期が大幅減益予想としたことで株価は東京エレクトロンに対してもアンダーパフォームとなっていた。今回24/8期も減益予想となり、現在の24/8期会社予想EPS31.64円に対しPER51.9倍は、プライム機械平均PER16.5倍に対し割高で有り、東京エレクトロンのPER30.3倍予想に対しても割高である。24/8期は上期赤字転落、通期減配、通期では減額懸念もある中でネガティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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