ベトナムの公安当局が、同国から中国へのレアアース密輸を巡り取り締まりを強化している。中国人男性1人を指名手配したほか、ベトナム人の会社経営者2人を拘留・軟禁した。VN Expressなどの現地紙が1月5日に伝えた。

 

　報道によると、レアアース78億ドン(約4600万円)相当について、虚偽の通関手続きなどの行為があった容疑が浮上した。報道によると、ベトナム公安は1月5日までに、物流会社の経営者と戦争傷病兵会社の経営者のベトナム人計2人と中国人1人の3人を取り調べ、ベトナム人に関しては前者に自宅待機を命じ、後者を拘留した。中国人男性は取り調べ後に出国したが、後に指名手配した。ほかにも2人が取り調べを受けているという。

 

　ベトナム当局は2023年から、同国北部のイェンバイ省でのレアアース生産で不法採掘と密輸が行われているとして捜査している。1月5日は同時に、会計規則違反として以前の事件に関連して新たに3人が逮捕・軟禁された。

 

関連記事: ベトナムがレアアース業界当局者を逮捕中国との競争が影を落としている | MIRU (iru-miru.com)

　

　ベトナムは長年、レアアースの採掘を中断してきたが、2024年には北部ライチャウ省のドンパオ鉱山の生産再開を計画している。ドンパオ鉱はかつて、中国による廉価なレアアースが出回り生産価格が下落したことで生産停止に追いやられた経緯がある。それだけに、ベトナム当局としては、廉価での中国への密輸が横行すればドンパオ鉱の製品価格に影響しかねないとの警戒が強い。

 

関連記事: ベトナム、大型レアアース鉱床の生産再開か　ドンパオ鉱、来年にも　外電報道 | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

関連記事