中国 供給が逼迫し、炭酸ナトリウム価格が続伸
川下の在庫補充などの要因に後押しされ、最近ソーダ価格が明らかに上昇し、関連上場企業がフル生産している。商売社の最新データによると、11月28日から多くの地域でソーダ価格が引き続き上昇している。
1、供給量の減少
卓創資訊ソーダ業界アナリストの鄧秋宇氏によると、「最近は点検装置が増え、ソーダメーカー全体の着工負荷がやや低下し、市場の商品供給量が減少している。ソーダメーカーの多くが注文を出す必要があることと重なり、スポット供給が引き続きタイトになり、市場の予想が好転し続け、新規注文価格が上昇し続けている。また、在庫水準が全体的に高くなく、かつ先物価格が強気に上昇したことで、川中下のユーザーの商品を手にする積極性が高まった」という。
鄧秋宇氏は、「11月27日の時点で、卓創資訊の統計によると、全国の軽アルカリ主流の出荷平均価格は1トン当たり2640元、重アルカリ主流の末端価格は1トン当たり2904元だった。スポット供給は引き続きタイトで、メーカーは受注を控えており、現在、ソーダ価格は相対的な高値まで上昇している。12月のソーダ市場はあるいは高値での動揺が予想される」と述べた。
国泰君安研報によると、ガラス工場は集中的に在庫を補充し、ソーダ市場は明らかに反発した。当面、先物価格の値幅は小さくなっており、短期現物市場は大幅続伸が難しい確率が高い。
2、全力稼働
上場企業を見ると、遠興能源、双環科技、山東海化、三友化工、江塩集団などの上場企業がソーダ事業のポートフォリオを持っている。これらの企業の3四半期決算の業績には比較的明確な分化が見られた。
三友化工の3月期報告によると、2023年1-9月期の売上高は前年同期比9.38%減の約164.15億元だった。上場企業の株主に帰属する純利益は前年同期比63.41%減の約3.48億元だった。
ソーダ事業について、三友化工は「第3四半期は業界が点検シーズンにあたり、着工、在庫がともに減少し、供給源の供給がタイトになった。川下のフロートガラス、太陽光発電ガラスの需要が安定し、ソーダ価格が急速に上昇した」と述べた。点検企業の操業再開や新たな生産能力の解放に伴い、商品供給の逼迫が緩和される見通しだ。
上場企業の最近の開示を見ると、関連する上場企業はフル生産している。江塩集団が11月21日夜に公開した投資家関係記録表によると、同社のソーダ生産ラインは現在フル稼働しており、生産と販売がバランスよく行われている。
遠興能源などの上場企業はソーダの生産能力を拡大する計画だ。注目を集めているアラソン天然アルカリプロジェクトについて、遠興能源が公開した最新の投資家関係記録表によると、3本目の生産ラインは11月下旬に投入する計画で、4本目の生産ラインの投入時期は3本目の試験運転の状況に基づき確定する。事業がすべて稼働した後、同社は一部のソーダ製品を輸出する計画だ。
(趙 嘉瑋)
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