中国経済、一段の悪化 1-5月不動産開発投資ついに2ケタ減 景況感や融資も悪い
2024/06/17 15:29
中国当局が6月17日までに発表した2024年5月の経済指標では、景気の一段の悪化を示す数値が多かった。1-5月の不動産開発投資は前年同期比10.1%減とついに2ケタの減少率になった。製造業景況感指数(PMI)も5月は好不況の境目となる50を下回った。データが悪かったためか、6月17日は国家統計局の発表も予定時刻から遅れた。
不動産開発投資の減少率は2023年年初に5%台だったのが、ついに2ケタに拡大した。固定資産投資の伸びも鈍化が続き、公共投資での下支えも息切れしつつある。
消費関連は小売売上高の伸びがやや改善したものの、サービス業の景況感指数が前月から低下。消費者物価指数(CPI)はかろうじて上昇しデフレは免れたが、横ばいにとどまり上昇の兆しも薄い。5月の銀行融資は1兆元超とされていた市場予想よりも少なく、そのためか中国人民銀行は年初からの累計のみで、5月単月の数字は発表しなかった。
救いは輸出入がプラスを維持し、海外市況が好転していること。卸売物価指数(PPI)の減少率も1%台と、マイナスとはいえ縮小した。
2024年5月までの中国の主な経済指標
(注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計)
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/05/01 米中貿易摩擦緩和期待でLME鉛相場堅調、スタート鉛建値は9円引き上げ342円に
- 2025/05/01 米ウクライナ、資源協定を締結 復興基金を共同設立、米財務省が発表
- 2025/04/30 大紀アルミ:25/3期は、特別損失の計上へ
- 2025/04/30 第5回CEシンポジウム in NAGOYA講演詳報1 ――中部経産局、栗田、ケミカルリサイクル
- 2025/04/30 ノベリス、蔚山アルミリサイクルセンターを開設
- 2025/04/30 【貿易統計/日本】 2025年3月のアルミ灰輸出入統計
- 2025/04/30 【貿易統計/日本】 2025年3月の廃バッテリー輸出推移統計
- 2025/04/30 【貿易統計/日本】 2025年3月の日本のすず地金輸出入統計
- 2025/04/30 ICSGが最新予測を発表 2025~2026年、銅市場は引き続き供給過剰の見通し
- 2025/04/30 25年4月の国内アルミ二次合金生産は前年同月比1%減の59,692トン24年度通期も前年比減