AREがAREして日本一の資源循企業体へ!

今年の流行語大賞には38年ぶりの日本一となった阪神タイガース岡田彰布監督の口癖でもあったARE(アレ)が選ばれた。全国民納得の結果であろう。最近の流行語大賞は意味不明なものが多かっただけに。。
そして、ここにも日本一を目指すAREホールディングスがいる。こちらはエーアールイー。岡田監督が言う前につけていた社名である。念のため。。
AREは元々が貴金属精錬リサイクルのアサヒブリテックを母体としている。アサヒブリテックは2000年以降に積極的に産廃企業のM&Aを繰り返し規模を拡大していく。米国にもいち早く進出。全国各地に営業所は張り巡らし、全国で産廃の許認可も取得していった。これか現在の発展に活きている。AREは現在、総売上2924億円、東証プライム上場企業であり、国内に34拠点、海外10拠点、全従業員は1467名という、まさに日本を代表する資源循環企業である。
12月7日にARE本社にて東浦社長に話を聞いた。
(左:聞き手のIRUNIVERSE棚町、右がAREHDの東浦社長)
―レナタスと御社の子会社のジャバンウェイストとの株式交換は新しい資源循環企業グループの誕生だと感じいりました。
「実は、元々ジャバンウェイストは単独上場させる準備をしておりました。しかし準備段階のときにファンド(J-STAR)から話があり、私も産廃分野で全国的な規模で、かつ信頼性の高い事業体が必要、ということで今回のレナタス誕生に繋がりました」
レナタスはハリタ金属、シンシアホールディングス、サンワグループ、新日本開発ホールディングスの4社からなる企業連合だが、株式交換後レナタスの32%の株主はAREが設置予定のウェイストシステムジャパンとなる予定である。
東浦社長のいう、全国規模で信頼性の高い事業シナジーを生む源泉がレナタス。このレナタスも2026年には上場させる予定で走っている。
東浦社長の構想としては、米国のウェイストマネジメント社のような、あらゆるリサイクルを広域に行える企業体だというが、AREには貴金属精錬で、精製金から再生金、銀、再生プラチナ、といったプロセッシングから製品販売まで行える絶対的な強みがある。
個人的にはこの「強み」を活かすべきと感じた。
それを東浦社長に聞くと
「我々は貴金属精製では長年の経験と実績がありますが、ベースメタル系ではその経験がない。この領域には力を入れていく考え」とのこと。
―世界的に「再生材」の時代で、再生材のほうが価値がある、という見方に変わっています
「はい、貴金属でも我々の再生金はジュエリーのラグジュアリー・ブランド、ハイエンド・ブランドにたいへん高い評価を受けています。この再生材についてはさらにラインナップを拡大させていく方針です」
この話から若干ずれるが、AREグループはすでに、米国に進出しており、鉱山原料を製錬するアサヒリファイニングで貴金属スクラップのリサイクルも行っている。米国も貴金属含む金属資源の「囲い込み」を進めているなかで、ただ単に相場が高いからといって海外市場にスクラップを輸出するこれまでの質屋的貿易を改めつつあり、米国内で完結できるリサイクルを進めている。この点においてもすでに米国の貴金属リサイクル市場に根付いているアサヒプリテックは日本の大手非鉄製錬メーカーの一歩先を進んでいる。
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OUTPUTでいうと、AREの中核企業であるアサヒプリテックでは貴金属リサイクル~精製~地金の販売という高品質の貴金属、PGMを供給している。一方、INPUTでは有価物だけでなく、様々な産業廃棄物を取り扱う。それがジャパンウエイストである。廃棄の試薬、耐火レンガ、医療廃棄物、廃油、廃酸、廃アルカリ、汚泥、橋梁の塗膜くずなども取り扱っている。こうした産廃物も中間処理したうえでリサイクル、埋め立てへと向けるがこの廃棄物を燃やす際に発生する排熱を利用した「ごみ発電」も行っている。
ちなみにAREグループで保有している国内の産廃系ライセンスは、以下の通りで全国をカバーしている。
また、こうした産廃物の収集運搬などに必要な手続き処理を一括で行えるプラットフォームサービスも提供している。それがグループ会社のDXE株式会社である。DXEが提供するデジタルプラットフォームが以下図に示すDXEstationである。
国内では総合リサイクル企業の上場が続いている。TREホールディングス、エンビプロホールディングス、大栄環境、イボキン・・・こうしたなかにあって、精錬能力、産廃の大規模な中間処理能力をもっているAREグループは資源循環を構築するうえにおいて選択肢の広さと具現性を兼ね備えている企業体だといえよう。
11月下旬に西村経済産業大臣がアサヒプリテックの尼崎工場を訪れた際にも、「半導体産業において貴金属資源が再生されている実態について、⼤変勉強になった」と述べたているが、そう、実はこの資源循環、あるいはクローズドループを実現するうえで、自社グループで完結できる能力をもつAREグループは一歩リードしているといって過言ではないだろう。
先に東浦社長が述べた、全国規模で信頼性の高い事業体を作りたい。例えば欧州のVeoliaなどとも対抗できるような存在・・そのためには更なる連携と成長が必要。経済産業省主導で進めている「サーキュラーエコノミーに関する産官学パートナーシップ」に東浦社長は参画予定である。
AREがAREして日本一の資源循環企業になる日はそう遠くないのかもしれない。
(IRUNIVERSE Tanamachi)
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