新着情報

2024/05/09   2024年3月アル...
2024/05/09   ネオジム磁石を超え...
2024/05/09   新日本電工:24/...
2024/05/09   円安、働き方改革、...
2024/05/09   中部鋼鈑:24中期...
2024/05/09   二次電池輸出Rep...
2024/05/09   二次電池輸出入Re...
2024/05/09   バリウム輸入Rep...
2024/05/09   炭酸バリウム輸入R...
2024/05/09   酸化セリウム輸入R...
2024/05/09   亜鉛地金輸出Rep...
2024/05/09   タンタル原材料輸出...
2024/05/09   6/19-20 M...
2024/05/09   原油価格の動向(5/8)
2024/05/09   バナジウムのブッシ...
2024/05/09   5/29開催 第2...
2024/05/09   中国 リチウムの供...
2024/05/09   コバルト価格は意外...
2024/05/09   英メディア:米が中...
2024/05/09   中国のレアアース産...

ステンレス鋼製造のCO2排出量削減@JFEスチール&大同特殊鋼

 2022年6月に開催された展示会:サーモテックでは、大同特殊鋼機械事業部が開発・販売するSTARQ(スターク)に注目し、紹介した。このSTARQを、JFEスチールは、東日本製鉄所千葉地区の第4製鋼工場に導入し、ステンレス鋼の製造工程でCO2排出量を削減する。

 

 JFEスチールおけるステンレス鋼の製造プロセスでは、高炉,溶銑予備処理を経て脱燐された溶銑を溶融還元炉に装入し,クロム鉱石および転炉の Oxygen Converter Gas Recovery System(OG 設備)で回収された Cr含有ダストの溶融還元により含クロム粗溶鋼としている。

 

 製鋼プロセスでの更なるCO2削減のためには、鉄スクラップの利用拡大が有効との判断から、電気炉を導入する。導入する電気炉はチャージ70トンの炉容量で、年間の妖怪能力は約30万トン。2025年度下期稼働予定。

 

 大同特殊鋼は、アーク炉ユーザーが、将来のカーボンニュートラル社会へと進むことを期待するとともに、技術革新に取り組み、電気炉の大型化(目標300トン電気炉)に向けて、大型電源供給設備の開発、低廉スクラップ原料及び還元鉄からの高品位な鉄鋼製品の製造技術、更には、CO2フリー電力の確の確保、再生資源などから生成されるカーボンフリー代替燃料の活用技術など、多くの課題に取り組んでいる。

 

 STARQの第1号は、2013年に同社知多工場に導入して、高いCO2排出量削減性能を実証している。

 その後、外販として、千代田鋼鉄工業(綾瀬工場)、日本冶金工業(川崎造船所)に導入された。

 今回、3基目が、JFEの東日本製鉄所・千葉地区の第4製鋼に導入され、ステンレス鋼の製造工程でのCO2削減に寄与する。

 

大同特殊鋼の取り組みについては、会員の方は、下記をご参照ください。

サーモテック2022 第8回 国際工業炉・関連機器展 5年ぶりに開催 | MIRU (iru-miru.com)

 

 会員でない方は下記、展示会:サーモテックの記事からの抜粋をご覧ください。

 

<大同特殊鋼及び大同プラント工業>

 1916年、大同特殊鋼は特殊鋼の製造開始と同時に、より高品質な素材を求めて、自ら工業炉の設計・製作をスタートさせた。工業炉のユーザーであり、同時にメーカーでもある。

 これにより、素材とともに工業炉の進歩を加速し、大同特殊鋼を飛躍させる原動力となっている。顧客には線材加工メーカーが多いとのこと。
 

 機械事業部は、こうした素材と工業炉の豊富な技術力、操業ノウハウを背景として1960年に設立。以来60年以上にわたり、熱処理技術をベースに、真空技術、制御技術ほか多彩な技術を結集し、お客様のニーズに応えている。

 

 ブースでは、炉体旋回式電気炉(STARQ)及び加熱炉(COMPACT)を紹介していた。

 STARQ:大同特殊鋼

 炉体旋回式電気炉は、ベアリングの上に電気炉が載った構造であり、油圧モータによって、炉径7mほどの製鋼用交流電気炉(3相交流タイプのアーク炉)である。

 

 セールスポイントは、小設置スペースにおける大幅な生産性向上である。

 一般的に従来交流電気炉の更新と合わせ生産性を高めようとした場合、スクラップ予熱、排熱回収などの追加設備設置のために広大なスペースが必要となり、建屋までを更新する例が多い。

 炉体回転式電気炉は、従来の電気炉の炉体とプラットフォームの間に炉体旋回機構を追加するだけで改造更新できる。

 

  交流式電気炉は電極が三角形に配置されているのに対して、炉殻が円筒形状であるため、従来は溶けやすい部分と、溶けにくい部分が発生していた。回転することで不均一溶解を解消できるのみならず、炉壁抜熱ロス率の減少、通電時間の短縮、電力原単位の低減及び補修材原単位も削減される。

 

 

工業炉・環境設備のホームページをリニューアル

工業炉・環境設備 | 製品情報 | 工業炉・環境設備 | 大同特殊鋼 (daido.co.jp)

 

 

環境対応型スクラップ予熱設備

 環境対応型スクラップ予熱設備についても、ご紹介いただいた。

 

 大同特殊鋼の移動式炉頂スクラップ多段式予熱設備(MSP:Multi stage Super Preheater)。電気炉からの高温排ガスを利用することで、スクラップを高効率で予熱し、エネルギーロスの低減、熱効率の向上を図る。スクラップ予熱で得られるエネルギーは電力や他のエネルギーより安価なため、エネルギー原単位低減を達成する。


 電気炉およびその上部にスクラップ保持用のフィンガーを備えた台車移動式の予熱室を配置し、スクラップを高温かつ高効率に予熱、予熱後のスクラップを予熱室ごと電気炉中心まで移動させ、フィンガーを下降させることでスクラップを炉中心に投入。そうすることで溶解期にアークをスクラップで包み込みながら溶解させるプロセスが成立し、溶解効率の向上と炉体熱損失を低減させることができる。

 

 MSP(多段式)は大同特殊鋼株式会社の登録商標。

 

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る