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東京精密(7729) 24/3期WEB説明会メモ ややポジティブ継続

24/3期8.3%減収26.6%営利減も生成AI関連好調、25/3期生成AI関連伸長で収益急回復

株価10660円(5/10) 時価総額4488億円    発行済株42104千株

PER(25/3DO予:19.0X)PBR(2.92X)配当(25/3DO予)224円  配当利回り:2.1%

 

要約

・24/3期8.3%減収26.6%営利減も生成AI関連好調でQ3ボトムにQ4回復基調

・25/3期生成AI関連好調も民生回復不透明で上期12.5%増収22.9%営利増予想のみ開示

・新中計、先端半導体増視野に25/3期売上高1700億円、営利375億円予想断念せず

 

 

24/3期8.3%減収26.6%営利減も生成AI関連好調でQ3ボトムにQ4回復基調

 

 24/3期決算が5/10に開示され、同日WEB説明会が実施された。24/3期は売上高1346.80億円(2/5修正予想比16.80億円増額、8.3%減)、営利253.08億円(同3.08億円増額、26.6%減)、受注高1280.85億円(同1.15億円減額、11.3%減)、受注残高880.04億円(13.6%減)と、2/5修正予想に対し若干上振れ着地した。

 

 セグメント別では半導体製造装置事業が売上高1000.55億円(2/5計画比5.55億円増額、11.0%減)、営利198.99億円(33.4%減)、受注860.82億円(同9.18億円減額、13.4%減)、受注残高753.98億円(15.6%減)となった。受注ではスマホ、PC、民生機器の低迷でロジック半導体、電子部品向けが低迷、特に台湾OSAT向けが低迷、前期好調だったウエハ増産向けも反動減に。但しAI関連は増加、通期受注は150億円弱(推定:上期70億円弱、下期80億円弱)、中国向けも健闘した。売上面では受注残高の消化が順調に進みほぼ計画線で推移し、特にQ4では生成AI関連が50億円強計上された(上期はQ2に受注が始まり、売上は僅かとみられる)。装置別受注構成比に大きな変化はなく、売上では多少検査装置の構成比があがった。

 

 計測器事業は売上高346.24円(計画比11.24億円増額、0.5%増)、営業利益54.08億円(16.9%増)、受注348.02億円(同8.02億円増額、5.8%減)と受注は工作機械などの低調で減少も、売上は非自動車向けの計測器、一部の価格改定でほぼ横ばいを確保、利益は価格改定効果が寄与し増益に。なお、受注では充放電試験システムが好調に推移、構成比が10%まで常用している。

 

25/3期生成AI関連好調も民生回復不透明で上期12.5%増収22.9%営利増予想のみ開示

 

 25/3期会社予想は生成AI関連好調も民生回復不透明として25/3H1予想のみを開示し、売上高715億円 (前年同期比12.5%増)、営利140億円(同22.9%増)経常利益138億円(同14.3%増)、税引利益95億円(11.1%増)、受注高640億円推定(7.6%増)予想とした。

 

 事業別では半導体事業が売上高530億円(同期比13%増)、受注上期について440億円(同期比4%増)予想。現状、民生の不振が続いているが、受注面では引続き生成AI関連、SiC関連が好調、中国向け、CMOS向け等が堅調と見ている。またスマホ向けもボトムを付けた模様で引合いが出ているとのこと。生成AI関連では引合いが旺盛で、現状、成約できる案件として前下期の半分を計画に織込んだとのこと。またSiC向けではウエハ向けに加えSiCデバイス加工向けへの拡大に伴い需要が前下期比倍増を見込む。このため実際には会社25/3H1受注は60億円程度上振れの500億円程度(同期比18%増、54/3H2比14%増)が期待される。受注増に伴い、売上でも増額が期待される。

 

 

 計測機器は売上高185億円(同期比12%増)、受注200億円(同16%増)を見込む。工作機械向けはボトムも横ばい見通しで、自動車向けは内燃機関向けのシュリンクが一巡、次世代自動車向け計測機器の拡大、また充放電システム受注の拡大を見込む。

 

 全体として会社予想に対し受注上振れが見込まれ、収益も上方修正が期待される。

 

新中計、先端半導体増視野に25/3期売上高1700億円、営利375億円予想断念せず

 

 会社側で一昨年開示した2022-2024年度中期経営計画最終年度目標は2024年度に売上高1700億円(半導体1320億円、計測380億円)、営業利益375億円(営業利益率22%)としている。今回、25/3期予想の開示が無かったが、逆算すると中計達成のためには下期売上高985億円(同期比39%増。25/3H1比38%増)、営利215億円(同期比54%増、25/3H1比54%増)が必要で有り、実際には達成は難しいと言わざるを得ないが、経営トップは諦めてはいないと発言した。要は生成AI関連で下期は更に受注が拡大、SiC向け投資についても、ウエハ向けに加え、研磨工程が3倍必要と言われるデバイス向けが本格拡大となる見通し。同社は高剛性のブラインダーを有し、SiC分野では高いシェアを有するとみられる。またHBMなどでは積層数が増すにつれてマイクロボールボンディングからウエハレベルボンディングや3Dインターポーザ利用なども行われるとみられ、評価機から量産機への対応で下期に受注急拡大を見込んでいる。実際には受注獲得も、納期では来上期にずれ込むとみられるが、25/3期は23/3期水準への回帰、26/3期には収益の大幅拡大から25/3期中計目標を上回り、最高益更新が期待される。

 

 株価はチャットGPT関連でHBMやAI半導体向け関連株として上昇、3/8には12695円の年初来高値を取り、その後2割程度下落した状況にある。25/3期は上期予想のみの開示に止まるが、23/3期までの回復が見込まれ、EPSも580円程度が期待され、現在株価でDO予想PER19.0倍はプライム精密平均PER21.7倍に対し割高感はなく、東京エレクトロンの25/3期予想EPS961円に対するPER36.4倍、スクリーンの25/3期予想EPS741円に対するPER20.8倍に対しても割高感はなく、ややポジティブ継続としたい。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

 

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