ついに始まった最先端技術の導入~NexTech Week 2024より~
ブロックチェーン EXPO
ブロックチェーン技術は、分散型のデジタル台帳システムで、取引記録やデータの管理に革命をもたらしている。
まずは以下に、ブロックチェーンの基本的な仕組みと応用例について説明する
ブロックチェーンは、情報を「ブロック」にまとめ、それを「チェーン」のようにつなげることで成り立っている。各ブロックには取引データが含まれ、チェーン全体はすべてのブロックの連続した記録となる。最大のメリットは、安全で改ざん不可能なデータ管理を可能にするということだ。
中央集権型の従来のサーバー方式 ブロックチェーンを利用した例
分散性: ブロックチェーンは中央のサーバーではなく、ネットワーク全体でデータを共有・管理する。これにより、一箇所が攻撃されても全体のデータが失われることはない。
透明性: すべての取引データが公開され、誰でも確認することができる。これにより、データの改ざんが非常に難しくなっている。
不可逆性: 一度記録されたデータは変更や削除ができない。これにより、データの信頼性とセキュリティが確保される。
応用例
仮想通貨: ブロックチェーン技術の最も有名な応用例はビットコインなどの仮想通貨だ。仮想通貨は、中央銀行や政府の管理を受けずに取引を行うことができ、国際送金や決済の手数料を大幅に削減できる。
スマートコントラクト: スマートコントラクトは、契約条件が満たされたときに自動的に実行されるプログラムだ。例えば、不動産取引では、契約条件が満たされると同時に資金が自動的に移動する。これにより、取引の安全性と効率が飛躍的に向上する。
サプライチェーン管理: ブロックチェーンは、商品の生産から消費者に届くまでの過程を追跡するために使われる。これにより、商品の真贋確認やトレーサビリティが向上し、不正や偽造品の防止に役立つ。
しかし今回は、AI・人工知能EXPOと比べると、ブロックチェーンを利用した具体的なソリューションが少なくまだ発展途上だということが感じられた。
AI・人工知能 EXPO
人工知能(AI)は、コンピュータシステムが人間のように学習、推論、判断を行う技術である。AIは、大量のデータを利用してパターンを学習し、予測や分類を行う。技術の基盤には、機械学習アルゴリズムがあり、データから経験を積むことでモデルの精度を向上させる。ニューラルネットワークはその一例であり、脳の構造を模倣して多層のノード(ニューロン)を通じてデータを処理し、複雑な関係を学習する。各層のノードは、入力データを処理し、次の層に出力を伝達する。最終的には各層を経てAIは結論を出力する。
もう一つの重要な要素はデータ前処理である。収集したデータは、欠損値の補完や異常値の処理、正規化を行い、モデル訓練に適した形に整えられる。この段階は、モデルの性能に大きく影響するため、非常に重要である。
今回の展示会では該当する展示が見られなかったが、昨今このデータ前処理の重要性が再確認されており、質の高い学習データを商材として利用する潮流がある。
訓練されたAIモデルは、評価データを用いてその性能を検証する。予測精度や分類精度、再現率、精度などの指標を用いて評価し、結果に基づきモデルの改善を行う。この再訓練を繰り返すことで、モデルの精度を向上させる。
最終的に、実装段階では、AIモデルが実際のアプリケーションに統合され、リアルタイムでデータを処理し、意思決定を支援する。
例えば、画像認識システムでは、カメラから取得した映像データをリアルタイムで分析し、異常を検出する。
また、自然言語処理システムでは、テキストデータを解析し、ユーザーの意図を理解して適切な応答を生成する。
このようにして、AIはさまざまな分野で実用化され、生活やビジネスに大きな影響を与えている。
ソニーからは専門家が必要とならないパッケージ型のAIシステムの展示があった。担当者曰く、昨今急激に問い合わせが増えているそうだ。一方で、AIが万能であると信じて全く畑違いの領域で導入できないかという相談も多いそうだ。
昨今のAIの最も手軽なAI導入の場として議事録作成が選ばれることが多い。今回の展示会においても数多くの議事録作成に関する出展が行われていた。
(IRuniverse Imahoko)
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