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世界のウラン企業、米国を目指す 原発見直しとロシア代替で、価格は17年ぶり高値

 世界のウラン生産企業が米国向け供給を拡大する動きが活発化してきた。脱炭素化の流れで原子力発電の見直し機運が高まる中、米国がロシア産ウランの輸入を制限するとみられ、代替国からの供給を増やすとの観測が背景にある。需要拡大の見方から、ウラン価格も2007年夏以来の高水準で推移している。

 

過去20年間のウラン価格の推移($/LB)

 

■仏オラノ、福島原発事故でとん挫の米国投資を再開へ

 

 

 ロイター通信は3月28日、仏原発大手のオラノ(旧アレバ)幹部が「米国にウラン濃縮施設を建設することを検討している」と明かしたと伝えた。同社は2000年代後半に既に米アイダホ州での施設建設を計画していたが、2011年の福島原子力発電所事故の発生で原発懸念が高まりウラン需要が減退したため、見送っていたという。

 オラノは2023年秋、米国での需要を満たすため、南仏に所有するウラン濃縮施設の生産能力増強に投資すると発表してもいる。

 米国では最近、ウラン鉱山の再開が相次いでいる。

 

関連記事:Americas Weekly#11 ウラン鉱山再開の動き相次ぐ ウラン需給ひっ迫で相場上昇中 | MIRU (iru-miru.com)
 

■カザフスタンも参戦、新材料ウランも熱い

 オラノをはじめとする外資は、国内鉱山で補いきれない需要に目を付けている。NAI500などの外電は3月26日、「カザフスタンのエネルギー省が同日、米上院議員と、エネルギー部門での協力について会談した」と伝えた。カザフスタンは世界最大のウラン生産国。同国は既に複数の米ウラン会社との間で供給契約を結んだとも伝わる。

 

 鉱山からの鉱石採掘だけでなく、新材料ウランの生成も盛り上がる。米国政府が3月11日に発表した2025会計年度の予算教書では、エネルギー省の原子力エネルギー局に約16億ドルを割り当てた。このうち、高純度低濃縮ウラン(HALEU)として知られる新タイプの原子炉の燃料として使用される高濃縮ウランの開発に1億5000万ドルの予算を決めた。

 米国のセントラス・エナジーはこれに先立ち、2023年末にオハイオ州でHALEUの新工場を立ち上げている。

 

■福島のトラウマ克服、ロシア産資源リスク続く

 米国でウラン産業が活発化している背景には、3つの要因がある。1つは原発の見直し機運、もう一つはロシア産エネルギーへの危機感だ。

 世界各国は2000年代を通じて原発推進を進めたが、2011年の福島原発事故を機に規模縮小や新規建設の取りやめに動いた。それが脱炭素の動きの中で見直され、近年は原発産業が息を吹き返している。ウラン価格も2023年秋に福島原発事故後の水準を12年ぶりに上回って「福島のトラウマ」を克服。その後、半年も経たずに過去最高値を付けた2007年以来の高値に上り詰めた。

 

関連記事:ウラン価格が12年半ぶり高値 東日本大震災前の水準に、脱炭素で原発需要の増加期待 | MIRU (iru-miru.com)

 

 さらに、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高を受け、資源をロシア産に頼ることへのリスクが意識された。米国は現時点でロシア産ウランの輸入を完全には禁じていないが、ロシア産濃縮ウランの輸入禁止を検討してはいる。今後、ロシアからのウラン供給が細るとの警戒は強く、代替を探す動きが活発化している。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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