JX金属:資源循環分野における三菱商事株式会社との合弁会社の設立
2024年4月22日、JX金属は「資源循環分野における三菱商事株式会社との合弁会社の設立について」を発表した。詳細は以下。
JX金属株式会社(社長:林 陽一、以下「同社」)は、三菱商事株式会社(社長:中西 勝也、以下「三菱商事」)と廃家電・廃電子機器や廃車載用リチウムイオン電池等の非鉄金属の資源循環に関する合弁会社(以下「新会社」)を設立し、2024年7月を目途に事業を開始することについての契約を締結した。
脱炭素化の進展に伴い、銅やレアメタルなどの金属資源の需要は今後さらに拡大していくことが見込まれている。こうした中、自動車業界や家電・電子機器業界を中心に、使用済み製品を回収・再資源化し、同一素材として再利用するクローズドループ・リサイクルへの関心が高まっているが、その処理は必ずしも容易ではなく、実現にあたっては、製品ライフサイクルに関わるサプライチェーン全体が連携して資源効率性を高める仕組みを整備することが不可欠。これは金属資源の大半を輸入に依存している日本において、特に重要な意義がある。
このような背景のもと、このたび同社は、同社および同社100%子会社のJX金属商事株式会社(社長:六信 厚、以下「JX金属商事」)がこれまで行ってきた銅・貴金属リサイクルと車載用リチウムイオン電池リサイクルに関する事業*1を分割して三菱商事とともに新会社を設立し、さらなる資源循環の推進を目指すこと*2。三菱商事の有する産業横断型のグローバルなネットワーク・知見を活用することにより、リサイクル原料の集荷強化、国内外リサイクラーと協働したリサイクルプロセス変革とデジタル化を推進する。さらには、非鉄金属の資源循環を軸に、自動車OEMや総合電機メーカー等が抱える課題に対するソリューションを提供し、サーキュラーエコノミー実現への貢献を目指す。
また、新会社営業開始後のJX金属商事では、同社グループの半導体材料・情報通信材料に関わる各部門との営業面、販売面での連携を強化し、機能の拡充を図る。同社グループのフォーカス事業の一翼を担う中核商社として、機動性を生かした事業運営をより一層推進し、同社グループ全体の成長に貢献する。
今後も同社グループは、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」で掲げる成長戦略の確実な実行にグループ一丸となって取り組む。
■新会社概要
① 商号 JX金属サーキュラーソリューションズ株式会社
② 所在地 東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
③ 代表者 未定
④ 事業内容 廃家電・廃電子機器や車載用リチウムイオン電池等の非鉄金属の資源循環事業
⑤ 資本金 未定
⑥ 合弁事業開始*3 2024年7月(予定)
⑦ 出資比率 JX金属80%、三菱商事20%
■JX金属概要(2024年4月1日現在)
① 商号 JX金属株式会社
② 所在地 東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
③ 代表者 代表取締役会長 村山誠一 代表取締役社長 林陽一
④ 事業内容 薄膜材料事業、タンタル・ニオブ事業、機能材料事業、金属・リサイクル事業、資源事業
⑤ 設立年月日 2002年9月27日
■三菱商事概要(2024年4月1日現在)
① 商号 三菱商事株式会社
② 所在地 東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
③ 代表者 代表取締役 社長 中西 勝也
④ 事業内容 地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開
⑤ 創立年月日 1954年7月1日
■JX金属商事概要(2024年4月1日現在)
① 商号 JX金属商事株式会社
② 所在地 東京都新宿区荒木町13-4
③ 代表者 代表取締役 社長 六信 厚
④ 株主 JX金属株式会社 100%
⑤ 事業内容 電子材料用金属圧延品の販売・部品加工サービス、基礎化学品・機能化学品の販売、電子材料用高純度メタル・レアメタルの販売、非鉄金属スクラップの集荷、有価物の回収、電子材料用めっき薬品の販売・開発・製造
⑤ 設立年月日 1948年2月20日
*1新会社へは、同社で行うリサイクル原料集荷事業の一部および廃車載用リチウムイオン電池リサイクルに関する事業ならびにJX金属商事が行うリサイクル原料集荷事業を移管させる。併せて、同社の100%子会社であり、現在廃車載用リチウムイオン電池リサイクルに関する実証試験を行っているJX金属サーキュラーソリューションズ株式会社は、新会社の100%子会社となるとともに、名称をJX金属サーキュラーソリューションズ敦賀株式会社に変更する。さらに、JX金属商事株式会社の100%子会社であるJX金属髙商株式会社についても新会社の100%子会社となる。
*2JX金属グループでは"サステナブルカッパー・ビジョン"のもとで、銅製錬におけるリサイクル原料の配合比率を飛躍的に高める「グリーンハイブリッド製錬」のためのリサイクル原料の増集荷・増処理に取り組み、2040年にリサイクル原料比率を50%以上とすることを目標とする。新会社を通じてリサイクル原料の集荷力を向上させ、目標実現に向けた取り組みを加速させる。"サステナブルカッパー・ビジョン"の詳細は、JX金属の2022年8月3日付プレスリリース「"サステナブルカッパー・ビジョン"の策定について」および同プレスリリースの別紙「サステナブルカッパー・ビジョン JX金属が目指すサステナブルな銅の姿」をご覧ください。
*3当事者間で検討を進める中で、日程を変更する場合がある。
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