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マルマエ(6264) 24/8Q1決算メモ ネガティブ継続

24/8Q1は55.1%減収、0.22億円営業損失、受注47.9%減と半導体製造装置激減で赤字

株価1946円(1/4) 時価総額254億円  発行済株13053千株 

PER(24/8期DO予128X) PBR(3.4X)配当(24/8期予)30円  配当利回り1.54%

 

要約

・24/8Q1は55.1%減収、0.22億円営業損失、受注47.9%減と半導体製造装置激減で赤字

・24/8期1.9%増収20.8%営利減予想に変更無く半導体回復遅れ、PV未達で減額懸念

・新中計で25/8期に売上高140億円、営利42億円目指すが、受注回復遅れハードル高い

・株価は東京エレクトロンに連動せず下落、PERは部材関連で割高からネガティブ継続

 

 

24/8Q1は55.1%減収、0.22億円営業損失、受注47.9%減と半導体製造装置激減で赤字

 

 半導体・FPD製造装置の真空部品や各種高精度部品を中心に事業展開。主力ユーザーは東京エレクトロン(TEL)宮城、東京エレクトロン(TEL)テクノロジーソリューション、日本発条の3社で2/3を占める。 24/8Q1は売上高11.17億円(同期比55.1%減)、営業損失0.22億円(同6.90億円悪化し赤字転落)、経常損失0.49億円(同7.12億円悪化し赤字転落)、税引損失0.39億円(同5.06億円悪化し赤字転落)、受注9.46億円(同47.9%減)、受注残9.54億円(同52.0%減)と厳しい決算に。

 

 セグメント別では半導体分野が売上高7.69億円(58.9%減)、受注高6.39億円(51.1%減)、受注残5.29億円(58.8%減)となった。半導体生産の不振から同社の納入比率の高いとみられるエッチング装置関連消耗品が在庫調整で不調、TEL宮城エッチング装置の生産も不振で稼働率低下から赤字に。FPD分野は売上高3.03億円(同35.7%増)、受注2.77億円(同2.0倍)、受注残4.08億円(同13.3%増)に。OLED向けG6,G8で受注回復、売上も低水準ながら増加した。PV他では売上高0.12億円(同96.4%減)、受注0.28億円(同92.2%減)とPV向けが急減した。

 

 利益面では減収影響、稼働率低下などで、労務費の減少効果が1..15億円減(同期比27.1%減)などに止まり、大幅な赤字転落に。売上総利益率は固定費負担比率増で23.2ポイント悪化し13.1%となり、販管費比率も5.7ポイント上昇し15.1%となり、営業利益率が28.9ポイント悪化し-2.0%となった。

 

24/8期1.9%増収20.8%営利減予想に変更無く半導体回復遅れ、PV未達で減額懸念

 

 24/8期会社予想に変更無く、売上高70億円(1.9%増)、営利6.8億円(20.9%減)予想。上期まで半導体向けの低迷が続く見通しでQ2は売上高24億円(43.4%減)、営業損失0.82億円、下期は売上高46億円(同期比75.0%増、上期比91.7%増)、営業利益7.62億円(同黒字転換、同黒字転換)予想としている。売上面では半導体向けが39.09億円(13.8%減)予想。昨今のメモリ半導体生産の低迷などでQ1が一番きつくボトムを形成、Q2から半導体新規顧客から量産受注を開始、下期には売上貢献するとしている。FPDは9.23億円(19.1%増)、OLEDのG6,G8投資増加が寄与するとしている。PVその他は21.68億円(39.1%増)と引続きPV製造装置向け部品の拡大を見込むが、Q1で受注がとれておらず、同分野は大幅減額が懸念される。

 

 現状、半導体向け受注残高が5.29億円しかなく、受注が新規ユーザー向けに量産受注獲得としているが下期に売上寄与するとしても寄与度は小さいとみられる。また従来大手顧客のTEL宮城、日本発条などの受注回復は25/3上期にずれ込む見通しで、8月決算の同社の本格受注回復は24/8Q4にずれ込むとみられる。このため受注残高も少なく、半導体向け会社予想の売上には届かないと見られる。FPDはOLED向け受注が好調も、水準自体は小さいとみられる。さらにPVその他を強気に見ていたが中国経済が不透明で大きく下振れが懸念される。

 

 全体として上期から減額、下期もPVの大幅減額でFPDの低下をPVの生産で埋めるシナリオが崩れるとみられ、会社計画の未達が懸念される。

 

新中計1年達成延長で26/8期に売上高140億円、営利42億円目標も新規顧客獲得が鍵

 

 同社は昨年6/3に中期事業計画「イノベーション2025」を策定、25/8期に売上高140億円、営業利益42億円を目標値とした。しかし23/8期、24/8期と収益低迷計継続から、中計目標達成を1年ずらし、26/8期に売上高140億円、営利42億円目標とした。事業別では半導体事業拡大を柱に22/8期比50.3億円増の115億円(既存82.5億円、新規32.5億円推定)を見込む。

 

 現状、半導体前工程製造装置市場はTELが2023年のWFE市場を700億ドル(26%減)~750億ドル(21%減)予想から850億ドル(11%減)~900億ドル(5%減)に引上げ、2024年は微増、2024年~2025年で合わせて2000億ドル予想とした。この中でTELの業績予想も売上で300億円(率にして0.5ポイント)上振れ予想としている。この様なTELの状況ではあるものの、同社は消耗品売上比率が6割強あり、しかもTELの好調がHBMなどAI半導体に絡んで後工程向けの製品であったり、中国向けレガシー製品の好調であったりで、必ずしも同社の回復に繋がらない状況となっていると見られる。このため、本格回復は25/8期にずれ込もう。なお同社は新規ユーザーで27.5億円を見込むも、今下期より量産受注獲得も、多少チャレンジングな数字とみられる。FPD関連は大型パネが見いだせず、設備増強の動きが鈍く消耗部品比率も20%弱と低く、PV関連も不透明感が強まっており、不確実性が高いと判断される。全体として26/8期中計予想の達成は難しいとみられる。

 

 株価は東京エレクトロンが生成AIに関連し、HBM向け等新分野の拡大で株価が上伸に対し、同社株価は多少追従したものの低迷を続けでおり、TELとの連動性が薄れた格好となっている。現状、24/8期会社予想EPS31.64円に対し、PER61.5倍はプライム機械平均PER17.8倍に対し割高で有り、TELのPER36.4倍予想に対しても割高である。またTEL向けRF電源納入最大手のダイヘン11.3倍、納入比率の高いアバールデータ7.5倍などと比較しても割高感が増す。24/8期は上期赤字拡大、通期減配、通期でも減額懸念がある中でネガティブ継続としたい。なお、今後上期段階で減額修正の開示、受注の上振れが確認されれば25/8期収益急回復が見込まれる事で悪材料出尽くし感は出てこよう。 

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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