水俣病問題から一貫して目を背ける環境省
すでに多くのマスコミ報道で話題となっていますが、この5月1日(この日は水俣病患者第1号とされた女の子の件が、水俣保健所に届けられた日で、水俣病公式認定の日とされています。)の水俣市で行われた水俣病犠牲者の慰霊式に続く、いまだに病気に苦しむ未認定患者や支援団体等と環境大臣との懇談会は、無茶苦茶なものだったそうです。
本来、病魔やいわれのない差別にいまだに苦しんでいる方々の声を真摯に聞くべきこのような集会に、なんと環境省はその訴えを1団体3分間という時間制限を設けたのです。
これだけでも驚きですが、当然スピーチ慣れしない水俣の被害者の方々は、3分で自分の、家族の、周囲の方々の苦しみを話せるはずがありません。国会答弁でもあるまいし。環境省は水俣病事件を解決するためにできた環境庁が母体なのに、肝心の患者の声を真摯に聞こうとしないのです。(しかも環境大臣はこの懇談会に5分遅刻したとか。)
報道ステーション等で、環境省の役人が、心を込めて声を震わせながら発言する被害者に、「そろそろおまとめください」とか、茶々を入れ、こともあろうか、3分経つとマイクの音声を切るという「嫌がらせ」があったのです。さすがの参加者も、集会の最後に抗議しました。これに対して、環境省の役人は集会の最後に「事務局のミスでした。申し訳ありません」と帰り支度をしながら弁解をしました。そして環境大臣は「マイクが切られていたとは認識できなかった」とまで発言しました。
このニュースはマスコミやYouTubeで拡散され、5月8日環境大臣はこの件を「謝罪」しに、水俣を再度訪問したようです。マイクを切った役人も、ばつが悪そうな表情で、病に苦しむ人々や、患者支援団他の前で一応の謝罪をしに水俣に来ましたした。マスコミやネットが騒いだせいでしょうが、彼らにそんな時間があるのなら、最初から1泊2日でじっくり彼らの苦しみを聞けたはずなのです。
関西水俣病の最高裁判決以来、環境省は一貫してこの問題を軽視している、いや、この問題から目を背ける行動をとっています。
本当に苦しんでいる庶民の声を聴くのが趣旨ならば、時間制限など設置することの方がおかしいのです。
前々からわかっていたことですが、環境省も自民党政権も、まったく庶民の声を真摯に聞こうとしていません。私たちはなめられているのです。
環境省の職員の方々。循環政策や、脱炭素政策。大いに結構です。しかし、あなた方の先輩が一番最初にその解決を求められていた「水俣病事件」に苦しむ方々の声を、まったく真摯に聞こうとしない、あの態度は何なのでしょうか?
読者の皆さん。鬼才、原一男監督の渾身の力作、2021年公開の『水俣曼荼羅』をぜひ観てください。6時間以上のドキュメンタリー映画ですが、ここでもまず、最初のシーンで小池百合子環境大臣(当時)と、環境省の役人が、いかに苦しんでいる人々に対し、表面上は「謝罪」しながらも、実は彼らを切り捨てようとしているのかが、たんたんと描かれています。ものすごく哀しい、そしてリアルな映画です。しかし、この悲劇は現在進行中なのです。
https://www.youtube.com/watch?v=46vobmdLFb4
(iruniverse)
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