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ダイセキ環境ソリューション(1712) 24/2期WEB説明会メモ ややポジティブに変更

24/2期47.1%増収、営利2倍で最高収益更新も25/2期は26.4%減収19.6%営利減予想

株価921円(4/8) 時価総額142億円 発行済株16,827千株

PER(25/2期DO予10.2X)PBR(0.94X)配当(25/2予)14円  配当利回り:1.5%

 

要約

・24/2期は大型インフラ整備工事案件等好調で47.1%増収、営利2倍で最高収益更新

・25/2期は大型物件なく26.4%減収19.6%営利減予想も下限予想で増額期待

・中計目標として27/2期に売上高228億円、営利23.96億円目指す

 

 

24/2期は大型インフラ整備工事案件等好調で47.1%増収、営利2倍で最高収益更新

 

  汚染土壌調査から浄化処理まで一貫事業展開するダイセキグループの一員。4/4に24/2期WEB決算説明会が実施された。24/2期は売上高241.50億円(1/5再々増額修正予想比5.37億円増額、47.1%増)、営業利益27.92億円(同1.24億円減額、2.0倍)と、大型案件寄与で最高収益更新となった。

 

 事業別では主力の土壌汚染調査・処理事業が売上高194.13億円(同6.68億円増額、46.1%増)、営利27.32億円(97.2%増)となった。売上高が増額となったのは中京エリアの37億円、関東エリア20億円、関西エリア47億円(一部25/2期に売上計上)の大型コンサル案件が寄与。名古屋が売上高73.54億円(期初計画比21.66億円増額、1/5予想比1.07億円増額、59.0%増)、東京74.75億円(同30.83億円増額、同5.99億円増額、70.0%増)、関西31.0億円(同2.81億円増額、同0.46億円未達、1.1%減)、その他14.74億円(5.02億円増額、同計画通り、30.1%増)となっている。利益面ではコンサル営業(土壌処理に加え、調査・工事を合わせた売上高)の比率が28.0%から36.7%にアップ、増収効果に合わせMIX良化もあり営利率は共通費控除前で10.4%から14.1%、共通費控除後で5.3%から9.3%へ、それぞれ3.9,4.0ポイントアップし大幅増益となった。なお土壌処理数量では土壌処理数量が103.5万t(5.6%増)、内浄化処理数量が27.7万t(5.8%減)となっており、収益力の高い浄化処理数量が減少する中でコンサル営業の拡大が収益性の向上に大きく寄与したものとみられる。

 

 廃石膏ボードリサイクル事業は売上高24.21億円(同0.29億円未達、同0.14億円未達、4.8%増)、営利増益(具体数字は今期より非開示)と、グリーンアローズ中部がフル生産状況で16.53億円(同0.56億円増額、8.9%増)、同九州は解体案件延期影響で7.65億円(同0.85億円未達、3.4%減)となった。利益面では中部が増収効果、九州は単価アップでいずれも増益に。その他事業はPCB事業BDF事業とも計画未達。なおQ2からM&Aで杉本商事が加わり、売上で15億円、連結営利1億円寄与に。

 

 全体を通じ、主力事業で大型インフラ整備工事案件がQ3までに大きく寄与、最高収益大幅更新した。なお四半期推移ではQ3をピークに土壌汚染処理で大型案件が大阪を除き一巡、Q4では売上高45.75億円(同期比0.8%増、Q3比23.0%減)、営利2.61億円(同23.0%減、同67.1%減)と大幅反動減となっている。

 

25/2期は大型物件なく26.4%減収19.6%営利減予想も下限予想で増額期待

 

  25/2期会社予想は売上高177.54億円(26.4%減)、営利22.44億円(19.4%減)予想と、土壌汚染調査・処理事業で大型案件が乏しいとして、収益低迷予想とした。事業別売上で主力の土壌汚染調査・処理事業が売上高123.84億円(36.2%減)、営業利益20.78億円(23.9%減)と予想した。名古屋地区で大型案件がなく35.70億円(51.4%減)、東京は高水準も東京以外は低調で51.62億円(30.9%減)、関西は26.89億円(13.3%減)と24/2期の大型案件の残りが下期に寄与するとして他地域より落ち込みを低く見積もっている。処理量前提も94.5万t(8.7%減)を見込む。利益面では減収影響に加え大型案件が乏しくMIX悪化もあり大幅減益予想。但し足元で、東京地区は堅調な受注となっているとのことで、多少の増額が見込めるほか、能登震災関連でも多少の動きも期待され、昨年のような3度の増額修正などの大幅増額は見込めないものの、下期に増額の期待がある。

 

 廃石膏ボードでは売上高25.73億円(6.3%増)、営利ほぼ横ばい(0.01億円増)を見込む。中部は17.88億円(8.2%増)とフル生産状況で、新たな工場用地取得、2025年末の稼働を計画している。九州は7.65億円と横ばい見通しに。利益面では工場用地取得などで費用が0.2億円増となり、実質は0.21億円増益予想とのこと。昨年Q2から連結対象となった杉本商事は通期連結で売上高18.24億円((21.3%増)、利益も増益を見込む。PCB事業は処理期限が迫り下期に需要増を期待、売上高6.15億円(20.6%増)予想。BDFも新規契約分の寄与から3.92億円(21.3%増)を見込む。

 

 

 全体として土壌汚染調査・処理事業で大型案件が乏しい前提でスタート。但し前期は3度の増額修正を行っており、今期もスタート時点で確定案件が不透明とのことであるものの、半導体設備投資や事業再編に伴う工場統廃合、使用変更などの案件があり、更に能登震災関連でも一部需要が発生するとみられ、会社計画に対し上振れが期待される。

 

 

中計目標として27/2期に売上高228億円、営利23.96億円目指す

 

  同社は中期計画を毎年スクロールしているが、今回、31/2期に売上高309億円、営利40億円を目標として掲げ、27/2期に売上高228億円、営利23.96億円を目標とした。また事業の変革を行い、31/2期に売上高300億円、営業利益40億円を目指すとした。売上見通しで27/2期まで伸びを大きく見込まないのは、主事業である土壌汚染調査・処理事業で大きな案件がないとの判断のため。但し、従来問題となっていたリニア新幹線が静岡県知事の反対など2027年完成予定をJR東海が断念したなどがあったが、今回不適切発言で辞任を表明したことで、工事進捗に希望が出てきた。また調布市の大深度トンネル工事における陥没・空洞事故発生影響も改善の方向にある。加えて能登震災復興のために様々なニーズもあるとみられ、26/2期以降は前倒しでの収益拡大があり得る。

 

 

 廃石膏ボード事業は九州の能力増強に加え、中部も新工場設置で2026年以降に能力増強効果が期待、需要増に合わせ増収増益が続く見通し。加えて石膏ボードは不適正処理が横行しつつあり、廃石膏ボードは年間百数十万トン排出されているが、そのリサイクル及び適正処理を推進していくことが強く求められている。現在、建設リサイクル法の制度改正が論議されており、 解体系廃石膏ボードをリサイクルする仕組みの確立、建設リサイクル法において「特定建設資材」に指定する動きがある。この実現ともなれば、同事業も拡大加速が期待される。

 

 

 その他事業ではPCBでは商圏拡大と塗膜事業取込み、BDFは脱炭素化の高まりの中で調達・生産拡大と体制強化を図る。さらに杉本商事グループの取込みで同社グループになかった、一般廃棄物及び産業廃棄物の運搬・処理、古紙の回収・リサイクルという新たな事業ソリューションが加わり、ソリューションの幅が広がる。このように、同社を取り巻く環境はフォローの風が吹いており、25/2期をボトムに、再度事業の成長仮想が期待される。

 

 27/2期以降については外部環境が追い風の中、積極的な投資の実行(5年間で100億円規模を想定)、経営リソース優先投下・M&Aや新規事業の推進し、事業ポートフォリオ変革を実行する計画で、既に第3の柱となる事業の準備を行っているとのこと(詳細はまだ明らかにできない)で、具体的な内容開示が待たれる。

 

 株価はコンセンサスとして25/2期も最高益更新を予想するものとなっていたため、25/2期予想が大幅減益予想となったことで株価が急落、4/8に915円の年初来安値更新となっている。現在、25/2期会社予想EPS75.71円に対しPER12.2倍は同社安値平均PER14.5倍を下回り、東証スタンダード建設平均PER13.4倍と似通った水準にある。今回予想が多少慎重なものであり、今後、増額修正も期待できることから、25/2Q1で悪材料を織り込んだと判断、ポジティブからややポジティブに引き下げるものの、今後の静岡県知知事選、能登復興の具体化などが材料となり反発を見込みたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

 

 

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