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【年末企画・金銀】金は国内外ともに最高値更新 24年は銀の出遅れに投機筋が注目か

 2023年の金相場は過去最高値更新のニュースに沸いた。まずロシアによるウクライナ侵攻の長期化やガザ地域での紛争ぼっ発など地政学的リスクの上昇を受け、安全資産としての金を買う動きが強まった。国内金の場合はさらに円安・ドル高も材料となり、うなぎ上りに上昇した。

 

■中露の中央銀行が金購入を増やした

 

過去1年間のNY金価格の推移($/toz)

 

 ニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物価格は12月1日に一時$2095.70/tozと2020年8月以来3年4ヶ月ぶりに過去最高値を更新した。その後も$2000台で推移している。NY金の2023年の1年間での上昇率は約12%。4月にも一時、$2000台に載せたが2020年の水準には及ばず、12月に入りガザでの戦闘が激化したことをきっかけに最高値を更新した。

 

過去1年間の国内金価格の推移(JPY/g)

 

 一方、国内金(山元建値)の年間上昇率は23%だった。同じく12月1日に心理的節目の9700円を超え、1グラム=9701円を付けた。その後は9500台で推移している。NY金の上昇要因に加え、2023年を通して進んだ円安・ドル高が輸入品としての金価格を押し上げた。

 

 「 安全資産」としての金を考えるとき、2つの流れを考慮する必要がある。1つは投機的な面で、2023年は政策金利の引き上げで高金利となった米ドルと米株、そして米ドル建てで決済される金に投資資金がつぎ込まれた面があった。

 2つ目は世界の中央銀行が金備蓄を増やしている面だ。エモリファンドマネジメントの江守哲氏は「2023年に金を購入したのは個人ではなく中央銀行だった」と指摘。山澤企画の川上敦氏も「中国・ロシア・トルコの中央銀行が外貨準備における金の比重を増やしている」と話す。

 これはどういうことかというと、「ドル覇権秩序に対抗するための措置」(川上氏)との見方が金融アナリストの間ではもっぱらだ。米ドルは国際銀行間通信協会(SWIFT)の使用通貨の約4割を占める基軸通貨だが、この秩序に対抗しようとして中国は人民元の国際化を進める。金もそうした流れの延長線上で買われたとの見方が増えている。

 

■銀は1ケタ上昇、完全に出遅れ

 

過去1年間のNY銀価格の推移($/toz)

 

過去1年間の国内金価格の推移(JPY/g)

 

 一方の銀価格は小幅な値動きだった。NY金価格は12月下旬時点で$2万4000/toz第半ばと、年初からの上昇率は4.5%程度にとどまった。国内銀(山元建値)価格も11万円台/kg前半で、1年間で8%弱値上がりと、上昇率は1ケタにとどまった。主な投資資金は金に向かったとみられ、金に比べ完全な出遅れとなった。

 

 

■金価格は短期ピークアウトも潜在需要

 2024年の金相場を巡っては「ひとまずピークアウト」(川上氏)との声があり、短期的には過熱感が一服しそうだ。ただ、前述のように金には国際決済秩序を巡る潜在的な需要がある。また、2024年に米利上げが終了すれば、世界の資金の流れ全体が変わる可能性があり、米ドルや米株から流出した投資資金が金に一段と流れ込む可能性も否定できない。

 

 一方の銀は出遅れ感が注目されそうだ。著名投資家のジム・ロジャーズ氏は12月5日日の日本経済新聞朝刊で「割安感のある砂糖や銀に注目している」と話していた。

 こうした投機筋の動向を背景に、米大統領選などの変数も影響し、金銀相場は2024年も注目を集めそうだ。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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