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ローツェ(6323)24/2H1WEB決算説明会メモ ポジティブ継続

24/2H1は10.4%減収17.9%経常減も円安で大幅増額、24/2期29%経常減予想は増額期待

株価11640円(10/13) 時価総額2053億円    発行済株17640千株

PER(DO予:11.7X)PBR(2.47X) 配当(24/2予)135円  配当利回り:1.16%

 

要約

・24/2H1は10.4%減収17.9%経常減も円安で大幅増額、受注30.2%減も受注残642億円

・24/2期半導体投資大幅減を考慮し6.9%減収18.2%営利減予想も受注残豊富で増額期待

・高採算の半導体関連装置が牽引、25/2期売上高1000億円視野に営利最高益更新期待

 

 

24/2H1は10.4%減収17.9%経常減も円安で大幅増額、受注30.2%減も受注残642億円

 

 半導体・FPD・ライフサイエンス関連の自動化装置の開発・製造・販売を手掛け、主力事業の半導体製造装置のウエハ搬送システムで、世界シェアトップクラス。またマスク・レチクル搬送システムやライフサイエンス関連製品も手掛ける。

 

 10/11に23/2H1決算発表があり、10/12にWEB説明会が開催された。24/2HIは売上高409.92億円(期初計画比21.35億円未達、10.4%減)、営業利益99.52億円(同7.21億円未達、9.0%減)、経常利益138.78億円(同32.35億円増額、17.9%減)、税引利益98.35億円(同22.02億円増額、20.5%減)、受注高404.37億円(同30.2%減)、受注残高641.74億円(3.8%減)と、円安による為替差益39億円計上もあり、売上未達ながら経常利益が大幅増額で着地した。

 

 セグメント別では半導体・FPD製造装置関連が売上高408.39億円(同3.08億円未達、10.4%減)、営利102.97億円(9.5%減)受注399.98億円(30.0%減)、受注残635.46億円(3.6%減)に。品目別では半導体関連装置が売上高344.77億円(同12.32億円未達、11.5%減)、受注326.17億円(41.6%減)、受注残540.08億円(16.4%減)に。売上面では主力ユーザーAMAT向けが98.31億円(9.8%増)と、Q1まで部材調達難や米中摩擦などで出荷が遅れていたものがQ2に正常化、Q2では58.97億円(同期比23.3%増、Q1比55.8%増)となり、23/2Q2の47.81億円を抜いて四半期で最大の売上を計上した。一方、納入先第2位と見られるTSMCは売上記載が無く、台湾向けが65.98億円(同期比18.2%減)となっており、TSMCの設備投資抑制の影響が出ている懸念がある。但しQ2四半期で台湾向けの売上が37.55億円(Q1比32.1%増)と、ボトムは確認している模様。また中国向けも94.67億円(32.6%減)となっているが四半期ではQ2に57.99億円(Q1比55.8%増)とこちらも部材調達難、サプライチェーン混乱の影響が薄れ、Q1ボトムの状況となっている。

 

 FPD関連装置売上が17.51億円(同1.05億円増額、56.1%減)、受注60.63億円(4.8倍)、受注残50.53億円(3.9倍)に。売上面では韓国サムスン向けに大型案件がなく、一方受注はサムスンベトナム向けに大型受注獲得(26億円)で大幅回復に。

 

 Q1から新たに加わってイアス社は、売上高15.21億円(Q17.15億円、Q28.06億円)、受注13.18億円(Q1が8.20億円、Q2が4.98億円)、受注残44.85億円となっている。全自動気層分解(VPD)装置Expert™を主力製品としてウエハメーカ-等の堅調な動き。

 

 

 利益面では増収効果、ベトナム工場の量産効果等があったが、円安によりベトナム等で製造された製品群が円安で仕入原価が膨らんだこと、売上急減で期末にベトナムでの抑制などで3876名(23/2比、イアス社を除き454名)などを実施もコスト増で総利益率が4.4ポイント悪化し36.3%となったことから営業利益では負担増となり、計画を下回った。しかし円安効果で外貨建て売上増が寄与し、経常利益は為替差益39.48億円(同期比81.5%増、1.73億円増)が大きく膨らむ結果に。

 

24/2期半導体投資大幅減を考慮し6.9%減収18.2%営利減予想も受注残豊富で増額期待

 

 24/2期会社予想は売上高880.26億円(6.9%減)、営業利益216.19億円(18.2%減)、経常利益215.53億円(29.0%減)、税引利益157.18億円(26.5%減)予想を据え置いた。

 

 主力品目別売上も変更なく、半導体関連装置は719.86億円(11.0%減)、FPD関連装置45.78億円(27.8%減)、ライフサイエンス13.42億円(13.2%増)などを見込む。

 

 利益面では設備投資を46%減の24.51億円と投資一巡を見込み、償却負担も20.98億円(4.5%増)に止める。また人員も抑制し、自動化による生産性向上効果などを見込むが、円安による仕入原価の圧迫が続き、営業利益は減額が懸念される。しかし外貨建債権の為替益が下期も発生、(為替前提133円上期145円でQ1が5億円、Q2が34億円、合計39億円為替差益)全体として経常利益で増額修正されよう。

 

 半導体関連は部材調達難などの影響が緩和され豊富な受注残高の消化、下期は受注底打ちとのことで、半導体関連の増額が見込める。FPDはサムスン大型受注で受注残高が大幅回復、ライフサイエンスは計画並みが見込まれ、全体で会社計画を上回る収益が期待される。

 

高採算の半導体関連装置が牽引、25/2期売上高1000億円視野に営利最高益更新期待

 

 同社の半導体関連装置の主力ユーザーは製造装置メーカーでは半導体向けでAMAT、TSMC、マイクロン、FPDでサムソンなど。また最近は中国ローカルが新会社設立ラッシュでここに来て改めて中国向けが急拡大している。現状、先端デバイス向け設備投資は来上期に本格回復がずれ込む懸念があるが、2024年にはサーバー向け、AI半導体、5G関連、AR/VR向け等で再度伸びが期待される。またメモリはAIサーバー向けにHBMの不足が深刻で、HBM向けの新規受注も期待される。加えて昨今、異種デバイスの積層化や3DNAND以外で2.5D構造など、先端デバイスの多様化も進んでいる。同社はアドバンスドパッケージ(中工程)搬送システムを開発、先端デバイス向けの新たな需要拡大も見込める。なおM&Aで獲得した分析装置も、新レーザーアブレーション装置など、今までにない分析が可能となるとのことで、先端分野での分析装置など裾野の拡大、シナジー効果も見込まれ、全体として半導体関連装置は売上、受注とも過去最高額更新が見込まれる。

 

 

 全体として25/2期は半導体装置関連で過去最高の収益、FPD関連もベトナム向けの売上寄与も期待でき、売上高1000億円超、営業利益最高益更新が視野に入ってこよう。

 

 株価は4/11の決算を受けて一瞬下落したものの、同社ユーザーが勝ち組との認識も有り、堅調に推移、7/5には12840円の年初来高値を更新、その後は地合の悪さも有り値を下げていた。しかし今回経常利益が上振れ着地、今後、収益の上振れもある。現在、24/2期会社予想EPS892.13円に対しPER13.5倍はプライム電機平均PER19.3倍に対し割安感があり、今後、AMAT、TSMC、中国新興ローカルなどから受注の回復が見込まれ、25/2期には営利最高益更新も視野に入ることから、ポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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